トヨタ・セルシオC仕様Fパッケージインテリアセレクション(4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・セルシオC仕様Fパッケージインテリアセレクション(5AT) 2000.09.21 試乗記 ……812.9万円 総合評価……★★★★世界が注目する(唯一の)日本車
トヨタ・セルシオは世界の自動車メーカーが戦々恐々たる思いで注目している唯一の日本車である。だいたいにおいて彼らは日本車なんぞにそれほど興味を示さない。口では「日本車は脅威の存在である」とか言っているが内心は「敵じゃない」と思っている。しかしセルシオだけは別格。なぜか。初代のインパクトがあまりに強すぎたからだ。
それまではカローラやセリカやカムリなんかを細々と外国で売っていたトヨタがある日突然出した1台のクルマは、ホントにエンジンがかかっているのかと疑いたくなるほど静かだし、メーターはふわっと浮かび上がってきたりするし、威風堂々としたグリルもついちゃってる。世界地図の隅っこのほうにある小さな島国の自動車メーカーはいつの間にやら立派な成長を遂げていた。
こいつはうかうかしちゃおれんと、メルセデスやBMWやアウディやジャガーやキャディラックに危機感を募らせた、そういうクルマである。セルシオは。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
初代セルシオが誕生した1989年は奇しくも日本人がバブルでうかれていた時。よってバカ売れした。2代目は1994年にキープコンセプトでデビュー。ホイールベースを延長したものの見た目に大きな変更がなかったため、ずいぶんひっそりとしたフルモデルチェンジだった。そして2000年8月31日に登場したのが3代目となる。外寸はそのままに、ホイールベースを75mm延長して2925mmとし、室内空間の拡大を図った。エンジンもまた、4から4.3リッターに大きくなった。
(グレード概要)
エンジンは1種類。グレードはA/B/C仕様の3タイプ。コイルスプリングのA/B仕様にはヨーロッパ向けのサスペンションを装備する「eRバージョン」がある。
試乗車のC仕様はエアサスで、「Fパッケージ」は後席の装備を充実(リアパワーシート、バイブレーター、パワーヘッドレストなど)、「インテリアセレクション」は、本革、蒸れ防止のエアシートが奢られた内装豪華版。つまりテスト車は、新型セルシオの「一番高いヤツ持ってこい」バージョンである。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
あまりある装備、比類なき品質、視認性に優れたメーターとナビゲーションモニターなど、ライバルを凌駕するレベルである。800万円強という価格は決して安くないけれど、ほぼ同じ装備でちょっと質感の落ちるメルセデスSクラスと比べればバーゲンプライスだ。
(前席)……★★★★
クッション長も調整できるようになったドライバーズシートは、短時間の試乗ではまったく問題なかった(長距離を試していないのでマイナス★1個)。適度なホールド感があってワインディングで身体が動くこともない。試乗車の“セミアニリンレザー”とは……まあとにかく厳選した革を通常より時間をかけてミリング(揉み)したものだ。風合いや触感は悪くない。
(後席)……★★★★★
足元、頭上共にスペースは充分。セルシオではもうすっかりお馴染みのバイブレーターをはじめ、サイドウインドー用サンシェード、オーディオ・空調コントロールパネルなど、Fパッケージの全部の装備をいじり倒すには小1時間かかる。ところで、後席の住人はセンターアームレストに収まるセルシオのロゴ入りウォークマン(リアカセット&ヘッドフォン)でいったい何を聞くのだろう。やっぱりアレか?
(荷室)……★★★★★
燃料タンクがリアシート下へ動いたおかげで、先代よりも110リッター増えて573リッター(VDA法)となったラゲッジスペース。例によってゴルフバッグが4個収納できるという。何はなくともゴルフバック。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★★
従来の4リッターV8のボアアップして4.3リッターに排気量をアップした3UZ-FE型。低中速トルクを大幅に向上させながら、プリウスに次ぐ国内最高水準の「超-低排出ガス車」に認定されている。官能的ではないにしろウルトラスムーズによく回る。280ps、43.8kgのアウトプットに文句あるはずもない。5段ATのシフトショックは見事に抑え込まれているが、ダウンシフトの切れ味がいまいち。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
乗り心地は確かにいい。制振性と静粛性は笑っちゃうくらい高い。この2点については世界一。そう断言できる。ステアリングインフォメーションは先代より豊富になって、クルマを操っていることが体感できるようになった。ただしハンドリングはタイヤへの依存度が高すぎる。微舵応答性をタイヤに頼ってはいけません。普通の人はタイヤなんてしょっちゅう交換しないんです。F1じゃないんだから。
(写真=小河原 認)
