2006ワークスチューニンググループ合同試乗会(無限篇)【試乗記】
2006ワークスチューニンググループ合同試乗会(無限篇) 2006.07.05 試乗記 無限S2000(FR/6MT)/無限オデッセイ(FF/5AT) 自動車メーカー直系のチューニングメーカー5社による「ワークスチューニンググループ合同試乗会」が開催された。今年で9回目となるイベントに『webCG』スタッフ、今回で2度目の本諏訪と、チューニングカー初心者の関が参加した。 まずホンダ系ワークスチューニングを手がける「無限」ブランドのクルマを動画と共にご覧下さい。運転は楽しい、助手席は苦しい……無限S2000(FR/6MT)
本諏訪(以下「も」):チューニングカーに乗ったことある?
関(以下「せ」):いや、まったくないんです。今日は一日中乗りまくれるんですよね?
も:おっしゃ。じゃあさっそく行ってみますか。最初は今や新車としてはホンダ車唯一といえるスポーツカーの「無限S2000」。
せ:カーボンむき出しで穴だらけのボンネットが、かなり悪党ですね〜。どんなクルマなんですか?
も:マイチェンで2.2リッターになったエンジンは、本体には手を入れずにファインチューン。吸排気系とサスペンションキットの装着、ブレーキ強化とエアロパーツの採用などが主なメニューです。ベース車は可変ステアリングギアの「VGS」グレード。
せ:インテリアにはダッシュボード上の追加3連メーターとオリジナルフルバケットシートですか。5点ロールケージはリア側のみで乗降を妨げないタイプになってます。
も:くどくどと追加説明ありがとう。リアウイングも多くの実験をもとに設計されたものらしい。
せ:オープンカーには違和感アリアリじゃないですか!
も:じゃ、とりあえず行ってみようか。
せ:ひぇー、運転がうまくなったような気になるなぁ!
も:お、メートルあがってきたね。で、どんなところが?
せ:ちょっと踏んだだけでもクンクンって回転が上がる。ブレーキのフィールもいいし、シフトもバッチグー。
も:足まわりはさすがに硬くて、街乗りはちょっと厳しいね。
せ:でも高速コーナリングではクルマがしっかり路面にはりついて安心です。路面変化のインフォメーションもつかみやすい。
も:気持ちいい排気音もオープンカーだからよく聞こえる。
せ:こりゃーチューニングカーに乗りたくなる気持ちがわかりますよ。こんなに運転が楽しいんですもん!
も:ちょっと運転かわって!
せ:……。なんだか気持ち悪くなってきた……。
も:ずいぶんさっきと言ってることが違うけど。
せ:運転は抜群に楽しいんですけどね。助手席はけっこうツライ。
も:たしかに。バケットシートは乗り降りも大変だしね。
せ:アベックだったらこのまま別れ話に突入です。
も:ま、チューニングカーに乗るなら、硬派にならないと。「無限」が放つチューンド「S2000」。峠に響きわたるその咆哮を、動画でお楽しみください。
ミニバンの基本と要をおさえたチューニング……無限オデッセイ(FF/5AT)
も:次はオデッセイ。こちらも2006年4月にマイナーチェンジされた上級グレード「Absolute」をベースに、エアロパーツを追加し、マフラー、サスペンションなどを変更したモデルです。
せ:“ハシリ”というよりは、ドレスアップの要素が強いんでしょうか?
も:こういうクルマをイジるってのは、どういうコンセプトなのかわかりづらいね。“スポーティに”といっても、走りじゃなくてルックス重視だったりとかするし。
せ:デザインの好みはひとそれぞれ。ましてやパーツなんかは選べるものですから、ユーザーが好きなものを選べばいいんじゃないでしょうか。
も:そうなると、ワークスチューニングのパーツを選ぶ理由は、フィッティングの確実さとか、純正色の塗装とかかな。
せ:あとは、ディーラーで対応できるという特典もあります。新車購入時に付けられるのは一番の魅力でしょう。
も:「無限だから」というよりは、「ホンダで買えるから」ってことだ。
せ:しかしこのクルマにはレース活動に勤しむ無限らしいチューニングがしてありますよ。
も:勤しむって……。ブレーキの強化ね。ブレーキローター&パッドとステンメッシュホースも奢られてる。
せ:しかり。車重があるミニバンには要のチューニングかと。
も:対して内装はまったくのノーマルか。
せ:いやいやクロームメッキ製のルームミラーカバーとか、チラ見せのおしゃれをしてますよ!
も:……よく気がついたね。
も:足まわりにはスポーツサスペンションを装着、と。
せ:車高が25mmダウンしていますね。やっぱりミニバンチューンはシャコタンが基本ってことですか。
も:でも乗り心地はスポイルされてない。
せ:さりとて、運転に劇的な変化は感じませんな。
も:シャコタンにして重心が下がっている影響から安定感は増しているけどね。
せ:タイヤもいいですね! 乗り心地も快適だし、グリップもいいし!
