今年もいよいよ大詰め!
河村康彦の2018年私的10大ニュース
2018.12.26
デイリーコラム
“期待値MAX”だったあのクルマが……
長年“家族”として一緒に暮らしてきたおネコさまが亡くなってしまったり、身内が入院・手術をやむなしに至ってしまったりと、振り返れば必ずしも“平穏無事”とは言い切れなかった2018年。
本来そうした項目も避けられないものの、あまりに私的にすぎる(!?)というわけで、取りあえずプライベートな出来事は脇に置いて考え直した今年の10大ニュースは、以下の10個。
10位:レクサスLSにがっかり!
いきなりネガティブな話題で恐縮ながら、どうにも忘れられないのが2018年に入ってからの初試乗となった「レクサスLS」。「11年ぶりのフルチェンジ」というタイミングや直前にデビューした「LC」の出来の良さから“期待値MAX”だったのに、いざ走り始めてみれば何とも質感の低い乗り味にがっかり。当然のごとく海外でも、「Sクラス」や「7シリーズ」に遠く及ばずという評価が続出。どうしてこうなった!?
9位:驚天動地のトップ逮捕劇
ディーゼル不正に関する証拠隠滅の恐れありと、現役だったアウディのCEOがよもやの逮捕(9月)。一方、こちらもまさに寝耳に水だった前日産会長の逮捕劇(11月)は、本来ならば擁護に当たるべき現社長までもがあからさまな攻撃を行うという、ドラマ以上にドラマチックな展開で現在も進行中……。
8位:WLTP対応で欧州メーカー大混乱
認可作業の煩雑さや試験装置の不足などから、量販メーカーのハイパフォーマンスバージョンを筆頭に、多くのモデルが対応待ちのためにカタログ落ちという憂き目に。マイナーチェンジを受けた「ポルシェ・マカン」も、自社製エンジンを積む8気筒モデルはお預け中……。
7位:コルシカ島は試乗会天国
主要空港からのアクセスの悪さや試乗車搬入の難しさゆえか、なぜかこれまで訪れる機会のなかったフランス領コルシカ島。いざ上陸してみると、ワインディングロードの宝庫で交通量も極端に少なく、実は“試乗会天国”といえる環境! 「ジャガーEペース」の試乗会で初訪問して大発見。
6位:初代NSXに“温故知新”を実感
取材で久々に乗った個体は、「もともとホンダの北海道テストコースの連絡車だった」という履歴の持ち主に、純正用品メーカーであるホンダアクセスが手を加えた、いわば“純正レストア車”。さまざまな規制が今ほどうるさくない、まだバブルの余韻が残る時代に、世界の頂点を目指して開発された日の丸スポーツカーは、現代でも十分に魅力的なテイストを備えていることをあらためて実感。
ただのパイクカーかと思ったら!?
5位:WLTPでMT車の燃費逆擬装が発覚!?
まるで「MT車イジメ」としか思えない、低速ギアで意味なく高回転まで引っ張るというテスト規定のあったJC08モードに対して、そうした理不尽な縛りが撤廃されたのが、新たな燃費表示方法であるWLTPモード。というわけで、例えば最新の「カローラ スポーツ」のMT仕様では、JC08よりもWLTP表示の方が数値が優秀といった、AT仕様ではあり得ない状況も。絶滅危惧種にひと筋の光明か!?
4位:夢のフィオラノを初ドライブ
フェラーリの本拠地マラネロに、お忍び(?)で単独初参上。『カーグラフィックTV』で見るだけだと思っていたフィオラノサーキットを、「488ピスタ」で走れて大興奮(笑)。
3位:バーチャルアウターミラーを初体験
11月中旬に「レクサスES」、同下旬に「アウディe-tron」と、世界でいち早くバーチャルアウターミラーを装着したモデルを、連続して体験。しかし、いずれにも共通していたのは「距離感と速度差がつかみづらい」という問題点だった。特に、片側3車線以上ある道路の場合、映し出された後方車両が、隣の車線にいるのか、そのまた隣の車線にいるのかは識別困難。「白黒の『クラウン』が映ったら赤枠で囲まれる」とか、「白いオートバイが映ったら警告音が出る」とかの付加価値(?)がなければ、現状で大枚をはたくのは時期尚早!
2位:「ボルボの連続受賞にビックリ」の声にビックリ
これはきっと「取れる」でしょう……と、初試乗の際にそう直感した「ボルボXC40」が、見事に日本カー・オブ・ザ・イヤーの本賞を受賞。しかし、自身では当然と予想していた結果に、「2年連続はビックリ」といった声が多数あったことに驚いた。いやいや、今年は「他になかった」気がするし、そもそも「前年とは違うブランドを優先する」なんて“忖度(そんたく)”は要らないと思うけれど。
1位:アルピーヌA110の仕上がりに仰天
しょせん「ノスタルジー頼みのパイクカーでしょ」なんて予想をしたら、2018年の乗ってビックリ大賞だったのが「アルピーヌA110」。“軽さ命”で作られたボディーはまさに「着る感じ」の原動力だし、自由自在なハンドリング感覚もゴキゲンそのもの。どこにでも乗りつける気になれるコンパクトなサイズも、ボディーが肥大化して行く今の時代にあっては称賛もの。規模ともうけでは勝るという、“パートナー”の日産に、こんなクルマをつくれる日はいつかやってくるのか!?
