ホンダS660 α モデューロパーツ装着車(MR/6MT)/N-ONEモデューロX(FF/CVT)/N-BOXモデューロX G・ターボパッケージ(FF/CVT)/N-BOXスラッシュ X・ターボパッケージ モデューロパーツ装着車(FF/CVT)/ジェイドRS モデューロパーツ装着車(FF/CVT)
見た目以上に本格派 2015.08.18 試乗記 ホンダ車用の純正カスタマイズアイテムを提供するブランド「Modulo(モデューロ)」。そのパーツを組み込むことで、実際の走りや乗り心地はどのように変化するのか? 「S660」をはじめとする5台のテスト車に試乗して確かめた。20年以上続くカスタマイズブランド
ホンダ車用純正用品の企画、設計、そして開発を担当する、本田技研工業の100%子会社がホンダアクセス。そして、ここが手がけた走りにまつわるチューニングパーツのブランド名がモデューロである。
この名称が最初に用いられたのは、1994年に発売されたアルミホイールだった。その後、独自デザインのエアロパーツやスポーツサスペンションなど数々のアイテムの開発と販売を経て、今では、さまざまな専用カスタマイズパーツを装着し、ベースのホンダ車と同様の安全性、品質、信頼性を備えたコンプリートカー「モデューロX」シリーズをローンチさせるまでに至っている。
自動車メーカー直系ゆえ、新車の開発初期から一体となった製品開発が可能となり、テストコースをはじめとするさまざまな“メーカーの資産”も活用することができるというのも、大きな強みだ。
そんなモデューロで今、最もホットなネタが、話題のマイクロコンパクトスポーツカーS660の走りのポテンシャルをさらに引き上げるべく開発された、数々のアイテムである。
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アシは上質、かつしなやか
今回、そのモデューロの作品を一堂にチェックできる機会が設けられた。舞台は、ラリーのスペシャルステージなどにも使われる、群馬サイクルスポーツセンター内の6km続くワインディングロードと、その施設周辺の一般道だ。
実はこのサイクルスポーツセンターのコースは、「道が荒れ、大小さまざまなコーナーやアップダウンもあることから、S660用アイテムの開発にあたっては“ホームグラウンド”として活用してきた道」でもあるという。
ベース車両に対して、「アルミホイールのみ変更」「サスペンションとブレーキを変更」、そして「エアロパーツを含むモデューロのアイテムをフル装備」……と、チューニングレベルが異なる3台のテスト車が用意されたS660で、早速そんな“聖地”へとコースイン。
ラインオフした標準状態そのままでも、S660がピュアなスポーツカーとして納得できるフットワークの持ち主であるのは、すでに定評あるところ。が、モデューロのサスペンションを採用したモデルは、予想を超える“飛び幅”で、さらに上質、かつしなやかなテイストを提供してくれた。これには正直、ちょっとビックリさせられた。
そう、モデューロサスペンションに共通する狙いどころの「ストロークの豊かな接地感と高品位な乗り心地」が追求された結果、その乗り味は決してハードさを増しているわけではない。「しなやかさで、車高調付きのサスを上回ることを目標にした」と、モデューロの開発アドバイザーである土屋圭市氏が語っているように、それは“より上質になったこと”が印象に残る乗り味なのだ。
エアロパーツも効果あり
実は土屋氏の監修により、サイクルスポーツセンターのワインディングコースでは、特にアンジュレーションが強かったり路面が荒れていたりする場所に、注意喚起のためのパイロンが置かれていた。
が、モデューロサスペンションを装備したS660が、そうしたパートでこそ、より路面追従性に富んだしなやかなアシの動きを実感させてくれたのは興味深かった。
エアロキットも印象的だった。「当初は欧州車用のアクセサリー開発を手がけるサプライヤーに打診をしたものの、あり得ないほど高価な見積もりが出て……結局、別のサプライヤーを探し出して、何とかリーズナブルな価格で製品化を実現させました」。そう開発陣が振り返る、リアのアクティブスポイラーを含むエアロキット付きモデルでは、100km/h付近からさらに上の速度域で大きな路面凹凸を乗り越えるようなシーンで、揺れの収まりがより素早く行われることを実感した。
モデューロでは初というドリルドディスクを用いたブレーキは、減速時の摺動音がわずかに耳に付き、ペダルタッチもノーマル仕様と大差はなかったものの、より強靱(きょうじん)な制動感が味わえる。
これもまた、決して見せかけだけではない本格派であると、納得のいくものだった。
“ホンダ純正”のメリットも
このほか、「N-ONE」と「N-BOX」のコンプリートカーに、「ジェイドRS」のモデューロサスペンション付きなど、さまざまな「モデューロの作品」も味見した。
いずれも、ベース車両からローダウン化が図られており、特にN-ONEでは、最低地上高が20mmダウン。にもかかわらず、各車とも、むしろサスペンションのストローク感はより豊かになっており、接地性も向上していた。荒れた路面での路面追従性も高まっていたのには、ちょっとした“マジック”を見せられた思いがした。
すべてのアイテムに「3年間6万km」の保証が付くのは、“純正用品”ならではの大きなアドバンテージだ。かつ、ベース車両と同じ組み立てラインで生産されるコンプリートカーのモデューロXではもちろん、「外した標準車のパーツが無駄にならず、その分価格面のメリットも大きい」というポイントも見逃せない。
一方、S660にはまだコンプリートモデルの設定がなく、ボディーキットやサスペンションなどは、「外した標準アイテムの使い道がない」という点が、今後の課題になりそう。じつはS660はホンダ自社工場製ではなく、関連会社である八千代工業への委託生産になっているから、そうした面からのハードルの高さも、あるいは存在するのかもしれない。
