日産ティーダラティオ 18G (FF/CVT)【ブリーフテスト】
日産ティーダラティオ 18G (FF/CVT) 2005.08.23 試乗記 ……243万4950円 総合評価……★★★ ハッチバックからセダンへの派生モデル「ティーダラティオ」。1.5リッターが主力のなか、1.8リッターを積むトップグレード「18G」の印象やいかに?余裕と無駄
ハッチバックの「ティーダ」にトランクをくっつけ出来あがったセダンが「ティーダラティオ」である。成り立ちはティーダの派生モデルだが、サニーに代わる日産の最小セダンという意味では、むしろティーダより重要なモデルといえる。
そのラティオのなかで、最上級グレードとなるのがこの「18G」。エンジンは余裕の1.8リッター、シートはレザー&アルカンターラと、“小さな高級車”を狙った内容は、ひとクラス上からのダウンサイジング組や脱ベーシック組の目には魅力的なクルマに映るのかもしれない。
ただ、余計なお世話かもしれないが、動力性能は1.5リッターエンジンで十分。どうしても自動車税をたくさん納めたいというなら話は別だが、私だったら装備がほぼ同じ「15G」を選ぶ。余裕を買うのと、無駄遣いは別の話なのだ。
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「ティーダ」から派生したコンパクトな3ボックスセダン。ルノーと共同で開発した新型オールアルミ製エンジン「HR15DE」(109ps、15.1kgm)を搭載し、4ATおよびCVTを介して前輪を駆動(電動4WDもあり)するなどの、基本骨格はティーダと同じである。ティーダのモダンリビングを思わせるインテリアを活かしつつ、木目調パネルなどでアクセントをつけて質感を向上。「モダンで高級」をキャッチにハッチバックとの差別化を図った。セダンならではの大容量ラゲッジルームを持つ。
内装や便利装備、AV機器の違いで3グレードに分かれる。トランスミッションは「S」のみが4ATで、「M」「G」がCVT(4WDは4AT)。タイヤサイズやサスペンションなどのほかの走りの機能に主だった違いはない。ハッチバックとも、2005年初頭に1.8リッター直4搭載モデルが追加された。
(グレード概要)
18Gは、1.8リッターエンジンを搭載するトップグレード。心臓部が大きくパワフルになっただけでなく、装備の充実やグレードアップした内装が与えられる。
1.5リッターモデルの最上級版「15G」と基本的な装備は同じで、アルカンターラシート表皮などを標準装備。大きな違いは、18Gは運転席にパワーシートを採用したこと。外装ではウエストメッキモールを装着し、差別化を図った。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
ティーダとともに、インテリアが大きなウリのラティオだけあって、室内をのぞき込めばこれまでのコンパクトカー(というほど実は小さくはないのだが)との違いがすぐにわかる。
たとえば、明るいベージュのインテリアカラーと木目調パネルに加えて、トップグレードたる18Gにはシートやドアトリムにレザーやアルカンターラが奢られ、高級感をアピール。ただ、それほど高級そうに見えないのは私だけだろうか?
装備も必要十分と思われるレベルをはるかに上まわっていて、CDプレーヤーやオートエアコンも標準装着。一方、カーナビやインテリジェントキー、ETCなどがオプションとなるのはともかく、イモビライザーやカーテンエアバッグという安全やセキュリティに関わるアイテムなどがいまだにオプション扱いなのは理解に苦しむ。グレードに関係なく標準装着としてほしいものだ。
(前席)……★★★
シートは外側が本革、中央がアルカンターラのコンビネーション。ちょうど身体を支えるアルカンターラ部分はソフトな感触で、座り心地は快適である。
18Gではシートのスライド、リクライニング、リフトの調節が電動になり、微妙なシートポジションあわせには重宝する(ただし、運転席のみ)。私の場合、ペダル位置にシートをあわせるとどうしてもステアリングが遠くなってしまうので、パワーシートよりもステアリングのテレスコピック調整がほしい。
(後席)……★★★
フロントシート同様、本革とアルカンターラの組み合わせになるリアシートは、フロントシートに比べると座り心地がやや硬めで、また、シートバックのちょうど中央に溝があるために背中全体が支えられず、なんとなく居心地が悪い。
一方、乗員のためのスペースは文句なく広く、足が組めるほどのレッグスペースと余裕あるヘッドルームは驚くばかりだ。
(荷室)……★★★★
ラティオをデザインと機能の両面で特徴付けるトランク。外からはさほど大きく見えないが、ナンバープレート上方にあるスイッチに触れてトランクリッドを開けると、ハイデッキスタイルならではの、高さが十分確保されたスペースが隠れていた。リアシートは倒せないが、長尺物を積むためのトランクスルー機能が備わる。奥行きも90cm弱確保されるので、荷物が収まりきらないという場面は少ないだろう。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
ラティオの最上級グレードたる18Gに搭載されるのは、最高出力128ps、最大トルク17.9kgmを誇る1.8リッター直列4気筒エンジン。これにCVTが組み合わされるのだが、そもそも1.5リッターエンジンでも活発に走るティーダ&ラティオだから、この18Gが物足りないはずがない。
案の定、このエンジンとトランスミッションの組み合わせは発進から余裕があり、一般道なら2000rpm以下を保ったまま、ストレスを感じることなく巡航速度に達してしまう。そこからちょっとスピードを上げたいときなど、スロットルペダルに載せた右足に軽く力をかけるだけで即座に必要な加速が得られるのはCVTならではだ。
一方、高速道路の合流や追い越し車線に出るときなどに、思い切りスロットルペダルを踏み込めば、回転計が4000rpmを超えたあたりまで跳ね上がり、少しずつ回転を上げながら力強い加速を続けていく。パワートレインからのノイズは加速中こそ高まるが、ふたたび巡航に戻れば気にならない。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
見た目と違って、やや硬めの乗り心地を示すラティオだが、いまひとつ洗練されていないのが残念な点。スムーズな路面はいいが、路面がちょっと荒れてくるとタイヤがドタバタし、また、道路の目地段差を越えたときのショックも気になる。高速走行時のフラットさもいまひとつだ。
一方、ワインディングロードではやや硬めのサスペンションが幸いして、軽快にコーナーを駆け抜けることができるので、ついパワフルなエンジンを回して楽しんでしまった。それはさておき、まずはふだんの快適さを確保してほしいものだ。
(写真=高橋信宏)
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【テストデータ】
報告者:生方聡
テスト日:2005年8月17日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2005年型
テスト車の走行距離:4167km
タイヤ:(前)185/65R15 88S(後)同じ(いずれもTOYO J50)
オプション装備:15インチアルミロードホイール(6万3000円)/キセノンヘッドランプ+アクティブAFS(5万2500円)/インテリジェントキー&エンジンイモビライザー(8万4000円)/カーウイングス対応TV/DVDナビゲーションシステム(31万7100円)/SRSカーテンエアバッグ(4万7250円)/フロアカーペット(2万3100円)
走行状態:市街地(1):高速道路(6):山岳路(3)
テスト距離:328.0km
使用燃料:30.8リッター
参考燃費:10.6km/リッター

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
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