オペル・ベクトラ 2.2(5AT)【試乗記】
プレミアムがいっぱい 2002.09.25 試乗記 オペル・ベクトラ 2.2(5AT) ……335.0万円 7年ぶりにフルモデルチェンジした、オペルのミドルクラス「ベクトラ」。シャープな稲妻マーク、新しいキャッチフレーズなど、これからのオペルの姿勢を最初に具現化したモデルに、webCG記者が試乗した。
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責任重大
「オペルという名前は知られていますが、どんなクルマをつくっているのかわからない方が多くて……」。日本ゼネラルモーターズのマーケティング部、佐藤毅リサーチアナリストがいう。2002年3月のジュネーブショーでお披露目された、3代目にあたるオペルのミドルクラス「ベクトラ」のプレス向け試乗会でのことだ。
ブランドイメージの向上を図るオペルは、まず稲妻エンブレムをシャープにモディファイ。新しいブランドステートメントとして「自由な発想−よりよいクルマのために(Fresh thinking - Better cars)」を掲げた。新型ベクトラは、新しいステートメントを最初に具現化した量産モデルである。さらにベクトラのプラットフォームは、サーブやアルファロメオなど、GMグループ内の基本プラットフォームのひとつになると噂される。オペルにとって、責任重大なのだ。
2002年7月27日から日本に導入されるのは、2.2リッター直4を積む右ハンドルモデルのみ。ベーシックな「2.2」(335.0万円)と、本革内装やリアウィンドウの電動式サンシェード、17インチタイヤなどを装着する「2.2プレミアム」(362.0万円)の2種類が用意される。
“若々しさ”をアピールしたいとの考えから、ベクトラには今年中に3.2リッターV6(211ps)を積み、大きなアウトプットによる“スポーティさ”を強調した5ドアハッチ「GTS」を追加するという。
その後は、ミニバンとワゴンの中間のような、ユニークなデザインの「シグナム」、2004年にはベクトラワゴンを導入する予定だ。
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ジマンはIDS
ニューベクトラのボディサイズは、全長×全幅×全高=4610×1800×1465mm。先代と較べて115mm長く、90mm広く、40mm高い。1800mmという全幅は、フラッグシップ「オメガ」より15mm広い。“ミドサイズ”というには大柄だが、フォード「モンデオ」(全幅=1810mm)などライバルも大きくなっているから、「大きくせざるをえない」(オペルAGブランドマネージャー)。ホイールベースは65mm延長されて2700mm。ボディの50%に高張力鋼板を、Bピラーには自動車用鋼板より5倍の強度がある「ボロンアロイ鋼」、サイドシルには「DP(Dual Phase)鋼」を採用。車重の増加を抑えつつ剛性を強化、衝突安全性を高めた。
デザインは、細い目の先代と較べると、レンズ内で上下に分割されたヘッドライトを採用、フロントマスクはちょっと派手。後姿は、マフラーをリアバンパーで隠し、スッキリと仕上げた。空気抵抗を示すCD値は、0.28と低い。ニューベクトラも、オペルの伝統通りエアロダイナミクスに優れる。
オペルが「ベクトラのハイライト」と推すジマンは、「IDS」(インタラクティブドライビングシステム)と呼ばれる足まわり+電子デバイス群。アルミを多用してバネ下の軽量化を図ったサスペンションと、従来は1輪だったブレーキコントロールを、3輪まで拡大したアンチスピンデバイス「ESPプラス」や、車速と舵角速度感応式パワステなどを統合制御し、スタビリティとハンドリングの両立を謳う。
試乗車は「ルーベンスレッド」という濃い赤に、ベロアの黒内装。トリムにはウッドがあしらわれ、見た目にもゴージャスだ。スイッチ類が整然と並ぶセンターパネルの上部に、エアコンやオーディオ情報を表示する、全車標準の5インチ液晶モニターが備わる。
小物入れが多い。カップホルダーが前後2個ずつ、前後センターアームレスト内、シートバックポケットなど。グローブボックスにはエアコン吹き出し口が設置され、飲み物を入れて冷やすことができるとは、国産ミニバンのように気が利いている。
マジメじゃダメ?
前後シートは、幅、座面長ともタップリサイズ。フロントの前後高さ調節は電動式、さらに、背もたれの横にはレバー式のランバーサポートが備わる。
ホイールベースの延長で、60mmプラスされたリアのレッグスペースは広い。ヘッドクリアランスも余裕ある。シートの大きさ、特に座面長は、背が小さい人にはきっと大きすぎるくらいだ。後席は分割可倒式で、背もたれ上部のスイッチを押せば、クラストップを謳う容量500リッターの荷室とスルーになる。
2.2リッター直4DOHC16バルブのエコテックユニットは、最高出力147ps/5600rpm、最大トルク20.7kgm/4000rpm。エンジンにはバランサーシャフトが組み込まれ、高回転までスムーズだ。低回転からトルクがあり、レバー操作でシフトできるアクティブセレクト付き5段ATを、マニュアルモードにしてギアを積極的に選べば、活発に走れる。パワフルではないが不足は感じない。ハンドリングはことさらスポーティではないが、コーナリングでロールが少なく、しっとり重めのステアリングフィールで安心感が高い。
新型ベクトラは、いたれりつくせりの装備や、タップリサイズのボディ&室内など、過剰ともいえる実用性、いわば使い勝手の“プレミアム感”でイッパイ。オペルがいう「若々しさ」はよくわからなかったが、むしろ軽々しいところがなくて堅実なのがイイところでしょう。あえて若づくりしないで、堅実なオペルらしさを訴えるほうが、ベクトラには適切だと思うのだが……。マジメじゃ、ダメなんでしょうか?
(文=webCGオオサワ/写真=清水健太/2002年7月)

大澤 俊博
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