「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」の会場から
2018.10.03 画像・写真マツダのファンイベント「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」が2018年9月23日、静岡県小山町の富士スピードウェイで開催された。
このイベントは、マツダのクルマづくりへのこだわりを学んだり、つくり手と直接ふれあったりできる体験の場として日本各地で行われている「Be a driver. Experience」の特別版といえるものだ。初開催は2016年で、今回が2回目となる。
その内容はまさに盛りだくさん。伝説のレーシングカーによるデモンストレーションランやユーザー参加のパレードランといったサーキットコースならではのコンテンツをはじめ、「人馬一体体験」や「先進安全装備体験」といった体験コーナー、次世代技術やデザインについての講演会、ヒストリックカーや最新モデルの展示など、富士スピードウェイの広大な敷地を活用したさまざまなコンテンツが豊富に用意された。
今年も全国各地から約4800人が来場。場内を埋め尽くしたマツダ車は、マツダを代表する「RX-7」や「ロードスター」といったスポーツカーに限らず、「アクセラ」や「CX-5」などの多種多様なモデルが集結、特に2017年末にデビューしたばかりの「CX-8」が続々と来場するなど、熱心なマツダファンが参加していることを感じた。マツダ技術者とファンが交流を深め、クルマの楽しさを語り合った一日の模様をお伝えしよう。
(文と写真=大音安弘)
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1/352回目となる「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」には、全国各地より愛車とともにマツダファンが集結。天候にも恵まれたイベント日和となった。
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2/35メイン会場となるAパドックには「ロードスター」や「RX-7」「アクセラ」など車種別に分かれた駐車エリアを設置。来場者は年式や仕様の異なる同一車種を見比べることができた。
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3/35欧州車風のスタイリッシュな外観の「ユーノス500」は、1992年にデビューした小型セダンだ。日本では短命だったが、欧州では人気が高く、1999年まで生産されていた。今見ても古さを感じさせないのは見事。
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4/35新世代のSUVも続々と集結。「CX-3」と「CX-5」が中心かと思いきや、デビューしたばかりの「CX-8」の数の多さにびっくり。すでにオーナーズクラブも結成されているとのこと。ファンたちがマツダらしい3列シート車をいかに求めていたかを実感。
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5/35「CX-8」の集団の中に、なんと北米車である「CX-9」を発見。オーナーによれば、逆輸入車が好きでわざわざアメリカから取り寄せたそうだ。化粧プレートもオーナーの特注品。
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6/35カスタムやチューニングの施された車両も多かった「RX-8」。前期型が中心だが、後期型の姿もチラホラ。クーペながら観音開きの4ドアを採用し、最後のロータリーエンジン搭載車ということもあり、まだまだファンも多い。後期型は高値で推移しているが、前期型は手ごろなものも多いため、今のうちに入手しておくのもアリかも……。
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7/35マツダのイベントならではの顔ぶれといえるのが、この「ルーチェ」軍団。最も手前のモデルは、歴代唯一の縦目4灯式ヘッドライトを採用し、さらに「レガート」のサブネームまで与えられた3代目だ。ちなみに後期型はサブネームが外れ、一般的な角型2灯式のフロントマスクに改められた。
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8/35マツダのヒストリックカー展示コーナーには、歴代の名車たちが並べられた。「キャロル360」は1962年にデビュー。当初は3ドアのみだったが、翌年に4ドアセダンを追加した。逆反りのリアウィンドウがデザイン面での大きな特徴。360㏄ 4気筒エンジンを搭載していた。
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9/35「360クーペ」は1960年にマツダが初めて発売した乗用車。スタイリッシュな2ドアクーペながら、4人乗車が可能。エンジンは360㏄のV型2気筒エンジンを搭載し、トランスミッションはMTだけでなく、ATも選ぶことができた。「キャロル」登場後も1969年まで生産された。
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10/35「K360」は、1959年発売の3輪トラック。商用車ながら、しゃれたツートンカラーを採用していた。360㏄のV型2気筒エンジンをミドシップ搭載していたのもユニーク。
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11/35「マツダRX-7」のグループB仕様。WRCに参戦していたマツダラリーチーム・ヨーロッパがグループB規定で仕立てたモンスターマシン。84年の第6戦となるアクロポリスラリーに初投入。ただ、すでに時代は4WD車へとシフトしており、85年アクロポリスラリーで総合3位の戦績を残すも、4WD+ターボの武器を持つ「ファミリア」へとバトンを渡す。
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12/35キラキラ輝くステンレス製のボディーを持つ初代「カペラ」。ロータリーエンジン生産累計20万台突破を記念して製作され、1971年の第18回東京モーターショーに出展された。「カペラ ロータリークーペGS」がベース。
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13/35「コスモスポーツ」。1967年にデビューしたマツダ初のロータリーエンジン搭載車。展示車はショートホイールベースの前期型。デビュー翌年の1967年の改良によってホイールベースを延長した後期型となるので、前期型はかなりレア。フロントマスクのデザインなど各部の仕様も異なる。
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14/35マツダのモノづくりとパワートレイン技術の展示コーナーでは、マツダの技術者から、マツダのクルマづくりの考え方や技術について直接聞くことができた。来場者たちは、ていねいな解説に聞き入るだけでなく、積極的に質問する姿も。ファンと技術者とのいいコミュニケーションの場になったようだ。
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15/35親子で参加する「TRY! タミヤRCスクール」は、タミヤの講師による指導のもと、RCカーの塗装・組み立てから、走行までを1日で楽しもうというもの。今回の課題車は、FD型「RX-7」。
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16/35タミヤによるラジコン体験コーナーも開設。「RX-7」などのマツダ車のラジコンカーで、子どもから大人まで気軽に遊ぶことができた。