【テストデータ】
報告者 :CG編集部 渡辺慎太郎
テスト日 :2000年9月13日
テスト車の形態 :広報車
テスト車の年式 :2000年型
テスト車の走行距離 :500km
タイヤ :(前)225/60R16/(後)同じ(いずれもダンロップSP Sport 270)
オプション装備 :レーダークルーズコントロール(7.0万円)/本木目ステアリングホイール&本木目シフトノブ(5.0万円)/スマートキー(9.5万円)/プライバシーガラス(2.0万円)/クリアランスソナー(7.4万円)/DVDボイスナビゲーション+マークレビンソン・プレミアム・サウンドシステム(52.0万円)
テスト形態 :ロードインプレッション
行状態 :山岳路(10)
走行距離 :?-
使用燃料 :?-
参考燃費 :?-
|
|
|
|
|

森 慶太
-
アウディA6 TDIクワトロ150kW(4WD/7AT)【試乗記】 2026.8.5 歴史的にも車格的にも、アウディの中核に位置している「A6」。その最新モデルが日本に導入された。往年の「100」から数えて9代目となる新型は、いかなる走りを備えているのか? 既存の車種とは一味違う、新時代のアウディのドライブフィールを報告する。
-
ホンダ・スーパーONE(FWD)【試乗記】 2026.8.4 ホンダのスポーツハッチバック電気自動車「スーパーONE」がいよいよ公道を走り始めた。その愛らしいスタイリングと走りの楽しさはすでに各所で報告されているが、多くの方が不安に感じているのは“距離”に関してに違いない。幾度かの経路充電を挟みつつ300km余りをドライブした。
-
MINIクーパーSEポール・スミスエディション(FWD)【試乗記】 2026.8.3 人気のプレミアムコンパクト「MINI」に、特別なデザインが魅力の「ポール・スミスエディション」が登場。著名なファッションブランドがコーディネートしたMINIは、クルマに疎い人も、ブランドに疎い人も魅了する、説得力のある装いの一台に仕上がっていた。
-
トヨタRAV4アドベンチャー(4WD/CVT)【試乗記】 2026.8.1 いまやトヨタの最量販モデルへと上り詰めた「RAV4」の6代目モデルが登場。もちろんトヨタにとっては自信作のはずだが、後を追うライバル勢も着々と進化しており、カスタマーのチェックの目は厳しくなるばかりだ。国内向けでは最廉価の「アドベンチャー」でその仕上がりを試した。
-
ビモータKB998リミニ(6MT)【レビュー】 2026.7.31 ビモータのスーパースポーツ「KB998リミニ」にサーキットで試乗! イタリア職人の手によるフレームに、カワサキの強心臓を搭載した一台は、いかなる走りを見せてくれるのか? クローズドコースだからこそ体験できたマシンの真価に迫る。
-
NEW
日本メーカーは猛省せよ! 軽スーパーハイトワゴン初のEV「BYDラッコ」誕生の衝撃
2026.8.7デイリーコラムBYDが新型軽EV「ラッコ」を日本に導入! 軽スーパーハイトワゴンという人気ジャンル初のEVが、日本ではなく中国のメーカーから出てきたことを、私たちはどう考えるべきなのか。コスパの話にとどまらない、BYDラッコの真の衝撃について考えた。 -
NEW
スズキDR-Z4SM(5MT)【レビュー】
2026.8.7試乗記スズキ久々のスーパーモタードである「DR-Z4SM」に試乗! 最新の400cc級デュアルパーパスモデルをベースに、タイヤを17インチ化してオンロードでの機動性を突き詰めた一台は、今どき珍しいほどにアグレッシブで、強烈な個性を放つマシンに仕上がっていた。 -
おなじみの放談をLIVEで配信! 「あの多田哲哉のクルマQ&A」公開収録のお知らせ
2026.8.6From Our Staff元トヨタの多田哲哉さんが、自動車に関するさまざまな疑問・質問に答える「あの多田哲哉のクルマQ&A」。その貴重な話がLIVEで聞けるようになりました。参加希望者は、ぜひ概要をご覧ください。 -
補助金効果で爆売れ 納車が長期化する「ホンダ・スーパーONE」に代わるおススメのBEVは?
2026.8.6デイリーコラム場合によっては軽規格の電気自動車(BEV)「ホンダN-ONE e:」よりも安く乗れるとネット界隈で話題の「スーパーONE」。ただし、納車に時間かかると肝心の補助金が……。と、そんな人気のスーパーONEに代わるBEVを下町の中古車評論家がご紹介。 -
第973回:静かになりすぎたクルマと「聴かせて、聴かせて隊」に思うこと
2026.8.6マッキナ あらモーダ!最近イタリアでよく見かけるという、道行くスポーツカーやスーパーカーのドライバーに、豪快なエキゾーストサウンドをせがむ若者の姿。彼らの存在は静かになりすぎた四輪車に対するアンチテーゼか? 現地在住の大矢アキオが考察する。 -
BYDシーライオン6(後編)
2026.8.6あの多田哲哉の自動車放談ちまたで話題のBYDは、コストパフォーマンスが高いだけのブランドなのか? プラグインハイブリッドのSUV「シーライオン6」に試乗した多田哲哉さんは、これらのモデルを迎え撃つ日本のメーカーに対して警鐘を鳴らす。





























