第388回:ついに発表、新型「プリウス」!
もしやコイツは“美味いギョーザ戦略”なのかも?
2009.05.22
小沢コージの勢いまかせ!
第388回:ついに発表、新型「プリウス」!もしやコイツは“美味いギョーザ戦略”なのかも?
副社長のコメントの裏に……
ご無沙汰しております、小沢コージです。どこから手を付けていいかわからないくらいに言いたいことが溜まってますが、まずは今年最大(?)のネタ、新型「プリウス」から。
前フリが長かった感もありますが、ついに発表されましたね〜。注目はやはり価格で、ウワサどおり驚異の205万円スタート! ついでにトヨタ車としては初めて、全チャネルで販売されるとか。
ちまたでは「インサイト潰し」とか「他のトヨタ車が売れなくなって困る」という話もあるなか、発表会での豊田章男副社長のコメントを聞いて、ピンとくるものがありました。
曰く「これはエコカーではなく、エコシステムの構築なのだ」と。ようするに単なる商品の革命ということ以上に、これは環境の革命を意味していて、整備と普及が重要。さらにそのウラには、「クルマ界全体の危機なんだから、トヨタだ、ホンダだ言ってる場合ではない。全力を尽くしてハイブリッドの普及に努め、クルマ全体のバリューをアップするべし」って気持ちがあるんだろう、と思わされたわけです。
そして、この理想主義的判断こそが、創業者一族ならではなんだろうなぁと。普通、どんなにハイブリッドが効果的で意義があるってわかってても、官僚と同じで、社内政治に引っ張られてここまでできないはず。どこかでバランスを取ってしまいがちで、仮に俺が社長(笑)だとして、こんなことができるとはとても思いません。
でも章男さんだからこの判断、この値付けができる。いきなり指導力発揮してるな〜、と思いました。ただし、コイツが功を奏するかどうかは、今後何年かみなければわかりませんけどね。
とはいえ一部ウワサによれば、ディーラーではさすがに205万円グレードをメインにはせず、220万円から始まる「S」グレードを中心に売ろうとしてるとか。やっぱり廉価グレードだと、厳しいんだろうね。
利益度外視の戦略
あとね。個人的にはコイツは“美味いギョーザ戦略”かもしれないと思った。これはその昔、最近全然見かけない中華の某鉄人が言ってたことで、「中華料理店は、まずギョーザとチャーハンに力を入れろ」というもの。
ようするに、街の中華料理店というのは、ランチに出すギョーザとチャーハンで客に実力を試される。ランチで食って美味ければ夜もまた来るし、それで利益も出る。だから人が注文する確率の高いギョーザとチャーハンには必要以上に力を入れろ! 利益度外視でヤレ! と。
新型プリウスもまた同じような存在かもしれないわけですよ。クルマ離れが始まってる今、プリウスによって欲望を喚起し、クルマ全体の需要を掘り起こそうと。
ただし、小沢的には「結局、ギョーザ(プリウス)ばっかり売れちゃったりしてね」という心配が依然つきまといます。それにトヨタは、とっくに先代の“ギョーザ”で、ブランドの知名度を上げる時代は終えてる部分もある。
果たして美味いギョーザ戦略。今後吉と出るか凶と出るか。ホントに注目ですわ!
(文=小沢コージ/写真=webCG)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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