「マツダ・デミオ」、フルモデルチェンジで“軽く小さく”
2007.07.05 自動車ニュース「マツダ・デミオ」、フルモデルチェンジで“軽く小さく”
マツダは、コンパクトカー「デミオ」をフルモデルチェンジし、2007年7月5日に発売した。
1996年にデビューしたマツダのコンパクトカー「デミオ」が、2002年以来となるフルモデルチェンジを実施。3代目にバトンタッチした。
世界戦略車として期待される新型は、47万台のヒットをとばした初代や、それを正常進化させた先代から、見た目も中身も大きく変わった。
荷室の大きさなど利便性が強みであったデミオのコンセプトは、「コンパクトスペースワゴン」から「シティコミューター」に。具体的なメインターゲットもファミリーから独身女性に移り、パーソナル化が図られた。
エクステリアデザインは、ウェッジシェイプ(楔形)のコンパクトなものに様変わり。
パワーユニットは相変わらず1.3リッターと1.5リッターの2本立てで、すべてDOHC。かつて「ユーノス800」で名を知られた「ミラーサイクルエンジン」が一部グレードに採用されたものニュースで、軽自動車以外では初めて組み合わされるCVTのトランスミッション、100kg軽くなった(!)車体と合わせて、23km/リッター(10・15モード)の燃費を実現した。
価格は、1.3リッターモデルが4グレードで112万5000円(FF/4AT)から155万4250円(4WD/4AT)まで。1.5リッターモデルはCVTと5MTが同価格でラインナップされ、「15C」が136万円、スポーティな内外装の「SPORT」が158万円。
月間の目標販売台数は5000台となっている。
■100kgのダイエットに成功
「心ときめくドライビングプレジャー」と「低燃費などトップレベルの経済性」を目指した新型デミオは、それらを両立させる開発目標として「100kgの軽量化」を掲げた。
ボディ構造の見直しで22kg、リアシートの構造を簡素化して20kg、サスペンションで13kg、排気系で5kg、スピーカーで1kg……などなど、同社のライトウェイトスポーツカー「ロードスター」の開発に匹敵する、地道なダイエットを実施し、目標値を達成。車重は1.3リッターの4WDモデルなど一部を除き、多くが1000kg以下におさまった。
低燃費化はもちろんのこと、毎回車検時の重量税が3万7800円から2万5200円に軽減されることで、ユーザーの経済的負担も“軽量化”した。
■日本的な“凝縮の美”を追求
スタイリッシュな外観もまた、「100kgの軽量化」という最重要ミッションを優先させたもの。ダウンサイジングのなかでデザインするという制約を逆に活かしたデザインコンセプトは、日本的な「凝縮の美」。凛として緊張感のあるカタチを目指したという。
同社の4シータースポーツカー「RX-8」と同じデザイナーの手になる外観は、大きく盛り上がったフロントフェンダーと、後部に向かって切れ上がるサイドのキャラクターラインが特徴。フロント、リア、サイドの各面がバラバラにならないよう、ボディ四隅の処理には特にこだわったとのこと。
実際に凝縮されたボディのスリーサイズは、全長×全幅×全高=3885×1695×1475mm。先代に比べて、40mm短く、15mm幅広く、55mm低くなった計算だ。なお、ホイールベースは2490mmで変わらない。
荷室は、底面674×1000mmで250リッターの容量。先代は640×940mmの280リッターゆえ、約1割の譲歩となった。
インテリアは、インパネを40mm下げた視界のよさがポイントだ。女性ユーザーを意識して、シフトレバーは両シート間のセンターコンソール部からインパネ側に移動。ハンドバッグなどを置くために“一等地”を明け渡した。iPodなどの外部オーディオを接続するAUX端子もセンターコンソールに用意される。
内装色は、ブラック系に加えてホワイト系の2種類。なお、ボディカラーは全11色から選べる。
■ミラーサイクルエンジンが復活
エンジンは、1.3リッターと1.5リッターというデミオ定番のサイズ。どちらもDOHCで、1.3リッターモデルには、吸気バルブを遅閉じして燃費を稼ぐ「ミラーサイクルエンジン」も用意された。トランスミッションは、4ATと5MTに加えて、軽自動車以外でマツダ初となるCVTを採用、エンジンと協調制御することにより燃費向上を図った。
23km/リッターをうたうミラーサイクルモデルの「平成22年度燃費基準+20%」を筆頭に、それぞれ「同+10%」「同+5%」を達成。「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」認定も全車取得している。
足まわりは、フロントがマクファーソン・ストラットで、リアがトーションビーム式。軽量化を徹底しつつも、サスペンション取り付け部の剛性を先代比15%向上させたという。
駆動方式は基本的にFFのみだが、モーターで後輪を補助駆動し、滑りやすい路面での発進や登坂に対応する「e-4WD」モデルは、3代目にも引き継がれた。
(webCG 関)
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