「クラッチ踏みっぱなしはイイの?」
2003.08.08 クルマ生活Q&A トランスミッション「クラッチ踏みっぱなしはイイの?」
自動車教習では、マニュアル車を運転している場合、信号待ちなどでの停止中は、クラッチとブレーキの両方を踏むよう指導されます。ただ、赤に変わったばかりの信号待ちだと、クラッチを踏みっぱなしの状態が長く続くので、左足がダルく感じます。その場合、ギアをニュートラルに入れてブレーキを踏み、左足はクラッチから離していてもいいんでしょうか?(WKさん)
お答えします。時間のかかる信号や踏切では、ギアをニュートラルに入れて、クラッチから足を放してもいいと思います。足がダルイという問題ではなく、安全面からもそう思います。
ギアを入れたまま万が一クラッチから足が離れた場合、フットブレーキを踏んでいてもクルマは前に動こうとします。雨が降って、靴底が濡れているときなど、クラッチペダルから「ツルリ!」と滑らないともいえませんね。そうすると、前のクルマとの車間が狭い場合は追突する可能性だってあるのです。特に1速ギアはトルクが大きく、動こうとする力も大きくなるから、油断なりません。
もしそんなことが起こって焦るより、ニュートラルに入れてサイドブレーキとフットブレーキをかけた方が安全だと思うのです。発進時には動作が増えますが。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。