ホンダ・アコードe:HEV Honda SENSING 360+(FF)

日々の移動にハイテクを 2025.10.10 試乗記 佐野 弘宗 今や貴重な4ドアセダン「ホンダ・アコード」に、より高度な運転支援機能を備えた「Honda SENSING 360+」の搭載車が登場。注目のハンズオフ走行機能や車線変更支援機能の使用感はどのようなものか? 実際に公道で使って確かめた。
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

“360+”で追加されるもの

ホンダの先進運転支援システム(ADAS)といえば「ホンダセンシング」だが、そのなかでも、これまでの国内向け最上位システムは、アコードに搭載される「ホンダセンシング360」だった。“360”は標準のホンダセンシング比で、フロントウィンドウ内蔵カメラを広角化したほか、クルマの四隅にミリ波レーダーを追加することで、全方位の検知機能を強化。交差点などでの安全性を向上させたのが売りである。

で、そのアコードに今回、運転支援機能をさらに引き上げた「ホンダセンシング360+(プラス)」が搭載された。中国向けに続いての採用である。新しい“360+”搭載のアコードは、ホイールやドアミラー、内装、屋根のシャークフィンアンテナなどの色づかい(ただし、アンテナ色は車体色による)が差別化されるが、逆にいうと、見た目の差異はそれくらい。それ以外のクルマ本体の性能や機能にちがいはない。

従来の360に対して、360+で追加されるハードウエアは、全球測位衛星システム(GNSS)アンテナと高精度3D地図を追加した地図ECU、よそ見や居眠りを防止するドライバーモニタリングカメラ、そしてステアリングホイールのLEDインジケーターなどだ。これらによって実現する360+ならではの新機能は、高速道路や自動車専用道路での「ハンズオフ機能付き高度車線内運転支援機能」「レコメンド型車線変更支援機能(追い越し支援/分岐退出支援)」「カーブ路外逸脱早期警報」、そして「ドライバー異常時対応システム」「降車時車両接近警報」である。

ちなみに、“プラスなし”のホンダセンシング360版のアコードも継続併売となり、その価格差は約40万円。前記のように、クルマ本体には事実上の差はないので、これら360+の新機能に40万円の価値が認められるかどうか……が分かれめということだ。

2025年5月の改良で「アコード」に加わった新グレード「e:HEV Honda SENSING 360+」。日本での販売車種として初めて「ホンダセンシング360+」が採用された。
2025年5月の改良で「アコード」に加わった新グレード「e:HEV Honda SENSING 360+」。日本での販売車種として初めて「ホンダセンシング360+」が採用された。拡大
インテリアでは「ホンダセンシング360+」の搭載に合わせ、運転席まわりにインジケーターを追加。これが緑や青、オレンジに光ることで、ADASの状態やハンズオフの可否をドライバーに知らせる。
インテリアでは「ホンダセンシング360+」の搭載に合わせ、運転席まわりにインジケーターを追加。これが緑や青、オレンジに光ることで、ADASの状態やハンズオフの可否をドライバーに知らせる。拡大
シート表皮には既存のグレードと同じく本革を採用。ルーフライニングやピラーまでブラックで統一したブラック内装と、ホワイトレザーを用いたホワイト内装(写真)は、「e:HEV Honda SENSING 360+」だけに用意される専用の仕立てだ。
シート表皮には既存のグレードと同じく本革を採用。ルーフライニングやピラーまでブラックで統一したブラック内装と、ホワイトレザーを用いたホワイト内装(写真)は、「e:HEV Honda SENSING 360+」だけに用意される専用の仕立てだ。拡大
従来の「アコード」との外装における差異化は限定的で、ブラックのドアミラーやベルリナブラックの専用アルミホイールで、それとわかる程度。車体色が「イグナイトレッド・メタリック」「キャニオンリバーブルー・メタリック」の場合は、シャークフィンアンテナの色もブラックとなる。
従来の「アコード」との外装における差異化は限定的で、ブラックのドアミラーやベルリナブラックの専用アルミホイールで、それとわかる程度。車体色が「イグナイトレッド・メタリック」「キャニオンリバーブルー・メタリック」の場合は、シャークフィンアンテナの色もブラックとなる。拡大