日産フェアレディZ NISMO(前編)
2024.02.29 谷口信輝の新車試乗 最新世代の「日産フェアレディZ」に追加設定された、高性能バージョン「フェアレディZ NISMO」。現在なかなか手に入らないマニア垂涎(すいぜん)のスペシャルモデル、その走りをレーシングドライバー谷口信輝はどのように評価する?至極のパーツが山盛りだが……
フェアレディZを前にして、谷口信輝の表情はまたしてもさえなかった。
いや、およそ1年前に試乗したのは同じフェアレディZでも「バージョンST」という、いわばスタンダードなモデルだったのに対して、今回はシリーズのフラッグシップに相当するNISMOを持ち込んだ。したがって、NISMO専用チューニングが施されたVR30DDTTエンジンはノーマル+15PSの最高出力420PSを発生。足まわりにしても、サスペンションは言うにおよばず、ブレーキ、ホイール、タイヤに至るまで、このモデルのために開発されたものばかり。しかも、それらはすべて“走り”を磨き上げるために選ばれた至宝のようなパーツぞろいなのだ。なによりも“走り”を愛する谷口にとって、これ以上のものはない“究極のZ”と言っても過言ではなかろう。
「いや、エンジンはすごくいいですよ」
谷口はなにかを必死に思い出すかのようにして、そう語り始めた。
「エンジンのピックアップとか、それによってもたらされる加速感とかはすごく速くて、もう素直に褒めたくなります。心地いい加速感と言ってもいいかもしれません」
では、いったいなにが気になったのか?
「撮影ポイントの先でUターンするとき、まずブレーキを踏んで減速して、そこからステアリングを切って向きを変えるわけですが、このブレーキペダルを踏んで、そして戻してという動作に伴って上下するノーズの動き方に、どこか、自分のイメージとのズレがあるんです」
これはかなり込み入った話に違いない。もう少し具体的に、谷口に説明してもらうことにしよう。
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