第185回:突撃! 東京オートサロン2005(その1)こ、ココは“クルマ業界の歌舞伎町”だ〜
2005.01.17 小沢コージの勢いまかせ!第185回:突撃! 東京オートサロン2005(その1)こ、ココは“クルマ業界の歌舞伎町”だ〜
■名門チューナーに見る“国際化”
いやー、やっぱ行っちゃいましたねチューニングカーの祭典「東京オートサロン with NAPAC」。実は原稿の締め切りがあったし、特にチューニングカー好きとかじゃないんだけど、つい足が向いちゃうのよ。正直、モーターショーよりずっと楽しい。押し付けがましさ、説教臭さがなく、なによりもわかりやすい。どんなにシラけた年でも必ず面白い、心に響くものが一つはあるのだ! それがコージの考えるオートサロンの魅力であーる。
さて2005年、まず心に残ったのはさらなる“国際化”、つまり会場のワールドワイド化にある。オレはオートサロンに来ると、以前『ベストカー』連載の「愛のクルマバカ列伝」にもご登場いただいた名門、ヴェイルサイドさんをチェックするんだけど、今回の出し物は、またまたわかりやすかった。なにしろ舞台中央にドドーンとフェラーリのマラネロ、クライスラーの300Cに加え、ベントレー・コンチネンタル GTのチューニングカーが置いてあるのだ。ひと昔前はスープラにGT-Rに、フェアレディZだったのにさ。ひぇぇぇ〜。
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■チューニングカー1台ン億円!?
これはオートサロンのワールドワイド化を如実に現している。まず韓国、中国、東南アジア等にこのムーブメントが進出中なのは聞いてたし、会場でも白人はもちろん、アジア系の「何語しゃべってんの?」みたいな人が増殖しているのを感じてた。それに加えて、この車種選択を見るとますます実感が増してくる。
というのもね。昔ある人に聞いたんだけど、オートサロンに出てくるこの手の有力チューナーのデモカーって、ショー期間中にアラブの大富豪とか中国の新興金持ちが来て、「コレ、ちょーだい」って密かに買ってくんだって。それも1億、2億で! 一説によれば、小規模な会社ならその売り上げだけで「1年間持つ」って話もあるくらい。つまり、オートサロンはある種アジア近郊ワールドリッチマン向けの“チューニングカーのショーケース”と化しているのだ〜。じゃなかったらコンチネンタルGTなんてチューンしませんよ。
■オートサロンは歌舞伎町
それから面白かったのが「RICHBURG」というチューナー。黄色地に赤字の看板を見れば一目瞭然、香港のブランドで、どこの日本代理店がやってるのかなぁ〜と思いきや、香港人が直接来てプロモーション活動してる。中に入ったらいかにも香港人っぽい人が4人出てきて、3人は英語オンリーで一人が日本語カタコト。単刀直入に「なにしに日本に?」と聞いたら「クルマを売りたいんですよ」と真顔でおっしゃる。
でもね。それはまんざら不敵でもなくて、オススメの「トヨタ・アゥファード(アルファードのこと)RICHBURG ONE Partition」を見ると、まさにリアシートがファーストクラス! メチャクチャ豪華で質も高く、座るだけで香港の高級レストランに入った気分にもなれそう。この手は十分アリです。
だからね。なんつーか、夜の新宿みたいな雰囲気もあるわけよ。そ、オートサロンは人種のルツボ、ある意味“クルマ業界の歌舞伎町”と化しているのだぁ〜。妙な子供(チューニングカー)も生まれまさぁねぇそりゃ!
(文と写真=小沢コージ/2005年1月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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