ボルボS80 2.5T SE(FF/6AT)/V70 2.5T R-DESIGN(FF/6AT)【試乗記】
“わかるひと”限定車 2009.06.18 試乗記 ボルボS80 2.5T SE(FF/6AT)/V70 2.5T R-DESIGN(FF/6AT)……579.0万円/544.0万円
ボルボの主力ワゴンとセダンに、特別仕様車が登場! はたして台数限定のニューモデルは“買い”なのか、『webCG』のコンドーと関がチェックしてみた。
つつましく、主張いたします
関(以下「せ」):初夏の峠の試乗会。最高です。役得役得。
コンドー(以下「コ」):天気もいいしな。で、クルマは何? オープンのスポーツカーなら、さらにいいんやけど。
せ:ボルボのセダン、「S80」です!
コ:……そうくるとは思わへんかった。S80ってまだ売ってるんやったっけ?
せ:デビューしてまだ3年ですよ!? さすが、インポーターも「まるで存在感なし」と言っちゃうほどのマイナーっぷり。でも、中国じゃ大人気で、ロングバージョンまであるのになぁ。
コ:ここ、日本やから。……貴重なレア車ってまとめでどうやろか?
せ:第一印象はジミかもしれないけれど、存在感だの、押し出し感だの、こわもてのクルマが増えるなか、大人の雰囲気をもつ貴重なクルマだと思いますよ。
コ:通好みやねんな。クルマに興味はあるけどクルマ好きとは思われたくない、そんな“わかってるひと”向き。
せ:塗装もジミかもしれないけれど、よく見れば、荒めのフレークがキラキラしてたり。つつましくも主張する、和風な美的センスでしょうか?
コ:そんなジミジミ言うほどやないて。内装なんか、ところどころにアルミパーツ光らせてるしな。
せ:インストゥルメントパネルのデザインは、「新雪が降り積もった崖」がモチーフでしたよね。
コ:雪いうわりには、ここは黒一色やけどな。つつましくも、主張してほしいワ。黒っぽいスタートボタンが探しにくいねん。
せ:……ようやくエンジンかかったところで、いざ、ひとっパシリ!
コ:出足は余裕やね。これ、3.2リッターの直6やったっけ?
せ:この「2.5T SE」が積んでるのは、3.2リッター直6でも、4.4リッターV8でもない、ターボ付きの2.5リッター直5「B5254」ユニットです。
コ:じゃあラインナップの一番下ってことか。それにしては、よう走る! スペックなんて、あてにならんもんやね。
せ:ターボのはずなのに、スーパーチャージャーみたいな音がするし。
コ:5000rpmから「ニャーッ!」って鳴くな。ま、音なんかどうでもええやろ。
せ:それにこれ、弟分の「S40」に積まれてる「B5254」より、30psもデチューンされてるんです。
コ:引き換えに、燃費がよくなってんねんな。10・15モード燃費はS40が8.3km/リッターなのに、もっとボディが大きいこっちが8.6km/リッター。それって……やればできるんやん!
ガイシャのクラウン!?
せ:乗り心地、もっとゴツゴツしてるかと想像してましたが。路面の凹凸がまるでわからないくらい。ショックが無いのが、超ショック。
コ:ボディがゴツいのは、乗り心地とは関係ないねん。それに、ただ柔らかいだけやない。カーブでのロールは大きいけど、そこに怖さがまるでない。
せ:スペック的には速くないけれど、セッティングの妙で速く走れるわけですね。速いひとは、さらに速く!
コ:それなりのひとは、それなりに。ところで、さっきから聞こえてる、この「ぽぽぽっぽぽぽっ」って音、なに?
せ:車線逸脱の警告音(レーンデパーチャーウォーニング)ですよ。トヨタの高級車と違って、ステアリングを自動で切り戻したりはしないですけどね。
コ:車線ハミ出せへんかっても、「ぽぽぽぽぽ!」ていうで。うわっ、フロントウィンドウも真っ赤に光る。これだけ騒げば、誰でも起きる。
せ:今度のは、車間距離の警告です。ミリ波レーダーとデジタルカメラを併用してるスグレモノ。クルマ2台ぶんくらいの車間から、早め早めに鳴りますね。
コ:追突を軽減してくれる、自動ブレーキも!? けっこういろんなハイテク装備が付いてるやんか。乗り心地といい、いうなればガイシャのクラウンってとこやね。
せ:車内にいる人間の心拍をセンシングして、侵入者がいることを知らせる防犯機能なんて、まさに初耳のアイテムですよね!?
コ:なんや、テレビの通販番組みたいになってきた。
せ:さらに、25万円相当のクルーズコントロール。さらにさらに、15万円はするサンルーフも付いて、お値段たったの579万円。なのに、限定30台。これは急がないと。
コ:そんな気になってきたけど……でもホレ、ボルボ買うなら、やっぱりワゴンがイメージやん?
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楽に飛ばせる真っ赤なワゴン
せ:ワゴンの限定車も、しっかりご用意させていただきましたっ! それがこちら、「V70 2.5T R-DESIGN」です!
コ:アールデザインって、どこかで聞いたよな? たしか、C30/S40/V50、あとXC90にもあった、スペシャルバージョンやろ?
せ:アールは、リファインメントの頭文字。目指すところは、どちらも同じ。洗練されたデザインと走りです。
コ:真っ赤っかのボディに銀色のサイドミラー。なんか、アウディでも見たことあるような気がするけど。
せ:つつましくなく、主張してます。
コ:思いっきり派手やん! インテリアも、こっちは白黒ツートーンでこじゃれてる。シートの掛け心地がフカフカなんも気に入った。
せ:ツートーンは、背もたれや座面など、カラダが触れる部分は黒で、それ以外の場所が白。弟分のR-DESIGNと逆転してますが、こっちのほうがむしろ、汚れが目立たなくていいですね。
コ:荷室もデカい。ゴルフバックが10個くらい積めそうや。
せ:エンジンはさっきのS80と全く同じ2.5リッターターボなんですけど、こちらのマフラーはオリジナルの2本出し。
コ:ボボボボ……って音に迫力がある。S80と違て、正面切って主張してるけど、加速性能とかは、たしかに同じ感じやね。
せ:専用スポーツサスペンションのせいか、乗り心地はS80よりハッキリ硬いです。
コ:でも、これで世間並み(?)といったところ。スポーティグレードなのに、快適そのものや。これなら、同乗者から苦情の出ることもない!
せ:流してシットリ。大き目のロールを許す懐の深いコーナリングフォームで、飛ばしてもニッコリ。
コ:ウデに覚えのあるオヤジさんが、余裕を持って安心してトバせるワゴン。安全装備にばかり目がいってたけど、そんな足回りのセッティングも安全につながってることを実感できるな。
せ:走りの質まで通好みな感じですね!
コ:冗談じゃなく“貴重なレア車”なのかも……そんなん気にしてる“通”が、どれだけ日本におるかわからへんけどな。
せ:日本市場への割り当ては50台しかないから、あっという間に無くなりますよ。欲しいと思ったら、いますぐご注文を。
コ:せやから、テレビ通販やないねんて!
(文=webCG近藤俊&関顕也/写真=峰昌宏)

近藤 俊

関 顕也
webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。
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