ホンダ軽自動車取材会(中編)【試乗記】
ホンダ軽自動車取材会(中編) 2007.04.15 試乗記 ホンダ・ゼストスポーツW(FF/4AT)……144万3750円
ホンダの主要な軽自動車を集めたプレス試乗会。ライフに続いては、その“背高バージョン”たる「ゼスト」に乗ってみた。
“高”は“低”を兼ねる
(前編からのつづき)
せ:お次は、「ゼスト」。
コ:これもハイトワゴンやろ? 「ライフ」と一緒みたいなもんやん。
せ:ゼストは、ライフの派生モデル。2年半後の、2006年2月末にデビューしました。
コ:こっちのほうが、ずっと新しいんや。若いヒト狙ってんの?……にしては、ちょっと地味やな。さっきの「ライフディーバ」と比べたらなおさらや。
せ:男性向けです。ライフは女性ユーザーばっかりだから。でも、ゼストはむしろ中身、ユーティリティがウリ。ライフより、さらに高く、広い。
コ:いくらなんでも、もうええやん。そんな要らんやろ。売れるんか?
せ:ライフといい勝負で、月6000〜7000台のペースですよ。
全高で60mm、室内高で55mmのアドバンテージ。どうせライフだって多くの立体駐車場に入らないんだから、高くなきゃソンソン。
クラッシュテストは満点評価
コ:リアも広いな。振り向きざま、荷室のフロアに手がつくで。気軽に荷物にアクセスできるのは、背もたれが低い軽ならではやね。
せ:低いといえば、ホンダお得意の“低床”。ゼストにはリアハッチから乗り込める「車いす仕様車」が用意されています。ちなみに、ライフにはありません。
コ:規格の範囲内で、ようやるなぁ。いま、「全長×全幅×全高=3400×1480×2000mm」以下やったやろ。たしか。
せ:走りのペースのほうは、ビービー言うだけで前に出て行かない感じ。ターボモデルのあとではなおさら非力に感じます。
コ:それは乗り方が悪いねんて……。普通に踏んでる分には、じゅうぶんにトルキーやで。このエンジンは実をとったんやな。
せ:乗り心地は、ライフと同じ。かなり硬め。いっぱいモノ積んだらちょうど良いようになってたりして。
コ:そのユーティリティ性能は結構やけど、スペースぎりぎり使うと、安全面が心配になってくるんと違うか? 「ペナペナで、安全性が乏しそう」いうんが、普通車ユーザーの軽に対する見方やろ。
せ:ゼストは軽自動車では初めて、国土交通省のクラッシュテストで満点評価を得てるんですよ。
コ:……つくづくクラスを超えてるね。クラスの意味、あるんか?(後編へつづく)
(文=webCG近藤俊&関顕也/写真=webCG/2007年4月)

近藤 俊

関 顕也
webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。
-
BMW iX3 50 xDrive Mスポーツ(4WD)【海外試乗記】 2025.12.12 「ノイエクラッセ」とはBMWの変革を示す旗印である。その第1弾である新型「iX3」からは、内外装の新しさとともに、乗り味やドライバビリティーさえも刷新しようとしていることが伝わってくる。スペインでドライブした第一報をお届けする。
-
BYDシーライオン6(FF)【試乗記】 2025.12.10 中国のBYDが日本に向けて放つ第5の矢はプラグインハイブリッド車の「シーライオン6」だ。満タン・満充電からの航続距離は1200kmとされており、BYDは「スーパーハイブリッドSUV」と呼称する。もちろん既存の4モデルと同様に法外(!?)な値づけだ。果たしてその仕上がりやいかに?
-
フェラーリ12チリンドリ(FR/8AT)【試乗記】 2025.12.9 フェラーリのフラッグシップモデルが刷新。フロントに伝統のV12ユニットを積むニューマシンは、ずばり「12チリンドリ」、つまり12気筒を名乗る。最高出力830PSを生み出すその能力(のごく一部)を日本の公道で味わってみた。
-
アウディS6スポーツバックe-tron(4WD)【試乗記】 2025.12.8 アウディの最新電気自動車「A6 e-tron」シリーズのなかでも、サルーンボディーの高性能モデルである「S6スポーツバックe-tron」に試乗。ベーシックな「A6スポーツバックe-tron」とのちがいを、両車を試した佐野弘宗が報告する。
-
トヨタ・アクアZ(FF/CVT)【試乗記】 2025.12.6 マイナーチェンジした「トヨタ・アクア」はフロントデザインがガラリと変わり、“小さなプリウス風”に生まれ変わった。機能や装備面も強化され、まさにトヨタらしいかゆいところに手が届く進化を遂げている。最上級グレード「Z」の仕上がりをリポートする。
-
NEW
アストンマーティン・ヴァンテージ ロードスター(FR/8AT)【試乗記】
2025.12.13試乗記「アストンマーティン・ヴァンテージ ロードスター」はマイナーチェンジで4リッターV8エンジンのパワーとトルクが大幅に引き上げられた。これをリア2輪で操るある種の危うさこそが、人々を引き付けてやまないのだろう。初冬のワインディングロードでの印象を報告する。 -
BMW iX3 50 xDrive Mスポーツ(4WD)【海外試乗記】
2025.12.12試乗記「ノイエクラッセ」とはBMWの変革を示す旗印である。その第1弾である新型「iX3」からは、内外装の新しさとともに、乗り味やドライバビリティーさえも刷新しようとしていることが伝わってくる。スペインでドライブした第一報をお届けする。 -
高齢者だって運転を続けたい! ボルボが語る「ヘルシーなモービルライフ」のすゝめ
2025.12.12デイリーコラム日本でもスウェーデンでも大きな問題となって久しい、シニアドライバーによる交通事故。高齢者の移動の権利を守り、誰もが安心して過ごせる交通社会を実現するにはどうすればよいのか? 長年、ボルボで安全技術の開発に携わってきた第一人者が語る。 -
第940回:宮川秀之氏を悼む ―在イタリア日本人の誇るべき先達―
2025.12.11マッキナ あらモーダ!イタリアを拠点に実業家として活躍し、かのイタルデザインの設立にも貢献した宮川秀之氏が逝去。日本とイタリアの架け橋となり、美しいイタリアンデザインを日本に広めた故人の功績を、イタリア在住の大矢アキオが懐かしい思い出とともに振り返る。 -
走るほどにCO2を減らす? マツダが発表した「モバイルカーボンキャプチャー」の可能性を探る
2025.12.11デイリーコラムマツダがジャパンモビリティショー2025で発表した「モバイルカーボンキャプチャー」は、走るほどにCO2を減らすという車両搭載用のCO2回収装置だ。この装置の仕組みと、低炭素社会の実現に向けたマツダの取り組みに迫る。 -
ホンダの株主優待「モビリティリゾートもてぎ体験会」(その2) ―聖地「ホンダコレクションホール」を探訪する―
2025.12.10画像・写真ホンダの株主優待で聖地「ホンダコレクションホール」を訪問。セナのF1マシンを拝み、懐かしの「ASIMO」に再会し、「ホンダジェット」の機内も見学してしまった。懐かしいだけじゃなく、新しい発見も刺激的だったコレクションホールの展示を、写真で紹介する。


































