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2/171907年創業の航空会社を起源とするMVアグスタ。二輪事業進出は1927年で、1945年に、今日に受け継がれる「MVアグスタ」ブランドが発足している。レースにも積極的で、1950~1970年代にかけてはウビアリ、ヘイルウッド、アゴスチーニ、リードといった名手により、ツーリストトロフィーレースやロードレース世界選手権などを席巻した。
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3/17デザインコンシャスなスーパースポーツ/ロードスポーツを得意とする現在のMVアグスタ。「エンデューロ ベローチェ」は、同ブランドにとっては実質的に初めての、モダンな量販アドベンチャーとなる。
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4/17ライダーにさまざまな情報を提供する7インチのTFTディスプレイ。BluetoothやWi-Fiを介して携帯端末を接続させることが可能で、「MV Ride」アプリのインターフェイスとしても利用できる。
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5/17フロントのフェアリングをはじめ、車体の意匠はエアロダイナミクスを追求したもの。高速走行時のライダーの快適性はもちろん、トップケースやサイドケースを装備した際の走行安定性も考慮している。
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6/17エンジンは最高出力124PS、最大トルク102N・mを発生する排気量931ccの水冷4ストローク直列3気筒DOHC。軽量コンパクトな設計も特徴で、その重さは57kgに抑えられている。
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7/17ブレーキはブレンボ製で、前がφ320mmのダブルディスクと4ピストンモノブロックキャリパーの組み合わせ、後ろがφ265mmのディスクと2ピストンキャリパーの組み合わせだ。
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8/17フロントサスペンションはφ48mmのザックス製倒立フォーク。コンプレッション、リバウンド、プリロードの調整が可能で、210mmのホイールトラベルを確保している。
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9/17リアサスペンションにも、各種調整機能付きのザックス製モノショックを採用。プログレッシブリンクを介してアルミ合金製のスイングアームを支持している。ホイールトラベル量はフロントと同じ210mmだ。
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10/17身長179cmの筆者がまたがったところ。ローで850mm、ハイで870mmとシート高はかなり高めだが、車体がスリムなこともあり、そこまで足つきが厳しい印象はなかった。
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11/17エキゾーストシステムにはバイパス機構が備わっており、スロットルを大きく開けるとレーサーレプリカのような甲高いサウンドを奏でる。
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12/17右側のスイッチボックスには、ABSのモード切り替えやローンチコントロールなどの操作ボタンを配置。スタータースイッチは、走行中にはライディングモードのセレクターとして機能する。
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13/17トランスミッションにはクイックシフターの第4世代「EAS(Electronically Assisted Shift)」を搭載。スロットルを開けたままシフトアップ/ダウンが可能で、コーナリング中にも気兼ねなく操作できる。
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14/17最低地上高は230mmと十分なクリアランスを確保。ABSを「レベル1」にセットすると後輪への介入がカットされ、リアを滑らせながらの豪快なライディングも可能となる。
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15/17本格的なアドベンチャーモデルだけに、厳しい環境下でのグランドツーリングを想定したオプションも用意。アルミ製のサイドケース(左:39リッター、右:32リッター)やプロテクションバー、追加ライトなどを装備できる。
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16/17タフな走破性やパワフルさに加え、上質さや高い快適性も備えていた「MVアグスタ・エンデューロ ベローチェ」。人気のアドベンチャーカテゴリーに新風を吹き込む一台となりそうだ。
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17/17MVアグスタ・エンデューロ ベローチェ

佐川 健太郎(ケニー佐川)
モーターサイクルジャーナリスト。広告出版会社、雑誌編集者を経て現在は二輪専門誌やウェブメディアで活躍。そのかたわら、ライディングスクールの講師を務めるなど安全運転普及にも注力する。国内外でのニューモデル試乗のほか、メーカーやディーラーのアドバイザーとしても活動中。(株)モト・マニアックス代表。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。
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