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1/122025年にメルセデスからフェラーリに移籍することを発表したルイス・ハミルトン(写真)。チャンピオン獲得回数7回はミハエル・シューマッハーと並ぶ史上最多記録、通算勝利数も103勝で歴代最多、ポールポジションも104回で最多と、数々のレコードを持つ大物ドライバーが新天地に選んだのは、F1最古参チームだった。狙うは前人未到の8冠達成(もしメルセデス在籍中の2024年に勝てば9冠?)となるが、仮にその夢はかなわなかったとしても、フェラーリで輝かしいキャリアを終えるということは、ドライバー冥利(みょうり)に尽きる栄誉なことでもある。(写真:Mercedes)
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2/12マクラーレンの秘蔵っ子として2007年にF1デビューを飾ったハミルトンは、翌2008年に「マクラーレンMP4-23」(写真)をドライブし、最終戦ブラジルGPのファイナルラップで奇跡の逆転を遂げて初タイトルを獲得した。2013年にメルセデスに移籍すると、2014年から2年連続チャンピオン、2017年から2020年まで4連覇と、シルバーアローのチームで6つのタイトルを手にした。(写真:Mercedes)
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3/12ハミルトンは、メルセデス移籍後の222戦で82勝を記録。2018年のドイツGP(写真)では、予選でトラブルに見舞われ14番グリッドに沈むも、雨でライバルが脱落するなかでポジションを上げ、劇的勝利を飾った。(写真:Mercedes)
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4/12ともにメルセデスをドライブし、チームメイト同士で激しい戦いを繰り広げたハミルトン(写真右)とニコ・ロズベルグ(同左)。それまでハミルトンに敗れ続けていたロズベルグだったが、2016年シーズンは開幕から4連勝と好調な滑り出しをみせチャンピオンシップをリード。最終戦で見事初戴冠となった。タイトル獲得後、間もなくして突如引退を表明。ハミルトンのチームメイトは、ぐっと性格の穏やかなバルテリ・ボッタスが務めることになる。(写真:Mercedes)
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5/122000年から5連覇を達成し、フェラーリ黄金期を築き上げた立役者のひとりであるミハエル・シューマッハー(写真中央)。アイルトン・セナ亡き後、1994年からベネトンで2年連続チャンピオンになると、フェラーリに移籍。ジャン・トッド監督(同左)らとともに不調にあえぐチームの復興に尽力した。2006年限りで一度引退するも、2010年にメルセデスでカムバック。「ドイツメーカーを率いるドイツ人チャンピオン」というマーケティング的要素の強い復帰だったが、シルバーアローでは往時の輝きはうせ、2012年に正式な引退となった。(写真:Ferrari)
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6/121990年代になると、タイトルから久しく遠のいていたフェラーリを復活させるため、シューマッハーをはじめ名うての人材が次々とマラネロに集められた。プジョーのスポーツカープログラムなどを率いてきたフランス人ジャン・トッド(写真左)が監督として現場を仕切り、ベネトンで辣腕(らつわん)を振るったロス・ブラウン(同右)はテクニカルディレクターとしてシューマッハーの勝利に貢献。2000年代初頭の跳ね馬の大活躍は、こうしたプレーヤーたちが連携して成し遂げたチーム力のたまものだった。(写真:Ferrari)
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7/122025年にハミルトンとペアを組むシャルル・ルクレール(写真中央)。2018年にザウバーでGPデビューし、翌年から跳ね馬を駆る今年27歳になるモナコ人ドライバーだ。通算勝利数は5回だが、ポールの数は23回を数え、一発の速さにおいては誰もが認めるところ。あとはレースを勝つための彼自身のしたたかさ、そしてチームの戦略面やオペレーションでの後押しが必要だ。(写真:Ferrari)
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8/12フェラーリを率いるフレデリック・バスール代表(写真)。ジュニアカテゴリーのチームではハミルトンらを育てた実績があり、F1では2017年からザウバー(アルファ・ロメオ)のチーム代表に。2023年、マッティア・ビノットの後任としてフェラーリの代表に就任すると、何かとオペレーションや戦略でのミスが目立つフェラーリを勝てる組織に変えるべく奮闘している。(写真:Ferrari)
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9/12メルセデスで一時代を築いてきた2人、チーム代表のトト・ウォルフ(写真左)とハミルトン(同右)。今回の、ハミルトンのフェラーリ移籍のニュースは、ウォルフとしてもうすうす予期はしていたようだが、実際に知らせを受けたのは正式発表目前のタイミングといわれている。「F1史上最も成功したチームとドライバー。このパートナーシップを誇りに思う」と盟友への思いを語った。(写真:Mercedes)
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10/12ハミルトン(写真右)が去った後のメルセデスをけん引することが期待されているジョージ・ラッセル(同左)。ウィリアムズでの3年間の“下積み”を経て2022年にメルセデスに昇格すると、この年のうちに初ポール&初優勝。昨季も勝利こそなかったものの、ハミルトンを相手に丁々発止とやりあった。まだ荒削りな部分もあるが、磨きがいのある原石である。2025年までメルセデスとの契約を残している。(写真:Mercedes)
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11/12フェラーリと長期更新をしたルクレール(写真左)に対し、チームメイトのカルロス・サインツJr.(同右)は、ハミルトンにシートを奪われるかっこうとなった。これまで赤いマシンをドライブし2勝しているスペイン人ドライバーの移籍先は未定だが、セルジオ・ペレスに代わりレッドブル入りを果たす、あるいは2026年に参戦することが決まっているアウディに近づくなど、さまざまな臆測が飛んでいる。(写真:Ferrari)
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12/12ハミルトン級の大物でいえば、2024年までアストンマーティンに在籍することが決まっているフェルナンド・アロンソ(写真)の動向は気になるところ。今年夏に43歳になる現役最年長にして2冠王者、長きにわたり一線級で活躍するトップドライバーにしてF1界屈指の策士が、メルセデスの空いたシートに興味を持っていないはずはない。年齢的なこと、チームとの相性など不安な要素もあるが、シルバーアロー入りとなればハミルトンに次ぐ電撃移籍となるだろう。(写真:Aston Martin)

柄谷 悠人
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