ボルボV70 2.4(5AT)【ブリーフテスト】
ボルボV70 2.4(5AT) 2000.10.13 試乗記 ……557.0万円 総合評価……★★★幸せな平凡
かつての角張ったスタイルから決別した、というよりは、240時代に回帰した新型V70。グリーンハウスを視覚的に分離するボディサイドのバルジがスタイリッシュ。
時代の要請とマーケティングの必要性から、若々しく、スポーティな面が強調されるニューモデルだが、運転手に危険なドライビングをさせない、させる気にさせない、「鈍」な性格は相変わらず。
可変バルブタイミング機構を得た5気筒ユニットは、回すと快活だが、1.6トンのボディは「音」ほど走らない。鈍いステアリングフィール、いまひとつシャキッとしない足まわり。時にバタつくバネ下。
それでも「退屈」を「幸せな平凡」と感じせる不思議なクルマ。なんともおトクなブランドイメージを確立できたのは、早期に現地法人化、本気でマーケティングを展開したためだろう。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2000年1月のデトロイトショーでデビューした4ドアワゴン。先代V70が、実質上850のフェイスリフト版だったのに対し、新型は、S80のコンポーネンツを利用する真性ブランニューモデル。日本には、2種類の2.4リッターNAユニット(140psと170ps)と、軽い過給をかけたターボ(200ps)がラインナップされる。4WDモデルもオプションパッケージとして(!)選択可能になった。
(グレード概要)
V70 2.4は、NAモデルの上級版。エンジンパワーが30psアップするほか、革巻きステアリングホイール、アルミホイールを標準装備。純正ナビシステムがオプションで装着できる。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
大柄なスイッチやボタンはわかりやすい。依然として「防寒用手袋をしていても」使えそうだ。革巻きステアリングホイールは標準装備。RTI(Road & Traffic Information)と呼ばれるビルトインタイプのナビゲーションシステムがオプション設定される。
(前席)……★★★
850時代の、ダボッと平板で大きなシートと比較すると、サイズ、形状とも標準的に。クッションの多い、柔らかく、ラグジュアリーな座り心地。座面の横に深さ10cmほどのモノ入れがあるのは便利。
(後席)……★★★
バックレストは、角度を2段階に調整できる。膝前、頭上空間ともじゅうぶんな広さだ。ファミリーパッケージ(インテグレーテッドチャイルドクッション+チャイルドロック+リアセンターテーブル=3.5万円)をオプション装備すると、リアシート左右の座面を高くして子供用とすることができる。バックレストは、1:2の分割可倒式。
(荷室)……★★★
床面最大幅130cm、奥行き110cm、パーセルシェルフまでの高さ40cm。床面とバンパーとの段差をなくすためか意外に浅いが、フロア下も収納スペースになっている。後席背もたれを倒せば、長さ185cmのフラットな荷室に。床面を引き起こすと出現する2人分エクストラシートは、メーカーオプション。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
4、5、6気筒に使い回し可能な、ボルボ自慢のモジュラーユニット。2000rpm以上回すとウルサイが、5ATによって、回転が上がる前の速めのシフトが可能になった。実際には6500rpmまで回るが、メーター上は6000rpmからレッドゾーンが始まる。心理的な抑制か。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
850シリーズから、ボルボもドライビングプレジャーを謳うようになったが、穏やかな性格は変わらない。リアサスにS80で採用されたマルチリンクが移植されるも、依然として安定志向。「曲がり」でのロールは大。アンダーステアも強めで、ドライバーをしてトバす気にさせない。ボルボ流アクティブセイフティ。
(写真=高橋信宏)
【テストデータ】
報告者: web CG 青木禎之
テスト日:2000年8月23日
テスト車の形態: 広報車
テスト車の年式: 2000年型
テスト車の走行距離: 1812km
タイヤ: (前)205/55R16 91W(後)同じ(いずれもPirelli P6000)
オプション装備: ベーシックパッケージ(本革シート+サンルーフ+助手席パワーシート+16インチアルミ=30.0万円)/レジャーパッケージ(ルーフレール+12Vソケット+ロードキャリア+ローディングプロテクション+ラゲッジマット=9.0万円)/エクストラシート(20.0万円)/RTI(ナビゲーションシステム=37.0万円)/助手席エアバッグ(1.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
テスト距離:191.2km
使用燃料: 25.5リッター
参考燃費: 7.5km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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