レクサスRX350“Fスポーツ”(4WD/8AT)/RX350h“ラグジュアリー”(4WD/CVT)/RX450h+“ラグジュアリー”(4WD/CVT)/RX500h“Fスポーツ パフォーマンス”(4WD/6AT)
まさに会心の出来 2022.09.10 試乗記 ラグジュアリーSUV市場の開拓者とうたわれる、レクサスのSUV「RX」。アメリカで試乗したその最新モデルは、穏やかな乗り味を継承しながらもドライバーズカーとしてより楽しめる、魅力的な一台に仕上がっていた。新たな性格も視野に開発
RXがレクサスの最重要モデルであることは、あらためて説明の必要はないだろう。現在ではSUVのラインナップは「NX」「UX」と拡大しており、これらが新型になれば、そのクルマがその年の最量販車種になる状況だというが、いずれにしてもこのRXこそがレクサスの販売をけん引する存在だと言っていいはずである。
通算5世代目となる今回の新型。乗る前に不安だったのは、特に走り、ドライバーとクルマとの対話性といった部分に注力したと強調されていたことだ。その象徴として新たにモーターとターボエンジンを組み合わせた新しいハイブリッドシステムを採用した「RX500h“Fスポーツ パフォーマンス”」も設定されている。
もちろん、最近のレクサスがここにリソースを注ぎ込み、目覚ましい成果を挙げていることは知っているが、独自の穏やかでゆったりとした走りというキャラクターも、RXが厚く支持されてきたひとつの要因のはず。そこが薄まっていたら……と、うっすら危惧していたわけだ。
ロー&ワイド&ハード
すでに国内でのお披露目で対面は果たしていたが、あらためて陽光の下で眺める新型RXは、均整のとれたプロポーションがまず力強さを感じさせた。全長は4890mmで先代と変わっていないが、全幅は25mm拡大されて1920mmに。トレッドは前が15mm、後ろは45mmも拡大されていて、ワイドなスタンスをつくり出している。ボディーとの境界線をグラデーション化したグリルを持つフロント、テールランプを左右連結させたリアのデザインも、やはりロー&ワイドな印象を強調するものといえる。
ホイールベースは60mm延長された。これはリアオーバーハングが切り詰められたかたちだ。真横から見ると、Aピラーの基部がキャビン側に寄せられたこともありノーズの長さが強調される一方、短縮されたリアは軽快な印象となっている。見るからにスポーティーな体格となったが、先代から継承したフローティングピラーなどのディテールにより、ちゃんとRXに見えるデザインとなっている。
その中身、走りの素性ともいうべき部分は徹底的に磨き上げられている。プラットフォームはNXと同じ「GA-K」だが、リアサスペンションには新開発のマルチリンク式を採用しており、それに合わせてリア部分が刷新されて、サスペンションからの入力をしっかりと支える高い剛性が確保された。
NXではモデルベース開発で基礎部分を鍛え上げるも、下山テストコースでの走り込みを通じて、足りない部分が浮き彫りになりパッチがあてられるなど、結局は従来の手法が併用されることとなった。RXの開発にあたってはその知見も活用し、さらに高効率にボディーの設計ができたようである。
「これぞRX」の乗り味
パワートレインは4種類。ハイブリッドは従来の3.5リッターV型6気筒エンジンと電気モーターを組み合わせた「RX450h」から、2.5リッター直列4気筒エンジン+電気モーターの「RX350h」、このプラグインハイブリッド版である「RX450h+」、さらに新開発の2.4リッター直列4気筒ターボエンジン+6段AT+1モーターにリアの「eAxle」を組み合わせる「RX500h“Fスポーツ パフォーマンス”」の3つに分かれた。ガソリンエンジン車は2.4リッターターボの「RX350」という設定だ。
最初に乗ったのはRX450h+。NXに続いて電磁スイッチ式の「eラッチ」が採用されたドアを軽いタッチで開いて、視界の良いドライバーズシートに腰を下ろす。そうして発進して駐車場を出てすぐ訪れたのは安堵(あんど)にも似た気持ちだった。
冒頭に記したとおり、危惧していたのは乗り味がスポーティー方向に振られ過ぎてはいないかということだったのだが、RX450h+はむしろ、路面からの入力をサスペンションがしなやかにストロークして穏やかにいなす、これぞRXという乗り味に仕立てられていたのである。
しかも単にソフトなわけではなく、姿勢は常にフラット。決して舗装状態の良いとはいえないLAから101 Northを北上する道のりも、疲れ知らずで快適に走っていける。中立位置での据わりのしっかりとしたステアリングも好印象。正直、期待以上だった。
エンジンが直列4気筒となったハイブリッドシステムも、結果として不満に思うことはなかった。高い静粛性も貢献しているに違いないが、特にPHEVの場合は電気モーター容量が大きく、それだけ通常走行時にも積極的にモーターの助けを借りることができる。それが走りの質に効いているわけだ。
もっとも、その後に乗り換えたRX350hでも、従来のRX450hと比べてガッカリ……という仕上がりにはなっていなかった。ハイブリッドシステム自体の進化で、アクセル操作に対する反応がよりリニアになっているのだろう。走りっぷりは十分、満足のいく仕上がりとなっていた。
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新たなドライビングプレジャーがある
注目のRX500h“Fスポーツ パフォーマンス”は、システム最高出力371PS、最大トルク551N・mというスペック。ドライバーの意に沿うレスポンスと加速感が、気持ちいいドライブに誘ってくれた。エンジン単体でもパワーは274PSあり、しかもそれを電気モーターがアシストする。動力分配機構を持つTHS IIよりもアクセル操作に対する反応がダイレクトで、エンジンの吹け上がりも楽しめる。
トランスミッションが6段ATと聞いて物足りなく思う方もいると思うが、各ギアの受け持つ範囲が広いのでエンジンの伸びが楽しめるし、変速時には電気モーターのおかげでトルクの谷を感じることもない。
しかもリアのeAxleを活用して前後駆動力配分を自在に変化させるDIRECT4、前後の制動力配分を可変としたブレーキ、さらに後輪操舵機構のDRSのおかげで、コーナリングも軽快。鼻先の重さを意識させないターンイン、コーナー立ち上がりでのリアから押し出すような加速感は、まさにその恩恵だろう。電気モーターのうまみをうまく活用して、新しいドライビングプレジャーがしっかり具現されているのだ。
最後に乗ったのがRX350。RX500hのあとでは物足りないかと思いきや、動力性能は十分以上だし、何より走りのすべてが軽快。乗り心地、静粛性など上質感も申し分なく、これまた賢いチョイスになりそうだと感じられた。
2021年に登場したNXが走りだけでなく運転支援技術、インフォテインメント等々、あらゆる面で最先端のものを盛り込んでいただけに、RXにはさほど新鮮さを感じられないかもしれない……なんてことは、まったくなかった。クルマとの対話を楽しめるドライバーズカーとしての大きな進化を遂げる一方で、長年かけて築いてきたRXらしさを継承、いやしっかり進化させてきた新型RXの走りは、まさに会心の出来。これまでのファンにも、これまで見向きもしなかった人にもアピールできるのではないだろうか。
