第75回:クルマなんか目じゃない!ウマは“史上最高の乗り物”だ
2003.10.08 小沢コージの勢いまかせ!第75回:クルマなんか目じゃない!ウマは“史上最高の乗り物”だ
■大感動の道産子体験
いやー、カンドー、感動、大感動! 久々、乗り物に乗って興奮いたしました。なにがって「馬」ですよ「ウマ」。先日、取材で訪れた北海道で、初めてマトモに道産子に乗ったんだけど、これがオモシロイの面白くないのって。凄い。スバらしい。ブラボー!!!
「どさんこ牧場」だっけかな。そこはカメラマンさんの知り合いがいて、結構自由に走らせてくれたってのもあるんだけど、なんちゅーか、その「一体感」はクルマ、バイクの比ではない。
もちろん、スピードはクルマよりよっぽど低いのよ。だけど以心伝心っつうか、「カユいところに手が届く」ような走りは、クルマやバイクじゃ絶対に味わえない。
もちろん、しゃべるだけで思う通りに走ってくれるワケはなく、ハラを蹴るとスタートし、手綱を右にひっぱれば右に、左にひっぱれば左に、両方ひっぱるとブレーキってな具合にロジカルな“操縦アルゴリズム”はある。でもねぇ。そのレスポンスというか、インプットとアウトプットの“非線形”具合が、クルマとは違いすぎるのよ。
■「愛」がある
スタートするでしょう。まずは俺の蹴り方が悪いのか、ウンともスンともいわない。そして悔しいことに、前の馬につられてなんとか走り出す。次第にコツがつかめてうまく走らせられるようになってくるんだけど、どうしたことか、ウマが疲れてくると気まぐれに遅くなったり、好きな葉っぱがあると食べ始めたり。逆に自分が好きな場所だとイキイキ走ったりする。
つまり、クルマみたいに思い通りには行かない。だけどそこには、確実にコミニュケーションが発生する。基本的な移動の楽しみもあるんだけど、ウマとのふれあいがあり、なにより「愛」があるのよ。マシンとの語らいもいいけどさ。動物との語らいもまたいいもんです。
乗り味もたまらない。骨は結構ゴツゴツしてるし、長時間乗るとオシリが痛くなるんだけど、大昔、父親に肩車して貰った時のような不思議な懐かしさを感じました。上級者になるとね。酔っ払って、馬に乗っただけで家に帰れることもあるという。おまけに「会話もできる」らしい。イイよね。
■高い“オフロード性能”
あとね、単純に“オフロード移動空間”として見ると、実はバイク以上のところがある。たとえば、草というかムネの高さまである笹の山でも、太い足とデカい身体でドンドコ踏み分けて入れるし、冬なんかだとかなりの深雪でも探索できる。その「とんでもないところにいける」具合がバイク以上なのだ。ある意味、“ひとり乗りラッセル車”だよね。冬は体温で暖かいってのもうれしいし。それから、駆け足になった時の跳ね落ちそうな走りも超ワイルド。まだまだ全開にはできなかったけど……。サラブレッドはもっと凄いかもしれない。だけど俺にはどさんこで十分でした。
まあ、とにかくメチャクチャ面白いんですよ。馬。確実にクルマ、バイク、もしや飛行機でも味わえない楽しさがあると思いました。まさしく人類にとって“史上最高の乗り物”かもしれない。
また乗りに行こうっと!
(文=小沢コージ/2003年10月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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