電気自動車の中古相場はどうなっている? いま狙い目のユーズドEV 5選
2026.02.02 デイリーコラムEVライフを試すには好機
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会によれば、2025年に国内で販売されたEV(の乗用車)は6万0677台。これは新車販売全体の1.6%にすぎないが、初代「日産リーフ」が出てから15年経過した今、「国内で流通しているEVの中古車はきわめて割安」で、「海外への流出件数も多い」といわれている。
ならば、充電設備の混雑もない本格的な普及前夜の今、割安な中古車を存分に活用しながらのEVライフは、実はけっこうアリなのではないか?
もしもEVの本格的な普及が始まるとしたら、その際には「製造に必要な銅はどう確保する?」「集合住宅の充電設備はどうするのだ?」等々の具体的かつシビアな問題を解決しなければならない。だが現段階であれば、「取りあえずの実験」というか「趣味の一環」という気軽なニュアンスで、EVという乗り物を私物として使ってみるのも悪くない話であるはずなのだ。
そして「物は試しで」というノリでEVを生活のなかに導入するのであれば、購入すべきは高額な新車ではなく、低走行物件でも思いのほか安価な「中古車」こそがベストなのではないかと思う。
となると今、「思いのほか安価で、それでいて乗り物としての面白みも十分な中古EV」にはどんなモノがあるのだろうか? その条件に該当しそうなモデルを5車種ほどピックアップしてみよう。
ボルボC40リチャージ(約300万円~)/EX30(約370万円~)
日本では2022年1月に販売開始となった、ボルボブランド初のEV専用モデル。ボディー形状は、よりボクシーなフォルムだった「XC40」をクーペライクにしたような成り立ちで、ボディーサイズは全長×全幅×全高=4440×1875×1650mm。手ごろなプライスの中古車が多いのは前後の車軸に各1基のモーターを搭載する4WDの初期グレード「C40リチャージ ツイン」で、そのシステム最高出力は408PS。そしてWLTPモードによる一充電走行距離は最長485kmとなる。
新車時の国内価格は719万円で、各種補助金を加味したとしても、安価なクルマとは言い難かった。だが2026年1月下旬現在、走行せいぜい1万km台のC40リチャージ ツインは、中古車支払総額(※以下同様)としては300万円程度から検討可能。「お試し」としては、なかなか悪くないチョイスであるように思える。
最長485kmという一充電走行距離を「短すぎる」と感じる場合には、2023年10月に登場した「EX30」を選ぶべきかも。こちらのボディーサイズは全長×全幅×全高=4235×1875×1550mmと、C40リチャージと比べて若干小ぶりにはなるが、初期に導入された「EX30ウルトラ シングルモーター エクステンデッドレンジ」の一充電走行距離は560km(WLTCモード)。モーターの最高出力は272PSと若干控えめではあるが、それでも、その気になれば相当速い。こちらの低走行中古車は総額370万円からが目安となる。
メルセデス・ベンツEQS(約640万円~)/EQB250(約390万円~)
絶対的な金額が安いわけではないが、「新車価格から考えると激安」といえるのが「メルセデス・ベンツEQS」の前期型だ。
こちらは2022年9月に上陸したメルセデスの電動高級サルーンで、メルセデス初のEV専用プラットフォームをベースとするモデルでもある。ボディーサイズは全長×全幅×全高=5225×1925×1520mmという堂々たるもので、中古車市場における中心グレードである「EQS450+」は、リアアクスルに最高出力333PSの電動パワートレイン(eATS)を搭載。一充電走行距離はWLTCモードで700kmだ。
これの、2024年11月以降の改良型(後期型)はさすがに中古車支払総額950万円以上となる場合がほとんどだが、改良前の前期型であれば、総額640万円程度から走行1万km台の個体を見つけることができる。
もちろん640万円というのは「640万円程度」と気軽にいうべき金額ではないが、それでも、EQS450+前期型の1578万円という新車時価格から考えれば「激安!」である。
とはいえ総額640万円というのは、「物は試し」で入手するクルマの価格としては高すぎるかもしれない。そう考える場合には、総額390万円程度から走行1万km台の物件が見つけられる2023年式付近の「メルセデス・ベンツEQB250」が狙い目だろうか。これまたマイナーチェンジ前の前期型ではあるが、WLTCモードの一充電走行距離は520kmとまずまず。そして3列目シートはかなり狭いわけだが、3列目については「そもそも座席はない」ものと考え、「あくまでも荷室」として使うと割り切れば、特に問題はない。
日産リーフの先代モデル(約85万円~)
ここまでにピックアップした各EVは、メルセデス・ベンツEQSを除けば「お試しに最適なお手ごろモデル」といえるが、それでも総額300万円台というのは、冷静に考えれば少々高すぎるのかもしれない。
ならば、総額85万円程度の予算からまずまず悪くない中古車が狙えてしまう先代「日産リーフ」はどうだろうか?
