カッコインサイト! スタイリッシュになった新型「ホンダ・インサイト」は買いなのか?
2026.03.23 デイリーコラムデザインは結構いいけれど……?
「プレリュード」に続いて「インサイト」が復活する!
初代インサイトは、実用性を無視した燃費スーパーカーで、歴史的な珍名車だったが、今度のインサイトは中国製のEVだ。2シーターだった初代インサイトとは違って定員は5人で、室内はごく普通のSUV的に広く、実用性は十分である。
デザインは、ひとことで言えば「キラキラした『ヴェゼル』のお姉さま」か。直線的なラインは都会的でクリーンで、ホンダらしいと感じさせる。
ホンダのSUVラインナップのなかで、ヴェゼルは圧倒的な売れ筋(国内で)となっている。それはヴェゼルが、ホンダらしい都会的なデザインをまとっているから、という要素が大きいんじゃないか(私見です)? 日本人はホンダのSUVに、ヴェゼルみたいなオシャレなセンスを望んでいる(たぶん)。「ZR-V」や「CR-V」や「WR-V」よりもヴェゼルがいいのだ!
その流れからいくと、新型インサイトのデザインは、結構アリではないかと思える。
といっても、クルマはデザインだけで売れるわけじゃない。いわんやEVをや。EVっていうだけで、現状は厳しい。
しかもホンダは、EVに関して悪いニュースが大々的に流れたばっかりだ。ホンダはEV化への傾斜にいったんストップをかけたわけで、そういう状況であえて、ホンダの中国製EV(現地名は「e:NS2」)を買うという消費行動は、「どうしてもコレが欲しい!」という強い意志が必要だろうと推察される。
ホンダもそのへんはよくわかっているのか、インサイトの国内販売台数は、限定3000台となっている。いや、「3000台も売れないんじゃないか」という厳しい声もある。
e:NS2は、中国では中国製EVに押されまくり、販売が芳しくないが、国内でも同様かもしれない。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
本気で売りにかからないと!
国内におけるEVの販売状況は厳しいが、そんななか、トヨタの「bZ4X」が、マイナーチェンジ以来、快走を続けている。2026年2月の販売台数は2000台を上回った。トヨタが、その分厚い販売ネットワークを挙げて、本気で売りにかかっているからである。トヨタ恐るべし。
新型インサイトは、そのbZ4Xと比べてどうなのか?
デザイン的には、インサイトのほうが長くて低く、スポーティーなシルエットだが、ボディーサイズは同クラスだ。
モーター出力は、bZ4X(FF)で124kW(約169PS)。インサイト(e:NS2)は150kW(約204PS)とやや上回るが、実用上は互角といっていいだろう。
続いて、EVのキモであるバッテリー容量と航続距離を比べてみよう。
bZ4Xの「Z」グレード(FF)は、74.69kWh(「G」グレードは57.72kWh)。航続距離(WLTCモード)は746kmとなっている。
一方インサイト(FFのみ)はというと、あくまで中国(e:NS2)のデータだが、68.8kWhのバッテリーを積み、中国CLTCモードの航続距離が545km。日本仕様のWLTCモードは、執筆時点では発表されていないが、500kmくらいになりそうだ。
最後に価格だ。bZ4Xは、このようになっている。
- G(FF):480万円
- Z(FF):550万円
- Z(4WD):600万円
対するインサイトの国内価格は未発表だが、うわさでは、bZ4XのZ(FF)と同じ550万円になる……らしい。あくまでうわさですが。
ぶっちゃけ、インサイトとbZ4XのZ(FF)を比べると、インサイトは航続距離でかなり劣りそうだ。つまり、インサイトのウリはやっぱりデザイン、ということにならざるを得ない。
正直なところ、ホンダの販売ネットワークが全力を挙げて売りにかからないと、3000台の完売は難しい気もするが、デザインはいいと思いますよ! なにしろヴェゼルのキラキラしたお姉さまですから。
(文=清水草一/写真=本田技研工業、トヨタ自動車、webCG/編集=関 顕也)
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
-
