オペル・ベクトラCDX【ブリーフテスト】
オペル・ベクトラCDX(4AT) 2001.06.29 試乗記 ……325.0万円 総合評価……★★★贅沢すぎる
日本導入時には、美しい造詣のドアミラーばかりがクローズアップされたベクトラだが、撮影時の朝早い光のなか、ボディサイドやトランクリッドなどに、ハッとするほどキレイな「線」が使われていることに気が付く。
2001年型ベクトラCDXは、「常用域でのトルクを太くして使い勝手を向上、エンジンの使用回転域を下げて結果的に燃費を良くする……」、そんな思惑をもってニュー2.6リッターV6「ECOTEC」ユニットを搭載した。ステアリングホイールを握って走り出したとたん、1410kgの車重をものともしない力強さに感心する。速いゾ!! 6気筒エンジンにしてはフィールがザラつき気味で、サウンドも冴えないが、使い勝手に文句はない。ただ、ハンドリング面では、やや頭の重さが気になる。直4モデルよりスポーティな「205/55R16」の足もとも、見かけはいいけれど、乗り心地の面ではいまひとつ。CDXは、どうも贅沢すぎるベクトラだ。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1995年9月に開催されたフランクフルトショーでデビューした2代目ベクトラ。先代からシャシーを一新、ホイールベースを40mm延長し、47mm長いボディを載せる。ボディ形式は、4ドアセダンとワゴン、それに日本には入らないが、欧州では5ドアハッチもラインナップされる。わが国では、4ドアセダンとワゴンが販売され、それぞれに1.8、2リッターの直4、2.5リッターV6が用意された。2001年モデルから、2リッター直4が2.2リッターに、2.5リッターV6が2.6リッターに拡大、GL(1.8リッター)、CD(2.2リッター)、CDX(2.6リッター)でライン構成される。
(グレード概要)
CDXは、2.6リッターV6を搭載したベクトラのトップ・オブ・グレード。新しいV6「ECOTEC」ユニットは、2.5リッターV6のボアを1.6mm拡大して排気量を99ccアップ、170ps/5800rpmの最高出力こそ変わらないものの、最大トルクが2.1kgm増して25.5kgm/3600rpmとなった。直4モデルとの外観上の違いは、ひとまわり大きなタイヤを履き、テイルパイプがツインになること。装備面では、センターコンソールにウッド調パネルが使われ、クルーズコントロールが付く。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
黒基調、実用一点ばりのインパネまわり。シート、ドアトリムに使われるグレーのベロア地、黒いインパネまわりと、ベクトラの内装は、いかなる基準をもってしても地味だ。センターコンソールの木目調パネルが、わずかに最上級モデルをアピールするが……。
(前席)……★★★
運転・助手席ともに、レバー式の座面ハイトコントロール、腰への圧力を変化させるダイヤル式のランバーサポートが備わる。座り心地は無愛想に硬い。2001年モデルから、同じGMグループのサーブをオリジンとするフロントアクティブヘッドレストを新たに採用。これは、追突時にヘッドレストを前に動かし、むち打ち症の危険性を低減するものだ。
(後席)……★★★★
多少傾斜がついた、お尻を沈め気味に座らせる、前席と遜色ないサイズのリアシート。足もとの広さ、ヘッドクリアランスとも余裕たっぷり。中央の席でも3点式シートベルトが無理なく使えるのはもちろん、ステーが長く頑強な、おざなりでないヘッドレストが備わるのがエライ。肘掛けおよびトランクスルー機構付き。
(荷室)……★★★
横に倒したスプリングで軽く引かれるリッドを開けると、ガランと広いラゲッジルーム。床面最大幅130cm、奥行き100cm、高さ55cm。分割可倒かつダブルフォールディング式のリアシートを倒せば、奥行きは165cmになる。
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【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★
排気量が、2.5から2.6リッターにアップしたニューV6ユニット。無段階で吸気をコントロールする「マルチラム」を搭載。スロットルペダルの踏み始めから太いトルクを供給する。ただ、ゴロゴロとした回転フィール、こもったエンジン音と、マルチシリンダーのありがたみは薄い。「オペルらしい」ともいえる純実用ユニットだ。トランスミッションには、これまたオペル得意の「ニュートラルコントロール機構」を装備、停車時にシフトポジションを自動的にニュートラルにして、燃費の向上を図る。走行距離2200km余のテスト車の場合、発進時の違和感はほとんどなかった。
(乗り心地+ハンドリング)……★★
205/55R16と、4気筒モデルよりひとまわり太く薄いタイヤを履くCDX。乗り心地は硬く、ときにバネ下がバタつく。ハイスピードクルージングでは頼もしいが、継ぎ目の多い道では、路面からの突き上げが気になるだろう。いかにも“ドイツ車っぽい”といえなくもないが……。ハンドリングは安定方向に大きくふったもの。“ココロ躍らせる”類のものではないが、フロントの接地感はキチンとあるし、リアの挙動も穏やか。まっとうな実用セダンのそれ。
(写真=高橋信宏)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2001年5月18日から22日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:2201km
タイヤ:(前)205/55R16 91V/(後)同じ(いずれもMichelin Pilot HX)
オプション装備:--

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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