2017年10月に発売された先代(2代目)リーフは、一充電走行距離を初代の280kmから400km(いずれもJC08モード)へと大きくジャンプアップさせた一台。初期モデルに搭載されたモーターの最高出力は150PSだ。
2代目リーフではその後、WLTCモードでの一充電走行距離を458kmにまで延ばした「リーフe+(イープラス)」が2019年1月に追加されているので、こちらの中古車を総額160万円~のイメージで狙ってみるのも、もちろん悪くない。だが「お試しEVライフ」としては、総額85万円とか90万円ぐらいで買える前期型にて、取りあえず「EVがある暮らし」ってやつを実際に体験してみるのがいいのではないかと思うのだが、いかがだろうか。
(文=玉川ニコ/写真=ボルボ・カー・ジャパン、メルセデス・ベンツ日本、日産自動車、webCG/編集=関 顕也)

玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
-
新型「パジェロ」も該当 タイ生産にはどんなメリットがあるのか?NEW 2026.9.16 国内メーカーが取り扱うタイ生産車のラインナップが増えている。話題の新型「三菱パジェロ」も同様だ。東南アジアに限ったとしてもさまざまな国が存在するなかで、多くのメーカーがタイを拠点とするのはなぜなのか。そのメリットを解説する。
-
これが日産復活の切り札! いいクルマを速くつくる「ファミリー戦略」とは何か? 2026.9.14 日産が車両開発の新たな重要施策にかかげる「ファミリー戦略」とは何か? 従来のクルマづくりとはどこが異なり、われわれユーザーはどんな恩恵を受けるのか。その内容を識者が分かりやすく解説する。
-
徹底比較! 新型三菱パジェロ VS. トヨタ・ランドクルーザー 2026.9.11 いよいよ登場した新型「三菱パジェロ」。日本での公道デビューはもう少し先となるが、現状で公開されている情報から読み取れることはなにか? クロカン界の王者「トヨタ・ランドクルーザー“250”/“300”」との比較を通し、その実像に迫る。
-
1年目の通知表 新型「ホンダ・プレリュード」の販売実績は想定どおり? 2026.9.10 ホンダが新型「プレリュード」を発売してから1年。デビュー1周年記念モデルともいうべき特別仕様車「2027リミテッドエディション」も登場した。現在までの販売実績を確認しながら、その人気や評判を探ってみた。
-
「レガシィ」登場からブーム到来、そして終焉へ 国産ステーションワゴン興亡史(後編) 2026.9.9 国産ステーションワゴン興亡史の後編。国産ワゴンの金字塔「スバル・レガシィ ツーリングワゴン」が1989年にデビューしたものの、やがて市場の人気はミニバンに流れ、退潮傾向が鮮明に。各社とも個性的なモデルの投入で最後の踏ん張りを見せるのだが……。
-
NEW
マツダ・ロードスターPS/ロードスターS/ロードスターRF VS【試乗記】
2026.9.15試乗記デビュー以来、不断の進化を続ける「マツダ・ロードスター」。2026年の改良は、“走り”の特別仕様車「PS」の設定が話題だが、試乗すると、ほかにも多くの変化が見てとれた。日本を代表するライトウェイトオープンスポーツの、最新モデルの仕上がりを報告する。 -
NEW
自動パーキングシステムの駐車作業は、人間が行うよりも速く正確になりうるか?
2026.9.15あの多田哲哉のクルマQ&A一部のクルマに採用されている自動駐車システムは、便利そうだが駐車に時間がかかる印象がある。それも、いつかは人間が駐車するより速く正確になるだろうか? 元トヨタの多田哲哉さんに見解を聞いた。 -
第344回:アンパンマンよりばいきんまん
2026.9.14カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。メルセデス・ベンツの新型「CLAシューティングブレーク」が気になってしかたがない。理由はその特徴的なフロントフェイス。左右の目玉(ヘッドランプ)がつながったデザインがたまらない。果たして実車の印象は? -
スズキ・ジムニー ノマドFC(4WD/5MT)【試乗記】
2026.9.14試乗記「スズキ・ジムニー ノマド」でロングドライブ。本格クロカンとして悪路での走りに定評あるジムニーの5ドア・ロングボディー版は、カジュアルなSUVとしても使えるのか。多くの人が多くの時間を過ごすであろうオンロードにおける日常的シーンで、その実力を確かめた。 -
これが日産復活の切り札! いいクルマを速くつくる「ファミリー戦略」とは何か?
2026.9.14デイリーコラム日産が車両開発の新たな重要施策にかかげる「ファミリー戦略」とは何か? 従来のクルマづくりとはどこが異なり、われわれユーザーはどんな恩恵を受けるのか。その内容を識者が分かりやすく解説する。 -
日産リーフB7 G(後編)
2026.9.13ミスター・スバル 辰己英治の目利きミスター・スバルこと辰己英治さんが、電気自動車(EV)の3代目「日産リーフ」に試乗。日産が擁する最新EVの○と×とは? これからのEVは、どのようなクルマを目指すべきなのか? 15年の歴史を持つEVの走りに触れ、自動車の未来について考えてみた。







































