第519回:2年に1度のドゥカティの祭典
熱狂の「ワールド・ドゥカティ・ウイーク」をリポート
2018.08.17
エディターから一言
拡大 |
2018年7月20日から22日までの3日間、イタリア・ミザノにある国際サーキット、ミザノ・サーキット・マルコ・シモンチェッリにおいて、イタリアのバイクブランド・ドゥカティが2年に1度開催するイベント「World Ducati Week2018(ワールド・ドゥカティ・ウイーク2018/以下WDW)」が開催された。世界中のドゥカティオーナーが集結するこのイベントの様子をお伝えする。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
盛り上がりが尋常じゃない
待ちに待った2年に1度のビッグイベントであること、第10回の記念すべき大会であること、新興国を含めた世界中でドゥカティのマーケットが拡大していることなど、今回のWDWが盛り上がる要因はいくつもあった。そしてそれを証明するように、3日間の合計来場者数は9万1596人と、前回から1万人以上も増す新記録を達成した。しかも、その40%はイタリア以外からの来場者であり、計73カ国からやって来た熱狂的なドゥカティファン=ドゥカティスタたちがメイン会場であるミザノサーキットを埋め尽くした景色は、まさに圧巻だった。
それだけではない。ドゥカティはWDW開催にあたり、ミザノ、リミニ、カットリカ、リッチョーネの各自治体から協賛を得ている。ブーツのカタチをしたイタリア半島の、ちょうどふくらはぎの部分にあたるエミリア=ロマーニャ州リミニ県の各都市は、どこを走っても新旧ドゥカティの車両と、ロゴTシャツを着た人であふれていた。またミザノから約100km内陸にあるボローニャには、ドゥカティの本社があり、隣接するミュージアムの見学やファクトリーツアーに参加するため、ここにも多くのファンがつめかけていた。
初日の夕方に催された、ドゥカティの首脳陣に加えて来場者も自由に参加できるパレードランもすさまじかった。WDWのプログラムには、サーキットを離れ、街中で開催するイベントも多数セットアップされており、このパレードランもサーキットから約20km離れたリミニの街までの、およそ30分のルートを走る。参加者はサーキットを1周してからリミニを目指すのだが、その数はあまりに多く、最後列がコースインするまでに先頭がスタートしてから2時間が経過していたほどだった。
また、パレードランの目的地であるロモ・リミニはレストランが立ち並ぶビーチであり、そこではパレードに参加したドゥカティスタたちをもてなすためのバーベキューパーティー「スクランブラー・ビーチパーティー」が開催され、ドゥカティ首脳陣が自ら伝統的なシーフードグリルを振る舞ったほか、プライベートビーチではDJパーティーも行われた。また2日目の夜にはリッチョーネのローマ広場に特設ステージを設け、首脳陣やさまざまなレースに参戦するワークスチーム&ライダーのトークセッション、ライブコンサートなどを開催。公式リリースの言葉を借りると、会場は「デスモドロミック(ドゥカティ独自のバルブ駆動システム)サウンドに包まれた」のだった。
ドゥカティオーナーにとっての楽園
サーキットでのプログラムもドゥカティならではのものだった。MotoGPやスーパーバイク世界選手権でトップ争いを展開するワークスチームとワークスライダー、過去に活躍したレジェンドライダーたちを交え、各カテゴリーのレースバイクを走らせたのだ。それだけではなく、800ccの「ドゥカティ・スクランブラー」をカスタムしたマシンでのフラットトラックレースや、まだ発売したばかりのV型4気筒エンジンを搭載した次世代スーパースポーツモデル「パニガーレV4S」を使ったワンメイクレースも開催したのである。通常、イベントでのエキシビションレースは“ほどほど”であることが一般的だが、世界中を転戦するいつものチームとともに参加したことから、ライダーも徐々にヒートアップ。セッティングの範囲内でしっかりとマシンを仕上げ、真剣勝負のレースを展開した。
パニガーレV4Sでのレースのスタート前には、イタリア空軍のアクロバットチーム「フレッチェ・トリコローレ」がコース上に飛来し、スモークでイタリア国旗カラーを描いてレースを盛り上げた。また各チームカラーのペイントが施され、レース用にスペシャルパーツがセットアップされた12台のパニガーレV4SがeBeyでオークションに掛けられ、そのすべてが落札された。
イベントに参加する人々は、近隣のホテルやキャンプサイトに宿泊し、そこからイベント会場であるミザノサーキットにやって来る。7月のイタリアといえば日本に負けないほどの猛暑で知られ、したがって参加者のほとんどが軽装だ。バイクを会場内に止めてから着替えるライダーもいるが、短パン&Tシャツ姿でドゥカティに乗ってやって来る参加者も少なくない。そしてカメラを向ければ、クラクションを鳴らしたりポーズを決めたりして勝手に騒いでくれる、そんな底抜けに明るいライダーたちがWDWの主役だ。自分のバイクを自慢し、ドゥカティを自慢する、そんなドゥカティスタたちの波にのみ込まれてしまったら、ドゥカティオーナーじゃなくてもその熱にすっかりやられてしまうだろう。そしてもしオーナーがやって来れば、ここは間違いなくパラダイスだ。