世界遺産・高野山で大型電動バス「BYD K8」の営業運行がスタート その狙いとは?NEW 2026.5.7 和歌山の南海りんかんバスが、世界遺産・高野山でBYDの大型電動バス「K8」の運行を開始した。現地にPHEV「BYDシーライオン6」で向かい、実際に高野山を巡るルートで電動バスに乗車しながら観光地における電動バスの役割を考えた。
-
バンコクモーターショー訪問記 「ランドクルーザー“FJ”」目当てに出かけた先で起きた大事件 2026.5.6 年に2度開催され、毎回盛況のバンコクモーターショーをライターの工藤貴宏が訪問。お目当てはついに正式発表&発売の「トヨタ・ランドクルーザー“FJ”」だったのだが、現地では数十年ぶりとなる大事件が起きていた。会場の様子とともにリポートする。
-
業績不振は想定内!? 名門ポルシェはこの先どうなってしまうのか? 2026.5.4 2025年から思わしくない業績が続くポルシェ。BEVの不振やMRモデルの販売終了などがその一因といわれるが……。果たして、名門に未来はあるのか? 事情をよく知る西川 淳が、現状と今後の見通しについて解説する。
-
世紀の英断か 狂気の博打か 「日産サクラ」の値下げに踏み切った日産の決断を考える 2026.5.1 日産の軽乗用電気自動車「サクラ」が、180kmの航続距離はそのままに値下げを断行! デビューから4年がたつというのに、性能はそのままで大丈夫? お手ごろ価格というだけでお客は戻ってくるのか? 電気自動車のパイオニアが下した、決断の成否を考える。
-
BMWの新世代BEV「i3」の姿からエンジン搭載の次期「3シリーズ」を予想する 2026.4.30 「iX3」に続き、完全な電気自動車として登場した新型「i3」。BMWはノイエクラッセをプロジェクトの御旗に電動化を推進しているが、同社の伝統たる内燃機関搭載車「3シリーズ」のゆくえやいかに。 i3の成り立ちからその姿を予想する。
-
NEW
ジープ・アベンジャー4xeハイブリッド アップランド(4WD/6AT)【試乗記】
2026.5.6試乗記ジープのなかでも最も小柄な「アベンジャー」に、4WDのマイルドハイブリッド車「4xe」が登場。頼りになるリアモーターと高度なマルチリンク式リアサスペンションを備えた新顔は、いかなる走りを見せるのか? 悪路以外でも感じられる、その恩恵を報告する。 -
NEW
第111回:新型BMW i3(後編) ―BMWの挑戦が浮き彫りにした、BEVセダンのデザイン的課題―
2026.5.6カーデザイン曼荼羅BMWが発表した新型「i3」は、スポーツセダンの世界的ベンチマーク「3シリーズ」の電気自動車(BEV)版ともいうべきモデルだ。彼らが思い描く、BEV時代のセダンの在り方とは? そこから浮かび上がる、未来のセダンの課題とは? カーデザインの識者と考えた。 -
NEW
バンコクモーターショー訪問記 「ランドクルーザー“FJ”」目当てに出かけた先で起きた大事件
2026.5.6デイリーコラム年に2度開催され、毎回盛況のバンコクモーターショーをライターの工藤貴宏が訪問。お目当てはついに正式発表&発売の「トヨタ・ランドクルーザー“FJ”」だったのだが、現地では数十年ぶりとなる大事件が起きていた。会場の様子とともにリポートする。 -
アルファ・ロメオ・ジュニア エレットリカ プレミアム(FWD)【試乗記】
2026.5.5試乗記アルファ・ロメオのコンパクトSUV「ジュニア」にラインナップする電気自動車「ジュニア エレットリカ プレミアム」に試乗。1973年型の「GT1600ジュニア」を所有していたかつてのアルフィスタは、最新のフル電動アルファに触れ、何を感じたのか。 -
“ウインカーのカチカチ音”は、どんな理由で決められているのか?
2026.5.5あの多田哲哉のクルマQ&Aウインカー(方向指示器)を使う際の作動音は、どんなクルマでも耳にする一方、よく聞くとブランドや車種によって差異がある。一体どんな根拠で選定されているのか、元トヨタのエンジニア、多田哲哉さんに聞いた。 -
トヨタGRヤリス/GRカローラ/GRヤリスMORIZO RR プロトタイプ【試乗記】
2026.5.4試乗記進化を続ける「トヨタGRヤリス」と「GRカローラ」の、最新バージョンに試乗。硬派な4WDスポーツならではの、サスペンションチューニングの難しさを知るとともに、100台の限定モデル「GRヤリスMORIZO RR」に、そのひとつの回答を見いだすことができた。






































