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1/161962年「ダットサン・フェアレディ1500」。型式名SP310の初期型である。ボディーサイズは全長×全幅×全高=3910×1495×1275mm、ホイールベースが2280mmで、車重が870kg。価格は85万円。
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2/16旧車イベントにエントリーしていた初期型SP310。ご覧のように横向きのサードシートを備えた3人乗りだった。インパネには国産初となるタコメーターが備わるものの、同径の時計が並び、あまりスポーツカーらしくなかった。ラジオ下の小径メーターは後年に増設されたもの。
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3/16同じく初期型SP310のG型エンジン。キャブレターをダウンドラフトからSUに換えた最大の目的は、低いボンネットに収めるためだったという。手前にバキュームサーボが後付けされている。
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4/16日産の座間記念庫に保管されている、田原源一郎のドライブで第1回日本グランプリに優勝したSP310。市販車とはまったく異なるレーシングスクリーンを備えている。
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5/16優勝車両の内部。サイドウィンドウは本来の巻き上げ式が取り払われ、アクリル製が装着されている。軽量化のためと思われるが、その割にはラジオは付いたままである。
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6/161964年8月のマイナーチェンジで一新されたSP310のインパネ。メーターは大径のスピードとタコ、小径の水温、燃料、油圧、電流、時計の大小7連となり、コンソールボックスも備わる。はめ殺しだった三角窓も開閉式となった。
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7/16オプションのハードトップを装着した1965年「ダットサン・フェアレディ1600」(SP311)。フロントグリルがSP310の格子状から横バー3本となり、ホイール/タイヤは13インチから14インチに変更。それにしたがってフロントのホイールアーチが広げられ、張り出しも大きくなった。
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8/161965年「日産シルビア」(CSP311)。SP311のシャシーにほぼハンドメイドのボディーを載せ、内装も豪華に仕立てた2座クーペで、価格は120万円。日産では2.8リッター直6エンジンを積んだ最高級車の「セドリック スペシャル」(135万円)に次ぐ高価格車だったため、小型車用のダットサンではなく日産ブランドを冠した。
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9/161966年の第3回日本グランプリの「GTカーレース」で高橋国光が駆り優勝したSP311。プライベーターの「ロータス・エラン」や「ポルシェ911」なども出走していたが、高度にチューンされたワークスマシンに蹴散らされた。
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10/161965年に北米デイトナで開かれたアメリカン・ロードレース・オブ・チャンピオンでGクラス3位に入った、ボブ・シャープ・レーシングのSPL310。
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11/161967年「ダットサン・フェアレディ2000」(SR311)。再びフロントグリルのデザインが変わった。この前期型は後期型に比べてウインドシールドが低いため“ローウィンドウ”と俗称される。
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12/16旧車イベントで捉えた前期型SR311のインパネ。後期型SP310/SP311と基本的に同じデザインだが、防げん対策として黒塗装となり、燃料計と水温計、油圧計と電流計がまとめられたため、小径メーターが2個減った。
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13/16発売から8カ月後にマイナーチェンジされた後期型SR311。北米の安全基準の変更に合わせて(横転時の安全性確保のため)ウインドシールドが高くなった。そのため俗称は“ハイウィンドウ”。これはオプションのハードトップ付きである。
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14/16これも旧車イベントで見た後期型SR311のインテリア。デザインを一新し、クラッシュパッドが貼られたインパネ上のメーターは3個にまとめられ、近代的にはなったがスポーツカーらしさは薄れた。ステアリングホイールのセンターにも大きなクラッシュパッドが付く。縦配置のラジオは国産初だった。この個体では外されているが、シートにはヘッドレストが付けられた。
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15/161968年の第5回日本グランプリのGTカーレースのスターティンググリッド。GT-IIクラスの決勝に進出した22台はすべてSR311。ちなみにGT-Iクラスは14台の「ホンダS800」と1台の「フィアット・アバルト」だった。
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16/161968年のモンテカルロラリーで総合9位、クラス3位となったSRL311。ドライバーは1983年に「アウディ・クワトロ」でWRCドライバーズタイトルを獲得するハンヌ・ミッコラだった。

沼田 亨
1958年、東京生まれ。大学卒業後勤め人になるも10年ほどで辞め、食いっぱぐれていたときに知人の紹介で自動車専門誌に寄稿するようになり、以後ライターを名乗って業界の片隅に寄生。ただし新車関係の仕事はほとんどなく、もっぱら旧車イベントのリポートなどを担当。
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