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17/35Mr.ルマンこと寺田陽次郎氏によるトークショーでは、ルマン参戦当時の話題などを中心に寺田氏のレーサー人生を振り返った。
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18/35ついに開始されたNAロードスター レストアプロジェクトのトライ車両も展示。レストア事業や復刻パーツについて担当者に質問する姿が数多く見受けられた。
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19/35マツダの技術者による、ロータリーエンジンの分解・組み立て実演は大好評。見学者にアペックスシールの組付けを体験してもらうことで、ロータリーエンジンの要であるアペックスシールの役割をより理解できるように配慮されていた。
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20/35マツダ新世代商品群のSUV「CX-3」「CX-5」「CX-8」の3台は、アウトドアニーズにスポットを当てた用品装着車が展示された。マツダのSUVはどれも人気が高いだけに、来場者からの高い関心を集めていた。
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21/35フィギュアスケートのザギトワ選手で注目度が高まった人気の「もふもふ」、秋田犬とのふれあいコーナーも。ちびっ子だけでなく、大人もふれあいを楽しんだ。
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22/35レーシングカーのヘリテージ展示も行われた。「マツダ787B」18号車は、55号車とともにルマンに参戦し、総合6位に輝いた。WSPCにも通年参戦をしていた。1991年シーズン以来、長い眠りについていたが、2016年のこのイベントで久々のお披露目が行われ、話題となった。
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23/35出展者ブースで発見した5代目「ファミリア」。当時流行した「陸(おか)サーファー」仕様となっているのもポイント。ヘッドレストのバンダナや白いフィンタイプのアルミホイールなどでドレスアップが施され、まるで80年代からタイムスリップしてきたかのようだ。
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24/35Aパドックでは、希少なマツダ車とも出会うことができた。新車と見間違えるほどの輝きを放つ「オートザムAZ-1」は、新車時同様に鉄チンホイールのまま。それにしても、これだけの迫力と個性を持つ軽自動車を発売してしまった当時のマツダには脱帽だ。
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25/35「RX-7」最後の限定車「スピリットR」を発見。3タイプが用意され、全1500台が限定発売された。最も硬派な「Aタイプ」はレカロ製専用レッドフルバケットシートを装着していた。当時の価格は399万8000円。唯一無二のスポーツカーがこの価格で手に入った当時の日本は、かなり恵まれていたといえるだろう。
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26/35美しい初代「サバンナRX-7」(SA22型)を発見。後期型の「ターボ」すら希少な存在となっているが、フェンダーミラーとビックバンパーが特徴的な前期型は、なかなかお目にかかれなくなってきた。当時をほうふつさせる2ケタナンバーとBBSホイールも味わい深い。
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27/35マツダ車とオーナーによるパレードランの様子。マツダ最後の完全自社設計の軽自動車「シャンテ」も元気な走りを見せてくれた。1972年に発売されたが、1975年で製造中止になるなど短命だった。マツダの軽乗用車が復活するのは、1989年の「オートザム・キャロル」を待つことになる。
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28/35パレードランはカテゴリー別に行われ、この回は「RX-8」のみが参加。初期型から最終限定車となる「スピリットR」までさまざまなモデルが参加していた。
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29/35耐久レースであるマツダファン・エンデュランスの第4戦も開催された。通称「マツ耐」で知られる、満タン無給油による150分の耐久レースで、2018年は全6戦で争われている。「ロードスター」や「RX-8」といったスポーツカーだけでなく、「デミオ」などのコンパクトカーでも参戦可能だ。
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30/35ヒストリックカーとして展示されたレーシング車両のデモランも実施され、サーキットにロータリーサウンドが響きわたった。こちらは「ファミリア ロータリークーペ」の1970年スパ・フランコルシャン24時間レース仕様。実用車のファミリアに、「コスモスポーツ」のA10型ロータリーエンジンを搭載したモンスターであった。マーシャルのフォグランプが懐かしい。
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31/35「サバンナRX-7」の1979年デイトナ24時レース仕様 77号車。ロータリー専用車として開発され、1978年に発売された初代RX-7。アメリカのレースシーンでも活躍し、初参戦のデイトナ24時間には、7号車と77号車の2台がエントリー。7号車がクラス優勝を果たして総合5位に、77号車がクラス2位、総合6位に輝くなど、新世代ロータリー車の実力を見せつけた。
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32/35「サバンナRX-3」のマツダオート東京 寺田陽次郎仕様。当時、まだ輸出用だった12A型ロータリーエンジンを武器に、打倒「スカイラインGT-R」を目指したサバンナRX-3。当時、マツダオート東京から参戦していた寺田陽次郎氏のマシンを再現したもの。
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33/35ルマン24時間耐久レースで優勝を果たした「マツダ787B」の55号車は、マツダミュージアムで動態保存されている。ステアリングを握るのは、Mr.ルマンこと寺田陽次郎氏である。71歳になっても、その華麗なドライビングは健在。4ローターサウンドで観客を楽しませた。
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34/35「サバンナRX-3」の1974年片山レーシング片山義美仕様。ロータリー使いのレジェンドのひとり、片山義美氏のマシンを再現したもの。片山氏は、RX-3で王者「スカイラインGT-R」に挑み、GT-Rの連勝記録を止めた伝説のレーサーである。残念ながら2016年に他界した。
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35/35GLOBAL MX-5 CUP専用のカップカーもデモランに出走。世界統一仕様の「MX-5」カップカーで競われるこのレースは、日本でも「GLOBAL MX-5 CUP JAPAN」が開催されており、イベント翌日の2018年9月24日に最終戦が行われた。MX-5ベースなので、左ハンドルの2リッターエンジン仕様となる。