クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック
【スペック】全長×全幅×全高=4910×1860×1465mm/ホイールベース=2900mm/車重=1870kg/駆動方式=FF/3リッターV6DOHC24バルブ(215ps/6000rpm、30.5kgm/3750rpm)/価格=682.0万円(テスト車=同じ)

シトロエンC6(FF/6AT)【ブリーフテスト】

シトロエンC6(FF/6AT) 2007.02.22 試乗記 笹目 二朗 ……682.0万円
総合評価……★★★★★

2006-2007年インポートカーオブザイヤーを受賞した「シトロエンC6」。独創のハイドロニューマティックやデザインの斬新さばかりが取り上げられるが、走ってみれば実は速いクルマなのだという。その理由は……。
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

長い目で見ると速い

何かと比べたくなる気持ちはわかるが、シトロエンは比べてどうかという優劣よりも、シトロエンらしさがアリかナシかという独自性に着目してしまう。唯我独尊の境地にあるC6の場合には特に、自分の気持ちの上ですでに乗る前から、見ただけで好意的になってしまっている。
飛ばそう、速く走ろうという気にならないし、まして張り合うなんて思いもよらない。とはいえ、瞬間的には後塵を拝しても、その距離が遠ければ遠いほど、先に到着する結果となるのは明白。安楽な運転は長距離運転の際に有利になるからである。

こまめにチェックすれば欠点をあげつらうのは簡単だ。しかしその欠点も些細なことがらに思えてしまう、それだけ包容力があり、快適移動空間の理想像と思えてくる。波長が合うとはこうしたことだろう。しかし一方では、誰にでも合うという一般性は割り引かれることも確かで、嫌われる要素も秘めている。だから評価は分かれるだろう。
短時間の試乗では理解しがたい点もあり、長く乗って作り手と価値観を共有できるユーザーのみが深い満足感を得られるクルマではある。

シトロエン C6 の中古車webCG中古車検索

【概要】どんなクルマ?

(シリーズ概要)
シトロエンのフラッグシップサルーンとなる「C6」は、2005年3月のジュネーブショーでお披露目され、同年末にヨーロッパでリリース。日本では2006年10月に発売された。足まわりには、シトロエンのお家芸となる油圧エアサス「ハイドロニューマティック・アクティブサスペンション」を採用。シトロエングループ最強の3リッターV6エンジンは215psと30.5kgmを発生する。組み合わせられるのは6段AT。

(グレード概要)
C6はモノグレード。9エアバッグやアンチスピンデバイスのESP、HDDナビゲーションシステムに加え、大柄な車体を駐車する際に重宝するパーキングアシスタントなどが標準装備される。また、後席居住性を向上した「ラウンジパッケージ」やサンルーフはオプションで選べる。

【車内&荷室空間】乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★★★
特に翔んでいるデザインではないが、独自性を強く感じる造形はシトロエンの流儀に従う。液晶のブロックがピロピロと伸びて光るタコメーターも、デジタル表示の速度計もけして読み易いわけではなく、むしろ手法は古臭い。しかしシトロエンの個性と思えば許すしかない。ハンドルのセンターパッドの大きさはグルグル回すのではなく、送りハンドルと優雅に滑らして戻す操舵を連想させる。セルフセンタリング式ではないが、復元性の強さはシトロエンの伝統。

(前席)……★★★★
シートはたっぷりサイズで鷹揚にくつろぐタイプだ。計器などの車情報は小さめの窓からの数字があるだけで、ふだんは無視してしまえるほど運転作業を強いない。だからある意味、自分の運転を客観視していられる。といって、横Gに対してのホールドは自分の体重で沈む接触面積が全体で包み込む。そして乗り心地的にはサスペンションが作り出すフラットな移動ゆえ、シートに助けられる感覚は薄く、いわば座布団感覚。本来は表皮が革装でややすべりがちながら、テスト車のシートは日本では展開していないアルカンタラ仕様、こちらを好む人も多いはずだ。積極果敢にコーナーを攻めたくなる環境ではない。

(後席)……★★★★
寛げることに関しては随一。今回の後席インプレッションも初期だけでその後まもなく眠り込んでしまった。リバースした反り返りをもつリアウィンドウも中からは圧迫感を感じず、ヘッドクリアランスに不足はない。低いフラットフロアやトンネル/デフの張出のない広々感はFF車ゆえの美点。座面クッションが高めで足を曲げずに下ろせる感覚はDSを彷彿とさせる。

(荷室)……★★★★
FFゆえの低いフロアによる恩恵で容量は広大。リバースした曲面のリアウィンドウによりトランクリッドの開口部も広い。ユニークなデザインのテールランプは細身でリッドの幅も広く四角いダンボール箱を積むような時にもすんなり入る。重量物を運び込む時に車高を下げて対処できる点も油圧サスペンションの利点。実用性の高さは非凡なデザインにもかかわらずよく考えられている。