が、いずれにしても、なかば標準仕様をライバル視したかのようにすら思えるこうした走りのパーツ開発へのこだわりは、もはや“純正用品屋”の常識を超えたものだ。そして、そんなことを許してしまう親会社ホンダそのものも、やはり何ともユニークな自動車メーカーというしかないわけだ。
(文=河村康彦/写真=郡大二郎)
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テスト車のデータ
ホンダS660 α モデューロパーツ装着車
(ベース車:ホンダS660 α)
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1180mm
ホイールベース:2285mm
車重:830kg
駆動方式:MR
エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ
トランスミッション:6段MT
最高出力:64ps(47kW)/6000rpm
最大トルク:10.6kgm(104Nm)/2600rpm
タイヤ:(前)165/55R15 75V/(後)195/45R16 80W(ヨコハマ・アドバンネオバAD08R)
燃費:21.2km/リッター(JC08モード)
※上記のスペックはベース車のもの
価格:218万円/テスト車=340万9601円
オプション装備:センターディスプレイ(4万8600円)/ボディーカラー<プレミアムスターホワイトパール>(3万2400円)
装着部品:Moduloアクティブスポイラー(16万2000円)/Moduloフロントフェイスキット(10万8000円)/Moduloリアロアバンパー(8万4240円)/Moduloサスペンション(13万8240円)/Moduloスポーツブレーキパッド(3万7800円)/Moduloディスクローター ドリルドタイプ(6万4800円)/ModuloアルミホイールMR-R01ステルスブラック<フロント2本>(6万2640円)/ModuloアルミホイールMR-R01ステルスブラック<リア2本>(6万6960円)/アルミホイール用ホイールナット(3024円)/LEDフォグライト(3万240円円)/LEDフォグライト取り付けアタッチメント(1万2960円)/デカール<ストライプ>(1万6200円)/ロールトップ(12万9600円)/パーキングシェード(7020円)/フューエルリッド(2万4840円)/ハイケルビンバルブ(7560円)/ハイケルビンバルブ(2268円)/デカール<エンブレムデザイン>(3240円)/ドアライニングパネル(3万240円)/シフトノブ+シフトブーツ(2万5380円)/サイドブレーキカバー(5832円)/コンソールサイドボックス(3780円)/ドリンクホルダー(5940円)/サイドステップガーニッシュ(1万9440円)/フットライト(1万800円)/オートデイナイトミラー(1万7280円)/オートデイナイトミラー取り付けアタッチメント(3240円)/LEDルームランプ(3780円)/フロアカーペットマット(1万7280円)/ETC車載器(1万4580円)/ETC車載器取り付けアタッチメント(777円)/17cmネオジウムデュアルスピーカーGS-1120DL(7560円)/2.5cmソフトドームツィーターGS-3930T(1万2960円)/車検証ケース(4860円)/樹脂製キーカバー(3240円)
テスト車の年式:2015年型
テスト開始時の走行距離:4796km
テスト形態:トラックインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター
参考燃費:--km/リッター
ホンダN-ONEモデューロX
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1535mm
ホイールベース:2520mm
車重:870kg
駆動方式:FF
エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ
トランスミッション:CVT
最高出力:64ps(47kW)/6000rpm
最大トルク:10.6kgm(104Nm)/2600rpm
タイヤ:(前)165/55R15 75V/(後)165/55R15 75V(ヨコハマ・エコスES31)
燃費:23.8km/リッター(JC08モード)
価格:189万8000円/テスト車=223万8740円
オプション装備:Moduloディスクローター<ドリルドタイプ>(3万2400円)/デカール<センターストライプ>(3万2400円)/スポーツペダル(1万800円)/サイドステップガーニッシュ(1万6200円)/フロアカーペットマット(2万1600円)/スタンダードインターナビVXM-152VFi(16万5240円)/ナビ取り付けアタッチメント(6480円)/デジタルTVアンテナ(3780円)/ピュアサウンドブース(3万8880円)/17cmネオジウム2WAYスピーカー(1万2960円)
テスト車の年式:2015年型
テスト開始時の走行距離:712km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:----km
使用燃料:--リッター
参考燃費:--km/リッター
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ホンダN-BOXモデューロX G・ターボパッケージ
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1765mm
ホイールベース:2520mm
車重:980kg
駆動方式:FF
エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ
トランスミッション:CVT
最高出力:58ps(43kW)/7300rpm
最大トルク:6.6kgm(65Nm)/4700rpm
タイヤ:(前)165/55R15 75V/(後)165/55R15 75V(ブリヂストンB250)
燃費:--km/リッター(JC08モード)