(文=島下泰久/写真=トヨタ自動車/編集=関 顕也)
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テスト車のデータ
レクサスRX350“Fスポーツ”
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4890×1920×1695mm
ホイールベース:2850mm
車重:--kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.4リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:8段AT
最高出力:279PS(205kW)/--rpm
最大トルク:430N・m(43.8kgf・m)/1700-3600rpm
タイヤ:(前)235/50R21/(後)235/50R21(グッドイヤー・イーグルツーリング)
燃費:24mpg(約10.2km/リッター、社内測定値)
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
※ボディーサイズとホイールベース、パワーユニットのアウトプットは欧州仕様車の参考値。
テスト車の年式:2022年型
テスト開始時の走行距離:--km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:---km/リッター
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レクサスRX350h“ラグジュアリー”
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4890×1920×1695mm
ホイールベース:2850mm
車重:--kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.5リッター直4 DOHC 16バルブ
モーター:交流同期電動機
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:190PS(140kW)/--rpm
エンジン最大トルク:239N・m(24.3kgf・m)/4300-4500rpm
フロントモーター最高出力:182PS(134kW)
フロントモーター最大トルク:270N・m(27.5kgf・m)
リアモーター最高出力:54PS(40kW)
リアモーター最大トルク:121N・m(12.3kgf・m)
システム最高出力:250PS(184kW)
タイヤ:(前)235/50R21/(後)235/50R21(グッドイヤー・イーグルツーリング)
燃費:33mpg(約14.0km/リッター、社内測定値)
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
※ボディーサイズとホイールベース、パワーユニットのアウトプットは欧州仕様車の参考値。
テスト車の年式:2022年型
テスト開始時の走行距離:--km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:---km/リッター
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レクサスRX450h+“ラグジュアリー”
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4890×1920×1695mm
ホイールベース:2850mm
車重:--kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.5リッター直4 DOHC 16バルブ
フロントモーター:交流同期電動機
リアモーター:交流同期電動機
トランスミッション:CVT
エンジン最高出力:185PS(136kW)/--rpm
エンジン最大トルク:227N・m(23.1kgf・m)/3200-3700rpm
フロントモーター最高出力:182PS(134kW)
フロントモーター最大トルク:270N・m(27.5kgf・m)
リアモーター最高出力:54PS(40kW)
リアモーター最大トルク:121N・m(12.3kgf・m)
システム最高出力:309PS(227kW)
タイヤ:(前)235/50R21/(後)235/50R21(ブリヂストン・アレンザ001 )
燃費:--km/リッター
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
※ボディーサイズとホイールベース、パワーユニットのアウトプットは欧州仕様車の参考値。
テスト車の年式:2022年型
テスト開始時の走行距離:--km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:---km/リッター
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レクサスRX500h“Fスポーツ パフォーマンス”
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4890×1920×1695mm
ホイールベース:2850mm
車重:--kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.4リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
モーター:交流同期電動機
トランスミッション:6段AT
エンジン最高出力:272PS(200kW)/--rpm
エンジン最大トルク:460N・m(46.9kgf・m)/2000-3000rpm
フロントモーター最高出力:87PS(64kW)
フロントモーター最大トルク:292N・m(29.8kgf・m)
リアモーター最高出力:103PS(76kW)
リアモーター最大トルク:169N・m(17.2kgf・m)
システム最高出力:371PS(273kW)
タイヤ:(前)235/50R21/(後)235/50R21(ミシュラン・パイロットスポーツSUV)
燃費:26mpg(約11.1km/リッター、社内測定値)
価格:--円/テスト車=--円
オプション装備:--
※ボディーサイズとホイールベース、パワーユニットのアウトプットは欧州車の参考値。
テスト車の年式:2022年型
テスト開始時の走行距離:--km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:---km/リッター

島下 泰久
モータージャーナリスト。乗って、書いて、最近ではしゃべる機会も激増中。『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)、『クルマの未来で日本はどう戦うのか?』(星海社)など著書多数。YouTubeチャンネル『RIDE NOW』主宰。所有(する不動)車は「ホンダ・ビート」「スバル・サンバー」など。
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