ロイヤルエンフィールド・ハンター350(5MT)

上質なスタンダード 2025.11.25 試乗記 小林 ゆき インドの巨人、ロイヤルエンフィールドの中型ロードスポーツ「ハンター350」に試乗。足まわりにドライブトレイン、インターフェイス類……と、各所に改良が加えられた王道のネイキッドは、ベーシックでありながら上質さも感じさせる一台に進化を遂げていた。
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モーターサイクルの基本形

結論から言うならば「ザ・スタンダード」。改良を受けたロイヤルエンフィールドのハンター350は、実に王道の、それでいてシンプルでスタンダードなモーターサイクルだった。

世界最古のモーターサイクルブランドであるロイヤルエンフィールドは、近年、最新技術を取り入れたモデルを次々に発表し、世界中にファンを増やしている。しかし、そのデザインとライディングフィールのエッセンスは、長年の伝統を踏襲した確固たるトラディショナルさを保っている。このハンター350も、デザインこそややオフロード寄りの雰囲気を漂わせているが、エンジンフィーリングからハンドリングまで、きわめてベーシックだ。

シート高は790mmと標準的。取り回しのしやすいハンドル位置や181kgという車両重量もあって、身長160cmの筆者には、気負うところのないとっつきのよいバイクだと感じられる。サスペンションは体重50kgの筆者にはやや硬く、1Gでの沈み込みが少ないせいか、足つきは「片足で母指球がしっかりつく」といったところ。しかし、シートは前方がすぼまったデザインで足もとも適度に絞られているため、同カテゴリーのライバル車「ホンダGB350」よりは、バイクを支えやすく感じられた。

空冷4ストロークSOHC 2バルブの単気筒エンジンは、レトロでアナログな雰囲気の丸いスイッチキューブを回すと、ストトトト……と静かに始動する。

丸い灯火類に涙滴型の燃料タンクと、トラディショナルな装いが魅力の「ロイヤルエンフィールド・ハンター350」。日本導入から2年を経て、2025年5月に一部改良が加えられた(受注開始は同年8月)。
丸い灯火類に涙滴型の燃料タンクと、トラディショナルな装いが魅力の「ロイヤルエンフィールド・ハンター350」。日本導入から2年を経て、2025年5月に一部改良が加えられた(受注開始は同年8月)。拡大
排気量349ccの空冷単気筒SOHCエンジン。力強いトルク特性とレスポンスのよさ、スムーズな回転フィールが特徴で、適度にビートの利いたエキゾーストサウンドも心地いい。
排気量349ccの空冷単気筒SOHCエンジン。力強いトルク特性とレスポンスのよさ、スムーズな回転フィールが特徴で、適度にビートの利いたエキゾーストサウンドも心地いい。拡大
快適性を高めるべく改良が加えられたシート。グリップとシート、ステップの3点で構成されるライディングポジションも見直され、ライダーの負荷の軽減が図られた。
快適性を高めるべく改良が加えられたシート。グリップとシート、ステップの3点で構成されるライディングポジションも見直され、ライダーの負荷の軽減が図られた。拡大