価格:204万7200円/テスト車=232万4976円
オプション装備:フロアカーペットマット(2万1600円)/8インチプレミアム インターナビVXM-155VFEi(21万6000円)/ナビ取り付けアタッチメント(6480円)/フェイスパネルキット(1万800円)/ETC車載器 ナビ連動タイプ(1万6416円)/ETC取り付けアタッチメント(6480円)
テスト車の年式:2015年型
テスト開始時の走行距離:1706km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:----km
使用燃料:--リッター
参考燃費:--km/リッター
ホンダN-BOXスラッシュ X・ターボパッケージ モデューロパーツ装着車
(ベース車:ホンダN-BOXスラッシュ X・ターボパッケージ)
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3395×1475×1670mm
ホイールベース:2520mm
車重:950kg
駆動方式:FF
エンジン:0.66リッター直3 DOHC 12バルブ ターボ
トランスミッション:CVT
最高出力:64ps(47kW)/6000rpm
最大トルク:10.6kgm(104Nm)/2600rpm
タイヤ:(前)165/55R15 75V/(後)165/55R15 75V(ブリヂストンB250)
燃費:23.0km/リッター(JC08モード)
※上記のスペックはベース車のもの
価格:176万円/テスト車=263万6820円
オプション装備:なし
装着部品:Moduloアルミホイール MS-030<4本>(9万5040円)/アルミホイール用ホイールナット(3024円)/デカール ボディーサイド用(1万4040円)/ドアミラーカバー(8640円)/フューエルリッド(1万800円)/フロントグリル(2万9160円)/LEDフォグライト(3万240円)/フォグライトガーニッシュ(8640円)/フォグライト取り付けアタッチメント(1万800円)/ライセンスフレーム<フロント用>(3780円)/ライセンスフレーム<リア用>(3780円)/ドアバイザー(1万6200円)/サスペンション(8万1000円)/ハイケルビンバルブ<2個>(4536円)/インテリアパネル<インストゥルメントパネル部用>(1万2960円)/インテリアパネル<フロントドアライニング部用>(8640円)/デカール<インテリアパネル用>(2700円)/ルームミラーカバー(4320円)/ステアリングホイール(4万8600円)/シートカバー(2万7000円)/シフトノブ(1万800円)/インナードアハンドル&ドアポケットイルミネーション(1万4040円)/インテリアデコレーション(7020円)/ドリンクホルダーリング(1万2960円)/シートコンソール(4860円)/USBチャージャー(1万800円)/LEDルーフ照明(1万2960円)/LEDルーフ照明用サブハーネスアタッチメント(540円)/LEDルームランプ<フロントマップランプ用2個>(7560円)/カーゴライナー(1万9440円)/フロアカーペットマット プレミアムタイプ(1万9440円)/8インチプレミアムインターナビ VRM-155VFEi(21万6000円)/フェイスパネルキット(1万800円)/ナビ取り付けアタッチメント(6480円)/デジタルTV用フィルムアンテナ(7020円)ピュアサウンドブース<エンブレム付き>(3万8880円)/USB接続ジャック(8229円)/11インチリア席モニター(8万6400円)/リア席モニター取り付けアタッチメント(9180円)/ETC車載器<ナビ連動タイプ>(1万6416円)/ETC車載器取り付けアタッチメント(3240円)
テスト車の年式:2015年型
テスト開始時の走行距離:1287km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:----km
使用燃料:--リッター
参考燃費:--km/リッター
ホンダ・ジェイドRS モデューロパーツ装着車
(ベース車:ホンダ・ジェイドRS)
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4650×1775×1530mm
ホイールベース:2760mm
車重:1520kg
駆動方式:FF
エンジン:1.5リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:CVT
最高出力:150ps(110kW)/5500rpm
最大トルク:20.7kgm(203Nm)/1600-5000rpm
タイヤ:(前)215/45R18 89W/(後)215/45R18 89W(ヨコハマDNA S.drive)
燃費:18.0km/リッター(JC08モード)
※タイヤを除き上記スペックはベース車のもの
価格:253万円/テスト車=351万5080円
オプション装備:ボディーカラー<ホワイトオーキッド・パール>(3万7800円)/Hondaインターナビ+リンクアップフリー+Lane Watch+ETC+後退出庫サポート(20万1800円)/Honda SENSING(10万9100円)/マルチインフォメーションディスプレイ(10万9100円)/本革シート+パワーシート+シートヒーター(24万円)
装着部品:サスペンション(10万5840円)/アルミホイール<4本>(18万1440円)
テスト車の年式:2015年型
テスト開始時の走行距離:3863km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:----km
使用燃料:--リッター
参考燃費:--km/リッター

河村 康彦
フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。
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