シトロエン C3プルリエル(2ペダル5MT)【試乗速報】
ふくらむ妄想 2005.04.26 試乗記 シトロエン C3プルリエル(2ペダル5MT) ……291万6000円 1台で5種類のボディに変身するシトロエンのコンパクトハッチ「C3 プルリエル」が日本に導入された。あいにく大雨の試乗となった『webCG』は、まだ見ぬオープンドライブに……。イイ意味で目立つ
名前は知られているのに、ちょっとマニアックな存在にとどまるシトロエンに、素敵なキャラモノが登場した。街で出会ったら思わず振り返る丸いボディ、シルバーのルーフアーチとボディカラーのコントラスト、ポカーンと口を開けたような表情のあるフロントマスクが微笑ましい、好感を持たれながら“目立つガイシャ”「シトロエン C3プルリエル」。クローズド状態の「サルーン」からピックアップトラック風まで、5種類のボディに変身できるコンパクトハッチである。本国では2003年から発売され、ジュネーブショーの恒例行事「カブリオレ・オブ・ザ・イヤー」を獲得した“シャレモノ”である。
日本に導入されるのは、1.6リッター直4(110ps)に2ペダル5MT「センソドライブ」を組み合わせたモデルのみ。価格は同国のライバル「プジョー206CC」(265万円〜)より少々お高い279万円だ。
手間暇と“ムダ”が楽しい
世のオープンカーは全自動、「ボタンひとつでオープン!」になるのが普通。プルリエルも電動開閉式のソフトトップを備え、完全クローズド状態が「サルーン」、開ければ青空天井「パノラミックサルーン」に変身できる。開閉位置はダイヤルで8段階に調節可能、ソフトトップは洗車機に入れても耐える構造だという。
しかし、銀色のルーフアーチだけを残す「カブリオレ」からは、少々ややこしい手作業が待っている。パノラミックサルーン状態で、ダイヤルスイッチをプッシュし、ソフトトップとリアウインドゥを一体化させた後、ハッチゲートを開けて、トランクの床下に丸ごと収納しなくてはならない。極めつけは、片側12kgのアルミ製アーチを取り外す「スパイダー」。はずしたアーチは車内に収納できないので、どこかへ置いておくしかない。さらに後席をフォールディング、最終形態の「スパイダーピックアップ」にしても、アーチを積むスペースは残念ながらないのだった。
でも、そんな不便がご愛敬に思えるくらい、プルリエルにはいいキャラがある。手間暇と“ムダ”な時間を使ってクルマを変形させるのは、それなりに楽しい作業だったし、またそうでないとルックスは本領を発揮できず、もちろん乗っても楽しくないのだ。
ちなみにコレ、試乗会当日が大雨のためサルーン状態のまま試乗するハメになった、リポーターの心の叫びだったりするが……。
飛ばす気にならない
プルリエルにとって分が悪い条件ながら、乗るとハッチバックC3とは趣が異なる、楽しげな雰囲気に溢れていた。インテリアはダッシュボードこそC3と同じであるものの、シートはカラフルな専用品。ボディカラーをアクセントに使うなどして、室内は華やかな雰囲気だ。C3 1.6に較べて車重が120kg重く、走りは快活とはいえないが、乗り心地はしっとり良好。コーナリング時のロールも抑えめで、雨にもかかわらずスタビリティが高く、不安を覚えることはなかったのは、さすがシトロエンらしいと思った。むしろ、まったく飛ばす気にならないトコロが、プルリエルのキャラクターならでは。渋滞も気にせず、休日の表参道あたりへ足を運んでみたいなぁ……なんて、雨のせいかオープンで走る妄想がふくらむ。
雨の試乗を終えて、広報スタッフにお話をうかがうと、プルリエルは女性ウケがイイという。たとえば「C5」オーナーの奥様や、日常クルマに乗る機会が多い主婦の方に「買っていただけたら」。さらに、プルリエルに注目が集まることで、他のシトロエン車が認知されるともおっしゃった。
2004年度のシトロエン、日本での登録台数は2068台(JAIA調べ)。2005年度は「C4」シリーズとプルリエルの導入で、3500台〜4000台の販売を目標に設定する。
それが達成できるか否かはさておき、「人目を惹く」クルマとして、プルリエルはかなりイイ存在なんじゃないかと思う。女性ウケもいいことだし、やっぱり晴れの日に表参道へ……と、リポーターの妄想はさらにふくらむのだった。
(文=webCGオオサワ/写真=荒川正幸/2005年4月)

大澤 俊博
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