……というわけで、今年の10大ニュースも妄言多謝!
(文=河村康彦/写真=トヨタ自動車、日産自動車、ポルシェ、ジャガー・ランドローバー、郡大二郎、フェラーリ、webCG/編集=藤沢 勝)

河村 康彦
フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。
-
ミドシップ化で運動性能はどう変わる? 「GRヤリスMコンセプト」の現時点での完成度を体感NEW 2026.6.3 「GRヤリス」をベースとしたミドシップ4WDとして市販化を目指す「GRヤリスMコンセプト」。現在もスーパー耐久に投入されるなどして鍛えられているが、その開発車両をドライブできた。普通のGRヤリスとの運動性能の違いや、新開発エンジンの印象などをリポートする。
-
新生アルピナは成功するか? その将来とBMWとの関係について考える 2026.6.1 具体的なデザインスタディーも公開され、いよいよ市場展開が見えてきた新生アルピナ。将来的な成功の“確度”やいかに? BMWによる新たなアルピナ像について、両ブランドに詳しい西川 淳が詳しく解説する。
-
つまずきを糧に成功をつかみ取れ! 新型「CX-5」に宿るマツダの変革と覚悟 2026.5.29 既存のマツダ車とは一線を画す乗り味で、メディアをおどろかせた新型「マツダCX-5」。マツダの最量販車種は、なぜ3代目で大転換を迫られたのか? 賛否両論を巻き起こした“あのクルマ”との関係は? 新しくなったCX-5に宿る、マツダの覚悟と変革に迫る。
-
「日産テラノ」がPHEVで復活 往年のビッグネームを継承するSUVの特徴を分析する 2026.5.28 日産自動車が「北京モーターショー2026」で、往年のビッグネームを継承する新型SUV「テラノPHEVコンセプト」を世界初公開した。初代「テラノ」で採用された「3スロット」を想起させる車両のデザインに加え、日産が新型テラノで狙うグローバル戦略に迫る。
-
まさしく桁違いの1169PS&2000N・m 新型「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」が搭載する数々の新機軸 2026.5.27 2025年発表のコンセプトカー「メルセデスAMG GT XX」が新型「メルセデスAMG GT 4ドアクーペ」として正式にデビューした。その中身は100%電気自動車であり、上位グレードは最高出力1169PSという途方もないスペックを誇る。技術的ハイライトを解説する。
-
NEW
レクサスES350h(FF/CVT)/ES350e(FWD)/ES500e(4WD)【海外試乗記】
2026.6.3試乗記「レクサスES」がフルモデルチェンジ。シャシーがFFベースというのは歴代モデルと同じだが、新型ではボディーサイズがググッと拡大。「LS」の6輪ミニバンコンセプトが登場したこともあり、今後のレクサスセダンの総代を担うことになる。北米で乗った印象をリポートする。 -
NEW
ミドシップ化で運動性能はどう変わる? 「GRヤリスMコンセプト」の現時点での完成度を体感
2026.6.3デイリーコラム「GRヤリス」をベースとしたミドシップ4WDとして市販化を目指す「GRヤリスMコンセプト」。現在もスーパー耐久に投入されるなどして鍛えられているが、その開発車両をドライブできた。普通のGRヤリスとの運動性能の違いや、新開発エンジンの印象などをリポートする。 -
NEW
第115回:メイク・アメリカ・グレート・アゲイン!(後編) ―デザインもサイズも規格外! 魅惑のアメリカ車はなぜ“主役”になれないのか?―
2026.6.3カーデザイン曼荼羅トヨタ&ホンダが発表した、米国生産車の日本導入計画。しかしアメリカには、規格外に面白いクルマがまだたくさんあるのだ! カーデザインの識者とともに魅惑の日本“未”導入車を探すとともに、魅力的なアメリカ車が、それでも主役になれない理由を考えた。 -
どうしてピアノブラックの内装材は多用されるのか?
2026.6.2あの多田哲哉のクルマQ&Aよく目にするピアノブラックの内装材は、「キズや脂汚れが目立つ」などネガティブな評価もしばしば。それでも多用されているのはなぜか? 車両開発者の多田哲哉さんに聞いてみた。 -
BSAゴールドスター650(5MT)【レビュー】
2026.6.2試乗記かつて一世を風靡(ふうび)した英国の名門、BSAが復活! 新生第1号モデルである「ゴールドスター650」は、クラシックで優雅なお散歩バイク……と思いきや、ツインカムの大排気量シングルで、ライディングも前のめりに楽しめるマシンに仕上がっていた。 -
レストモッドがイメージ 特別なオニツカタイガーの魅力に迫る
2026.6.1オニツカタイガーの新作ドライビングシューズを知る<AD>オニツカタイガーが、“レストモッド”と呼ばれるクルマのレストア&カスタム手法に着想を得たドライビングシューズを発表。4タイプ製作された、「MEXICO 66 DRIVING」のスペシャルバージョンの魅力に迫る。









