日産マイクラC+C Sport1.6(FF/4AT)【ブリーフテスト】
日産マイクラC+C Sport1.6(FF/4AT) 2007.04.11 試乗記 総合評価……★★★「日産マーチ」のコンパクトボディにグラスルーフのハードトップを乗せたオープンモデル「マイクラC+C」。日本導入を前に欧州モデルに試乗した。
価格次第ですね
先代ではキャンバストップ型だった「マーチ」のオープンモデルが、現行型では流行のクーペ・カブリオレ(日産は“クーペ・コンバーチブル”と呼んでいる)になり、2005年末からヨーロッパで販売されているのはご存じのとおり。
日本でも、この夏いよいよ販売がスタートする。それに先駆け、イギリス仕様のマイクラC+Cに試乗することができた。
コンパクトなボディに愛らしいフロントマスクのマーチが、やさしいボディカラーを身にまとい、屋根を開けて走ってきたら、女の子たちから熱い眼差しで見られること請け合い。不格好に膨らんだトランクなんてあばたもえくぼ、きっと気にならないんだろうなぁ。
取り回しに困らないサイズやカジュアルな雰囲気に加え、クルマのできも悪くない。これなら、オープンカー乗りの裾野を広げてくれそうだ。あとは正直、価格次第というところ。
プジョー「206CC(1.6リッター/268万円)」や「マツダ・ロードスターRHT(AT)(2リッター/280万円)」の存在を考えると、200万円代前半でも、勝負は難しいのではないか。なんとか200万円を切る値段で、オトメの心と財布の紐を開いてほしいものだ。そのときは総合評価を★★★★に修正しますので!
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
日産のコンパクトカー「マーチ」(欧州名マイクラ)にグラスルーフの電動ハードトップを乗せたオープンモデル。2002年のパリサロンでデビューした。欧州では2005年末に販売が開始された。日本導入は2007年夏ごろ。「マーチC+C」ではなく、欧州名のまま「マイクラC+C」として販売される予定だ。
(グレード概要)
欧州では、1.4、1.6リッターがあり、それぞれにAT、MTモデルが用意される。日本に導入されるモデルは、1.6リッター+4ATのみ。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
“クーペ・コンバーチブル”を名乗るだけに、マイクラC+Cには開閉可能なハードトップが備わっている。2分割式のハードトップは、リアウィンドウ部に加えて、ルーフ部分もガラスがはめ込まれた。いわゆるグラスルーフで、昼間ならルーフを閉めた状態でもキャビンが明るいのが自慢。サンシェードが備わるので、日差しの強いときでも心配は無用だ。
ルーフの開閉は、センターコンソールのスイッチを操作するだけ。フックを外すなどの手間はない。開閉時間は約27秒と、信号待ちの間に十分完了するスピードである。
(前席)……★★★
全高が1441mmと、いつものマーチよりも低く、ドライバーに覆い被さるようにフロントガラスが延びていることもあって、身長168cmと、決して大きくない私でも、頭のすぐななめ上にフロントウインドーの上端部が迫る。
ルーフを開けたところで、ふつうに前を眺めているかぎり頭上の空は視界に入らないから、オープンエアモータリングの楽しさは半分というところだ。
もちろん、髪や頬をなぶる風を楽しむことは可能であるし、サイドウィンドウを上げておけば100km/hくらいまで髪の乱れを気にすることなくドライブできる。
ただ、スピードを上げるとシートの後方から風が巻き込み、膝から下だけ寒い思いをすることになるので、冬場はしっかり防寒したい。シートヒーターは装着されていない。これは、ファブリックシートでも用意してほしいアイテムである。シートそのものはやや小ぶりで、私の場合、腰の下のほうがうまく支えられず、長時間のドライブは辛かった。
(後席)……★
ルーフの収納スペースを後席背後に確保するために、犠牲になってしまったのが後席の居住空間。私が適切なドライビングポジションをとると、その背後に大人が座るのはほぼ不可能。まともに足が入らないのだ。
足をななめに出してなんとか収まったとしても、頭が天井についてしまう。シートバックが直立しているので、身体の小さい子供でも長時間は厳しく、あくまで緊急用と割り切ったほうがいい。
(荷室)……★★★
ハードトップを開けた状態でトランクルームを覗くと、折り畳まれたハードトップの下にトノカバーがあり、その下が実際の荷室ということになる。
高さは30cmほどだが、幅100cm、奥行き75cmと、思ったより広い。そして、ハードトップを閉じれば、トランクリッドが盛り上がっているだけあって、高さは60cm以上に倍増する。おかげでこちらの広さも期待以上。トランクリッドがガバッと開くのも使いやすさに貢献している。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
搭載されるエンジンは、日本のマーチに積まれる1.5リッターHR15DEより100cc排気量の大きなHR16DEで、トランスミッションは4段AT。この組み合わせ、2000rpm付近の低回転でとても扱いやすいのが印象的で、トルコンのスリップも手伝って、軽くアクセルを踏んだだけでエンジンは即座に回転を上げ、1.2トン強のボディを力強く押し出してくれる。
回しても、4500rpmを中心に盛り上がりを見せ、このクルマをスポーティに走らせるだけの実力を備えている。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
ハッチバックより重量のかさむクーペ・カブリオレであることに加えて、グレードが「SPORT」ということもあって、サスペンションはやや硬めに味付けられている。それでも乗り心地は十分快適で落ち着いており、首都高の段差を通過するような場合でも、ショックをうまくいなしてくれる。
そして、ワインディングロードに持ち込めば、スポーティなサスペンションがロールを抑え込み、きびきびとした動きをもたらしている。
高速走行時の直進安定性も高く、乗り心地にも落ち着きがあるなど、足まわりの設定はなかなか好ましいものだった。
ボディは、ハードトップを開けると多少ユルさを覚えることもあるが、4シーターのクーペ・カブリオレとしては十分な剛性を備えている。
(写真=高橋信宏)
【テストデータ】
報告者:生方聡
テスト日:2007年3月21日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2007年型
テスト車の走行距離:3307km
タイヤ:(前)175/65 15(後)同じ(いずれも、ブリヂストンB391)
オプション装備:--
形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速道路(7)
テスト距離:349.4km
使用燃料:38.3リッター
参考燃費:9.12km/リッター

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
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