も:それは無限チューニングじゃないんだけど……。
せ:このクルマこそ、アベックにもオススメできる。別れ話とは無縁のクルマ。
も:その話はもういいよ。
せ:……。
(文=webCG本諏訪裕幸&関顕也/写真=峰昌宏/2006年7月)
・2006ワークスチューニンググループ合同試乗会(TRD篇)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018431.html
・2006ワークスチューニンググループ合同試乗会(ニスモ篇)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018432.html
・2006ワークスチューニンググループ合同試乗会(STI篇)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018359.html
・2006ワークスチューニンググループ合同試乗会(RALLIART篇)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018417.html

本諏訪 裕幸
-
BMW 525LiエクスクルーシブMスポーツ(FR/8AT)【試乗記】 2025.10.20 「BMW 525LiエクスクルーシブMスポーツ」と聞いて「ほほう」と思われた方はかなりのカーマニアに違いない。その正体は「5シリーズ セダン」のロングホイールベースモデル。ニッチなこと極まりない商品なのだ。期待と不安の両方を胸にドライブした。
-
スズキ・エブリイJリミテッド(MR/CVT)【試乗記】 2025.10.18 「スズキ・エブリイ」にアウトドアテイストをグッと高めた特別仕様車「Jリミテッド」が登場。ボディーカラーとデカールで“フツーの軽バン”ではないことは伝わると思うが、果たしてその内部はどうなっているのだろうか。400km余りをドライブした印象をお届けする。
-
ホンダN-ONE e:L(FWD)【試乗記】 2025.10.17 「N-VAN e:」に続き登場したホンダのフル電動軽自動車「N-ONE e:」。ガソリン車の「N-ONE」をベースにしつつも電気自動車ならではのクリーンなイメージを強調した内外装や、ライバルをしのぐ295kmの一充電走行距離が特徴だ。その走りやいかに。
-
スバル・ソルテラET-HS プロトタイプ(4WD)/ソルテラET-SS プロトタイプ(FWD)【試乗記】 2025.10.15 スバルとトヨタの協業によって生まれた電気自動車「ソルテラ」と「bZ4X」が、デビューから3年を機に大幅改良。スバル版であるソルテラに試乗し、パワーにドライバビリティー、快適性……と、全方位的に進化したという走りを確かめた。
-
トヨタ・スープラRZ(FR/6MT)【試乗記】 2025.10.14 2019年の熱狂がつい先日のことのようだが、5代目「トヨタ・スープラ」が間もなく生産終了を迎える。寂しさはあるものの、最後の最後まできっちり改良の手を入れ、“完成形”に仕上げて送り出すのが今のトヨタらしいところだ。「RZ」の6段MTモデルを試す。
-
NEW
開幕まで1週間! ジャパンモビリティショー2025の歩き方
2025.10.22デイリーコラム「ジャパンモビリティショー2025」の開幕が間近に迫っている。広大な会場にたくさんの展示物が並んでいるため、「見逃しがあったら……」と、今から夜も眠れない日々をお過ごしの方もおられるに違いない。ずばりショーの見どころをお伝えしよう。 -
NEW
レクサスLM500h“エグゼクティブ”(4WD/6AT)【試乗記】
2025.10.22試乗記レクサスの高級ミニバン「LM」が2代目への代替わりから2年を待たずしてマイナーチェンジを敢行。メニューの数自体は控えめながら、その乗り味には着実な進化の跡が感じられる。4人乗り仕様“エグゼクティブ”の仕上がりを報告する。 -
NEW
第88回:「ホンダ・プレリュード」を再考する(前編) ―スペシャリティークーペのホントの価値ってなんだ?―
2025.10.22カーデザイン曼荼羅いよいよ販売が開始されたホンダのスペシャリティークーペ「プレリュード」。コンセプトモデルの頃から反転したようにも思える世間の評価の理由とは? クルマ好きはスペシャリティークーペになにを求めているのか? カーデザインの専門家と考えた。 -
トヨタ・カローラ クロスGRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】
2025.10.21試乗記「トヨタ・カローラ クロス」のマイナーチェンジに合わせて追加設定された、初のスポーティーグレード「GRスポーツ」に試乗。排気量をアップしたハイブリッドパワートレインや強化されたボディー、そして専用セッティングのリアサスが織りなす走りの印象を報告する。 -
SUVやミニバンに備わるリアワイパーがセダンに少ないのはなぜ?
2025.10.21あの多田哲哉のクルマQ&ASUVやミニバンではリアウィンドウにワイパーが装着されているのが一般的なのに、セダンでの装着例は非常に少ない。その理由は? トヨタでさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さんに聞いた。 -
2025-2026 Winter webCGタイヤセレクション
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>2025-2026 Winterシーズンに注目のタイヤをwebCGが独自にリポート。一年を通して履き替えいらずのオールシーズンタイヤか、それともスノー/アイス性能に磨きをかけ、より進化したスタッドレスタイヤか。最新ラインナップを詳しく紹介する。