ルノー・セニックRXE(4AT) vs オペル・ザフィーラ(4AT)【ライバル車はコレ】
ルノー・セニックの「ライバル車はコレ」 2001.02.27 試乗記ルノー・セニックRXE(4AT=249.0万円)
■「自由・平等・博愛」
社名、ブランドの知名度のわりに、わが国では「どんなクルマを売っているのか?」が知られていない元フランス国営自動車会社、ルノー。傘下におさめた日産のディーラーで売られているのが、散見されるようになったが……。
そんなフレンチメーカーが、ミニバン全盛の日本市場に大いなる期待をもって投入したのが、セニック。2000年にマイナーチェンジを受け、顔つきキリリ。エンジンが、2リッターSOHC(115ps)からDOHC16バルブ(138ps)に変更された。全長4170mm、全幅1730mm、メガーヌベースのコンパクトなボディは、都会でも使いやすい。
玄人受けするルノー車のハンドリングのよさは、セニックでも健在。ステアリングホイールを握る人が、単なる「人員運搬人」にならない楽しさがある。弱点は、洗練が足りないシフトプログラム。オートマといえど、シフターをコマメに操作する積極性が求められる。
独立した5つのシートは、フンワリと柔らかく、すばらしい座り心地。リアシートの住人も、前席と同じ快適性が提供される。さすがは、「自由・平等・博愛」の国から来たクルマ。
ミニバンの選択肢豊富な国内において、輸入コンパクトミニバンのライバルといえば、オペル・ザフィーラ。両者のシート配列、ドライブフィールなどに、お国柄が垣間見えて、興味深い。
|
【ライバル車はコレ】オペル・ザフィーラCDX(4AT=289.0万円)
■質実剛健の味
セニックと同様の成り立ちをもつのが、オペル・ザフィーラ。デビューは、1997年だから、セニックの1年後輩。同社のコンパクトモデル、アストラとコンポーネンツを共有する。全長4315mm、全幅1740mmと、セニックよりわずかに大きいが、依然として手頃な大きさ。
豊富なシートアレンジメントはもとより、ジマンは、フロアにキレイに収納できるサードシート。使うときには、シャクトリ虫のように現れる。あくまでエマージェンシー用だが、つくりはシッカリ。3点式シートベルトが装備される。ご近所のジュニアバスケットチームの送迎に便利かも。
セニックと比較すると、走りは、グッと「営業」的。1.8リッター「エコテック」ユニット(125ps)は、しわがれ声だが、黙々とよく働く。中低回転域でのトルクが豊かな、使いやすいエンジンだ。4段ATのプログラミングも自然で、「D」に入れっぱなしで走っても不満はない。
ポルシェが開発したという足まわりは、やや硬め。時にゴツゴツするが、高速巡航では、安心感高し。「質実剛健」の味を残したアメリカ資本のジャーマン・ミニバン。
(webCGアオキ/2001年1月)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
-
日産エクストレイルNISMOアドバンストパッケージe-4ORCE(4WD)【試乗記】 2025.12.3 「日産エクストレイル」に追加設定された「NISMO」は、専用のアイテムでコーディネートしたスポーティーな内外装と、レース由来の技術を用いて磨きをかけたホットな走りがセリングポイント。モータースポーツ直系ブランドが手がけた走りの印象を報告する。
-
アウディA6アバントe-tronパフォーマンス(RWD)【試乗記】 2025.12.2 「アウディA6アバントe-tron」は最新の電気自動車専用プラットフォームに大容量の駆動用バッテリーを搭載し、700km超の航続可能距離をうたう新時代のステーションワゴンだ。300km余りをドライブし、最新の充電設備を利用した印象をリポートする。
-
ドゥカティXディアベルV4(6MT)【レビュー】 2025.12.1 ドゥカティから新型クルーザー「XディアベルV4」が登場。スーパースポーツ由来のV4エンジンを得たボローニャの“悪魔(DIAVEL)”は、いかなるマシンに仕上がっているのか? スポーティーで優雅でフレンドリーな、多面的な魅力をリポートする。
-
ランボルギーニ・テメラリオ(4WD/8AT)【試乗記】 2025.11.29 「ランボルギーニ・テメラリオ」に試乗。建て付けとしては「ウラカン」の後継ということになるが、アクセルを踏み込んでみれば、そういう枠組みを大きく超えた存在であることが即座に分かる。ランボルギーニが切り開いた未来は、これまで誰も見たことのない世界だ。
-
アルピーヌA110アニバーサリー/A110 GTS/A110 R70【試乗記】 2025.11.27 ライトウェイトスポーツカーの金字塔である「アルピーヌA110」の生産終了が発表された。残された時間が短ければ、台数(生産枠)も少ない。記事を読み終えた方は、金策に走るなり、奥方を説き伏せるなりと、速やかに行動していただければ幸いである。
-
NEW
レクサスLFAコンセプト
2025.12.5画像・写真トヨタ自動車が、BEVスポーツカーの新たなコンセプトモデル「レクサスLFAコンセプト」を世界初公開。2025年12月5日に開催された発表会での、展示車両の姿を写真で紹介する。 -
NEW
トヨタGR GT/GR GT3
2025.12.5画像・写真2025年12月5日、TOYOTA GAZOO Racingが開発を進める新型スーパースポーツモデル「GR GT」と、同モデルをベースとする競技用マシン「GR GT3」が世界初公開された。発表会場における展示車両の外装・内装を写真で紹介する。 -
NEW
バランスドエンジンってなにがスゴいの? ―誤解されがちな手組み&バランスどりの本当のメリット―
2025.12.5デイリーコラムハイパフォーマンスカーやスポーティーな限定車などの資料で時折目にする、「バランスどりされたエンジン」「手組みのエンジン」という文句。しかしアナタは、その利点を理解していますか? 誤解されがちなバランスドエンジンの、本当のメリットを解説する。 -
「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」の会場から
2025.12.4画像・写真ホンダ車用のカスタムパーツ「Modulo(モデューロ)」を手がけるホンダアクセスと、「無限」を展開するM-TECが、ホンダファン向けのイベント「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」を開催。熱気に包まれた会場の様子を写真で紹介する。 -
「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」の会場より
2025.12.4画像・写真ソフト99コーポレーションが、完全招待制のオーナーミーティング「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」を初開催。会場には新旧50台の名車とクルマ愛にあふれたオーナーが集った。イベントの様子を写真で紹介する。 -
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション/CR-V e:HEV RSブラックエディション ホンダアクセス用品装着車
2025.12.4画像・写真まもなく日本でも発売される新型「ホンダCR-V」を、早くもホンダアクセスがコーディネート。彼らの手になる「Tough Premium(タフプレミアム)」のアクセサリー装着車を、ベースとなった上級グレード「RSブラックエディション」とともに写真で紹介する。