(文=河野正士/写真=ドゥカティ、河野正士/編集=堀田剛資)
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |

河野 正士
フリーランスライター。二輪専門誌の編集部において編集スタッフとして従事した後、フリーランスに。ファッション誌や情報誌などで編集者およびライターとして記事製作を行いながら、さまざまな二輪専門誌にも記事製作および契約編集スタッフとして携わる。海外モーターサイクルショーやカスタムバイク取材にも出掛け、世界の二輪市場もウオッチしている。
-
第863回:3モーター式4WDの実力やいかに!? 「ランボルギーニ・テメラリオ」で雪道を目指す 2026.3.3 電動化に向けて大きく舵を切ったランボルギーニは、「ウラカン」の後継たる「テメラリオ」をプラグインハイブリッド車としてリリースした。前に2基、リアに1基のモーターを積む4WDシステムの実力を試すべく、北の大地へと向かったのだが……。
-
第862回:北極圏の氷上コースでマクラーレンの走りを堪能 「Pure McLaren Arctic Experience」に参加して 2026.2.25 マクラーレンがフィンランド北部で「Pure McLaren Arctic Experience」を開催。ほかでは得られない、北極圏のドライビングエクスペリエンスならではの特別な体験とは? 氷上の広大な特設コースで、スーパースポーツ「アルトゥーラ」の秘めた実力に触れた。
-
第861回:冬道性能やいかに ミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」を北の大地で試す 2026.2.18 2025年9月に日本ミシュランタイヤが発表した最新のオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」の冬道性能を確かめるために、北海道に飛んだ。ドライやウエット路面に続き、ウインターシーンでの印象を報告する。
-
第860回:ブリヂストンの設計基盤技術「エンライトン」を用いて進化 SUV向けタイヤ「アレンザLX200」を試す 2026.2.13 ブリヂストンのプレミアムSUV向けコンフォートタイヤ「アレンザLX100」の後継となるのが、2026年2月に発売された「アレンザLX200」。「エンライトン」と呼ばれる新たな設計基盤技術を用いて開発された最新タイヤの特徴を報告する。
-
第859回:トーヨーのSUV向け冬タイヤを北海道で試す! アナタのベストマッチはどれ?
2026.2.10 トーヨータイヤが擁するSUV向けの冬タイヤに、北海道で試乗! スタンダードなスタッドレスタイヤから「スノーフレークマーク」付きのオールテレインタイヤまで、個性豊かな4商品の実力に触れた。アナタのクルマにマッチする商品が、きっとある?
-
NEW
BYDシーライオン6(FF)
2026.3.6JAIA輸入車試乗会2026“中国の新興ブランド”BYDにあこがれは抱かずとも、高コスパの評判が気になる人は多いだろう。では、日本に初導入されたプラグインハイブリッド車のデキは? 初めて触れたwebCGスタッフがリポートする。 -
NEW
実に3年半ぶりのカムバック 「ホンダCR-V」はなぜ日本で復活を果たしたのか?
2026.3.6デイリーコラム5代目の販売終了から3年半のブランクを経て、日本での販売が開始された6代目「ホンダCR-V」。世界的なホンダの基幹車種は、なぜこのタイミングで日本復活を果たしたのか? CR-Vを再販に至らしめたユーザーの声と、複雑なメーカーの事情をリポートする。 -
NEW
「ジープ・アベンジャー4xeハイブリッド」発表会の会場から
2026.3.5画像・写真ジープブランドのコンパクトSUV「アベンジャー」に、4WDのハイブリッドバージョン「アベンジャー4xeハイブリッド」が追加された。その発表会(2026年3月5日開催)の場に展示された同モデルの外装・内装を写真で紹介する。 -
NEW
スバル・トレイルシーカーET-HS プロトタイプ(4WD)【試乗記】
2026.3.5試乗記スバルから本格的な電気自動車の第2弾となる「トレイルシーカー」が登場。前後のモーターから繰り出すシステム最高出力はドーンと380PS。ただし、それをひけらかすような設定にはしていないのがスバルらしいところだ。スノードライブの印象をお届けする。 -
NEW
ホンダ・インサイト
2026.3.5画像・写真4代目はまさかの電気自動車(BEV)! ハイブリッドからBEVへ、4ドアセダンからSUVへと変身して、「ホンダ・インサイト」が復活を遂げた。ドアトリム/ダッシュボードヒーターにアロマディフューザーと、新たな快適装備を満載したその姿を、写真で紹介する。 -
BYDシーライオン7 AWD(4WD)
2026.3.5JAIA輸入車試乗会2026堂々たるスタイルにライバルの上をいくパワーと一充電走行距離、そしてざっくり2割はお得なプライスを武器とする電気自動車「BYDシーライオン7」。日本市場への上陸から1年がたち、少しずつ存在感が増してきた電動クーペSUVの走りやいかに。











