ホンダ・シビックvs トヨタ・カローラフィールダー/マツダ・プレマシー【ライバル車はコレ】
『セミミニバンに変身!』 2000.10.12 試乗記 ホンダ・シビックの「ライバル車はコレ」ホンダ・シビック(134.8万円から182.2万円)のライバルは?
7代目シビックは、伝統の3ドアパッケージについに見切りをつけ、5ドアの「セミミニバン」スタイルとでも呼びたいデザインに大変身を遂げた。セダンのフェリオが保守的スタイルで登場したのに対し、5ドアモデルがこれだけ大きく変わることができたのは、このクルマが基本的に日本マーケットでの販売のみを視野に入れたため。
「セダンもクーペもハッチバックも不調という今の日本において、どうしたらカスタマーの心をくすぐることが出来るか?」。この点に果敢な挑戦をした結果が、新しいシビックのカタチに表れたというわけだ。
設定エンジンは1.5、1.7リッターのSOHCのみ。ホンダ得意のスポーツユニットはまだ用意されていない。もちろん、これは「時間の問題」と見るべきであろう。
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【ライバルその1】カローラフィールダー(136.3万円から199.8万円)
ハッチバックをしのぐ実用性
フィールダーなるサブネームが与えられたカローラは、旧「カロゴン」ことカローラワゴン。実はこのクルマ、ヨーロッパでも「新カローラ・ワゴン」としてリリースされる予定。
欧州でのカローラは、日本とは異なりハッチバックモデルが主流だった。そこへワゴンを投入するとなれば、もともとユーティリティ性に富んだハッチバック以上にしっかりと荷物が積める「垂直に近いテイルゲート」が不可欠なデザインになるわけだ。
セダンをベースに「試作車レス」で開発されたというフィールダー。リアに大きな開口部をもつせいか、ボディの剛性感がわずかにセダンより落ちる。人によってはドラミングと呼ばれる低周波のノイズが気になるかも知れない。これは同じ5ドアパッケージングでもシビックにはない現象。
セリカ譲りの1.8リッター「190ps」エンジン搭載車は確かに速い。が、フィールの面では、いまだ「ホンダ・ユニット」を凌げない。
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【ライバルその2】マツダ・プレマシー(168.8万円から222.8万円)
セダンのよう
3列シートを売り物としているだけに、シビックよりミニバン的イメージが強いのがプレマシー。けれども、全高が7cmほど高いことを除けば、ボディサイズもホイールベースもシビックと同等。ヨーロッパでは2列シート仕様でリリースされていることからも、シビックと同カテゴリーと見ておかしくない。
ファミリアをベースとしたプレマシーは、コンパクトなボディで3列シートを実現させたのが大きな特徴。けれども、ハッキリ言ってその3列目は、到底大人がリラックスできるスペースはもちあわせていない。
都市部に住む人にとっては、タワー式のパーキングに停められるか微妙な車高も気になるところ。その点、ほぼ1.5mという全高のシビックならば、すべてのパーキングに進入OK。迷わずGo!である。
プレマシーの走りはシビックに劣らずセダンライク。ただし、シビック比80kgから100kg重い車重が効いてか、「軽快感」ではシビックにかなわない。
(文=河村康彦/2000.10.12)

河村 康彦
フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。
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