ダッジ・ナイトロSXT(4WD/4AT)【ブリーフテスト】
ダッジ・ナイトロSXT(4WD/4AT) 2007.11.28 試乗記 ……361万2000円総合評価……★★★★
アメ車らしいゴツいエクステリアが特徴の「ダッジ・ナイトロ」。プレミアムやスポーティなSUVがひしめく中、このクルマの輝きはどこにあるのか?
悠揚迫らぬ走りっぷり
「ダッジ・ナイトロ」の魅力は、何といっても大胆な顔つきに代表されるデザインだろう。1950/60年代の雰囲気を放つ、独立したフェンダーを思わせる造形のオーバーフェンダー、そこにつながるバンパーの力強さ、四角いエンジン収納箱のボンネット、十字グリルバーなどなど、周囲を威圧する要素十分である。
大きく見えるわりに、スリーサイズは全長4.58m、全幅1.86m、全高1.79mとコンパクトで、コンビニの駐車場でもはみ出すことはない。悠揚迫らぬ走りっぷりと寛容な運動性能は、おおらかな性格とともにアメリカ車を好む向きには絶賛されるだろう。その上ナイトロは330万円から420万円と価格設定も手頃だから、国産SUVを買うよりむしろお買い得な感じさえする。
4WD機構はパートタイムながら、ボタンのワンプッシュでOK。舵角にして90度くらいまでならブレーキング現象(前後輪の回転差により走りにくくなる現象)による抵抗感はないから手軽で、頻繁に使用できるだろう。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
同じクライスラーグループに属する「ジープ・リバティ(邦名:チェロキー)」のプラットフォームを用いた、ダッジブランドのSUVが「ナイトロ」。前ウィッシュボーン、後リジッドのサスペンションに、モノコックの5ドアボディを載せる。エンジンは3.7リッターV6SOHCの1種で、4段ATが組み合わされた。駆動方式は、後輪を駆動する2WDと4WDの切り替えができるパートタイム4WD。
(グレード概要)
外装や装備の違いで3つのグレードに分けられる。ベーシックな「SE」、上級の「R/T」のほか、中間グレードとして今回のテスト車である「SXT」が用意される。シート生地に撥水加工などが施された「Yes Essentials」が用いられるのは、このグレードのみ。荷室の引き出し式ボードやパワーシートなどの便利装備のほか、6連奏DVDプレーヤー、8スピーカー+サブウーハーなどのオーディオも充実。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
3つのメーター(速度、回転、集合)を基本とするインパネの構成は他のクライスラー車と共通。すべてステアリングホイールの中に納まる小型ながら、数字も指針も見やすい。直線的な四角い処理のダッシュボードはすっきりしていていかにもダッジらしい。オプションながらナビゲーションの位置も適切。空調用の3つのダイヤルも扱いやすい。
(前席)……★★★
高い視点からの眺めは良好ながら、フロントのピラーやドアミラーなどが比較的近い位置にあり、狭い路地から右折して出るような状況では死角が大きい。ボンネットも高く前方直下は見えないので、信号停止のラインは自然と手前になってしまう。左手の横の死角は、助手席側ドアに設置された液晶モニターに表示されて便利だが、モニター位置は横より前にあったほうが見やすい。シートそのものはサイズ形状ともに良好。レバー式サイドブレーキが頼もしい。4WDスイッチは運転席側に欲しい。
(後席)……★★★★
ベンチシート的に平板なシートながら、折り畳めるシートにしてはクッションが厚い。座面の後傾斜角もちゃんと確保されているのはクライスラーの他のモデル同様、長距離で疲れを和らげる術を知っている証拠。腰が前にズレにくい。シートバックは4:6の分割可倒式で助手席も倒せば長尺物も積める。高めに座り膝からそのまま下ろせるので、足元の余裕もあるし疲れにくい。タイヤから遠いためロードノイズも静かに感じられる。
(荷室)……★★★★
SXTに標準装備されるスライドボードは便利。引き出して使えるから重量物の積み卸しに重宝する。耐荷重は80kgの人間2人分だから腰掛けて談笑するのもいい。リアシートは折り畳めて荷室を広げられるが、このままでも角張ったボディゆえに高さ方向に余裕がある。バンパー高までやや高いのが難だが、ディパーチャーアングルなどの関係でやむなし。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
3.7リッターV6SOHCエンジンは縦に置かれて後輪を駆動する。滑らかに回り、力強く静粛でもある。ビュンビュン回る高回転型ではないが、アメリカ車らしいのどかな走り方に自然に導かれる感覚がいい。ATは4速ながら1発進、2加速、4巡航とそれぞれがはっきり目的意識が感じられるし、3は中間にあって守備範囲も広く、シフト間のショックは軽微だからさしたる不満はない。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
鷹揚にして楽チンなのがアメリカ車の特徴。大入力も小入力も柳に風と受け流してしまう。オールシーズンタイヤゆえのマイルドな感覚も、235/65R17サイズと1.9トンを分ける荷重があれば、しっかりとした接地性が確保されており、操舵感も悪くはない。5.5mの回転半径も立派。ワンプッシュで4WDを選べば、高速道路で強風の日にも安心。
(写真=郡大二郎)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2007年9月19-20日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2007年型
テスト車の走行距離:3552km
タイヤ:(前)235/65R17(後)同じ(いずれも GOODYEAR EAGLE RS-A)
オプション装備:なし
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(5):山岳路(3)
テスト距離:366.9km
使用燃料:50.37リッター
参考燃費:7.28km/リッター

笹目 二朗
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