クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック
【スペック】全長×全幅×全高=5030×1875×1480mm/ホイールベース=2970mm/車重=2270kg/駆動方式=4WD/5リッターV8DOHC32バルブ(394ps/6400rpm、53.0kgm/4000rpm)+交流同期電動機(224ps、30.6kgm)(欧州仕様)(T)

レクサスLS600h(4WD/CVT)【海外試乗記(後編)】

こたえられないLS(後編) 2007.04.24 試乗記 小沢 コージ レクサスLS600h(4WD/CVT)

最新鋭のハイブリッドシステムを搭載する「レクサスLS600h」。高級車としての狙いはどこにあるのだろうか? ドイツはフランクフルトから小沢コージがリポートする。
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

より地に足が着いたエアサス

アクセルをベタ踏みする必要が出てくるのは、実際は200km/h(!)以上の速度域を求める時ぐらいだ。オーバー200km/hの世界でようやくエンジン+モーターの力を両方使い切るという、そのスケール感は凄い。
その凄さを普段感じさせないところが、なんともレクサスっぽいといえるのではないか。「奥ゆかしいけど、凄い!」という点に関しては、間違いなくメルセデス、BMW以上と感じた。

モニターによる燃費計算では平均約6km/リッター。しかしこれはアウトバーンで時おり200km/h以上で走行てのこと。相当、燃費はいいだろう。日本でゆっくり乗ったら10km近くになりそうだ。

一方、足まわりも研ぎ澄まされた。基本はLS460と同じエアサスだが、特有の浮遊感はかなり減り、より地に足が着いた走りになっている。聞けばフロントサスに多少の設計変更があり、LSでは初のアクティブスタビライザーを装着したことで、より自然な味わいになっているという。

ブレーキのフィーリングに関しても、かなり好感触。これが本当にハイブリッド車用の回生ブレーキかと思うほどで、コントロール性がよく、なおかつハイスピード領域でも安心して踏める。これは今までの国産車ではあり得なかったぐらいの攻撃性の高いブレーキパッドを使ってことによるそうで、ヨーロッパ車に近い設定がされているのだ。

(O)
(O) 拡大
フロントサスペンションのカットモデル。手前に見えるパイプ状のものがアクティブスタビライザーだ。(T)
フロントサスペンションのカットモデル。手前に見えるパイプ状のものがアクティブスタビライザーだ。(T) 拡大
(O)
(O) 拡大
レクサス LS の中古車webCG中古車検索

メルセデス、BMWとまったく違う高級車

試乗して、主査の吉田さんがいうところの「ハイブリッドに気づかせないハイブリッド」という意味がわかった。試乗前に勝手に予想した、電気自動車的テイストを前面に押し出した新世代のガソリン高級車ではなかった。

それはレクサスのお客さんが保守的だということもあるんだろうけど、高級車の世界全体がそういうものであるともいえる。つまり、新しいもの、新しいテイストは受けつけないという文化があるのだ。

つまりレクサスとしては「他とは全然違う」という新しいテイストを狙ってはいない。「あれ、このクルマなんかいいなぁ」と思って乗り出したら、その軽快さと速さに魅了される。その上燃費はもちろん、環境にもいいから、さらに深い愛着が……。「もうハイブリッドの味が手放せなくなる」のが理想の展開なのだろう。

やはりレクサスは、メルセデス、BMWとは全く違う高級車像を提示しているように思う。

(T)
(T) 拡大
(T)
(T) 拡大

もっと未来的でもいい

インテリアはトヨタ&レクサス車としては始めてとなる、本革張りのインパネ&ドアトリムを持つ。エンブレム、ヘッドライト等は微妙にブルーを織り交ぜて、他のクルマとの違いを作りだした。さらにヘッドライトの中味もよく見ると3連プロジェクターになっており、今までのハイブリッドに比べて、外観には“このクルマはハイブリッドだ”という主張が見られる。個人的にはもっと未来的にしてもいいと思うのだが。

お金があって新し物好きで、さらに国産車好きのナショナリストにはこたえられないであろうLSハイブリッド。このクルマで日本を走るにあたっては、後方からの真っ赤ライトとサイレンに注意しなければならないだろう。

(文=小沢コージ/写真=小沢コージ(O)、トヨタ自動車(T)/2007年4月)

(O)
(O) 拡大
(T)
(T) 拡大
小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』

試乗記の新着記事
  • ランボルギーニ・ウルスSE(4WD/8AT)【試乗記】 2025.9.3 ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」が「ウルスSE」へと進化。お化粧直しされたボディーの内部には、新設計のプラグインハイブリッドパワートレインが積まれているのだ。システム最高出力800PSの一端を味わってみた。
  • ダイハツ・ムーヴX(FF/CVT)【試乗記】 2025.9.2 ダイハツ伝統の軽ハイトワゴン「ムーヴ」が、およそ10年ぶりにフルモデルチェンジ。スライドドアの採用が話題となっている新型だが、魅力はそれだけではなかった。約2年の空白期間を経て、全く新しいコンセプトのもとに登場した7代目の仕上がりを報告する。
  • BMW M5ツーリング(4WD/8AT)【試乗記】 2025.9.1 プラグインハイブリッド車に生まれ変わってスーパーカーもかくやのパワーを手にした新型「BMW M5」には、ステーションワゴン版の「M5ツーリング」もラインナップされている。やはりアウトバーンを擁する国はひと味違う。日本の公道で能力の一端を味わってみた。
  • ホンダ・シビック タイプRレーシングブラックパッケージ(FF/6MT)【試乗記】 2025.8.30 いまだ根強い人気を誇る「ホンダ・シビック タイプR」に追加された、「レーシングブラックパッケージ」。待望の黒内装の登場に、かつてタイプRを買いかけたという筆者は何を思うのか? ホンダが誇る、今や希少な“ピュアスポーツ”への複雑な思いを吐露する。
  • BMW 120d Mスポーツ(FF/7AT)【試乗記】 2025.8.29 「BMW 1シリーズ」のラインナップに追加設定された48Vマイルドハイブリッドシステム搭載の「120d Mスポーツ」に試乗。電動化技術をプラスしたディーゼルエンジンと最新のBMWデザインによって、1シリーズはいかなる進化を遂げたのか。
試乗記の記事をもっとみる
レクサス LS の中古車webCG中古車検索
関連キーワード
関連サービス(価格.com)
新着記事
新着記事をもっとみる
車買取・中古車査定 - 価格.com

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。