シトロエンC6(FF/6AT)【ブリーフテスト】の画像 拡大

シトロエンC6(FF/6AT)【ブリーフテスト】の画像 拡大
シトロエンC6(FF/6AT)【ブリーフテスト】の画像 拡大
写真をクリックするとシートが倒れるさまが見られます。
写真をクリックするとシートが倒れるさまが見られます。 拡大

【ドライブフィール】運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★★
特に傑出したスペックは持ち合わせていないが、決して遅いクルマではない。意識的な加速を要求されるわけではなく、知らないうちに速度が出ているタイプでフリクションは少ない。定評があるアイシン製の6ATも、効率よく加速し変速もスムーズ。以前に試乗した500kmほどの平均燃費もで9.4km/リッターを記録し、今回も10.0km/リッターと良好な数字。回せば格別静粛とはいえない騒音レベルにあるが、活気のある気持ちいい回り方をするエンジンである。

(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
キビキビした軽快感はないものの、しっとりした安定性に支えられた落ち着きが身上。それでもコーナーでは速度低下なしに通過できて、平均速度が高くなるクルマである。
ハーシュネスなど単突起のイナシよりも、ボディのフラット感を重視するのが油圧サスの特徴。シトロエンの油圧サスペンションは容量が大きく、微小ストロークの速い動きからゆったりとした動きの長いストローク域まで、幅広く吸収してしまう。通常のコイルスプリングでは長さも巻き径も、スペースが限られるために容量を稼げないが、シトロエン流のスフィアは縦でも横でも空いている場所に自由に配置し、あとは油圧パイプで結べば容量を稼ぐことができる。それゆえにバネ下の動きはボディ変位に影響を与えにくく、水平を保つ感覚は強調されるわけである。
直進性と乗り心地を第一義にクルマに求める人ならば、C6を候補から外すことはできない。

(写真=高橋信宏)

【テストデータ】

報告者:笹目二朗
テスト日:2007年1月29日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2006年式
テスト車の走行距離:8608km
タイヤ:(前)245/45R18(後)同じ(いずれもミシュラン パイロットプライマシー)
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):高速道路(4):山岳路(2)
テスト距離:574.4km
使用燃料:57.45リッター
参考燃費:10.0km/リッター

試乗記の新着記事
  • アストンマーティン・ヴァンキッシュ ヴォランテ(FR/8AT)【試乗記】 2026.3.14 英国の名門、アストンマーティンの旗艦車種「ヴァンキッシュ」に、待望の「ヴォランテ」が登場。5.2リッターV12エンジンを搭載した最上級コンバーチブルは、妥協のないパフォーマンスと爽快なオープンエアのドライブ体験を、完璧に両立した一台となっていた。
  • プジョーE-3008 GTアルカンターラパッケージ(FWD)【試乗記】 2026.3.11 「プジョー3008」の電気自動車版、その名も「E-3008」が日本に上陸。新しいプラットフォームに未来感あふれるボディーをかぶせた意欲作だが、その乗り味はこれまでのプジョーとは明らかに違う。ステランティスのような大所帯で個性を発揮するのは大変だ。
  • ジープ・アベンジャー アップランド4xeハイブリッド スタイルパック装着車(4WD/6AT)【試乗記】 2026.3.10 「ジープ・アベンジャー」のラインナップに、待望の「4xeハイブリッド」が登場。既存の電気自動車バージョンから、パワートレインもリアの足まわりも置き換えられたハイブリッド四駆の新顔は、悪路でもジープの名に恥じないタフネスを披露してくれた。
  • 三菱デリカD:5 P(4WD/8AT)【試乗記】 2026.3.9 デビュー19年目を迎えた三菱のオフロードミニバン「デリカD:5」がまたもマイナーチェンジを敢行。お化粧直しに加えて機能装備も強化し、次の10年を見据えた(?)基礎体力の底上げを図っている。スノードライブを目的に冬の信州を目指した。
  • ホンダCB1000F SE(6MT)【レビュー】 2026.3.7 ホンダから満を持して登場した、リッタークラスの4気筒マシン「CB1000F」。往年のCBをほうふつさせるスタイルと、モダンなパフォーマンスを併せ持つネイキッドスポーツは、先行するライバルを追い落とすことができるのか? ホンダ渾身(こんしん)の一台の実力に触れた。
試乗記の記事をもっとみる
シトロエン C6 の中古車webCG中古車検索
関連キーワード
新着記事
新着記事をもっとみる

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。