トヨタ・アベンシスセダンQi(FF/5AT)/ワゴンXi(FF/4AT)【短評(前編)】
トヨタが試される欧州車(前編) 2006.08.22 試乗記 トヨタ・アベンシスセダンQi(FF/5AT)/ワゴンXi(FF/4AT) ……331万8000円/277万9350円 トヨタがつくった欧州車「アベンシス」がマイナーチェンジされた。今回は装備の見直しが主な内容というが、実は見えない部分の性能向上に力が注がれていた。欧州流のマイナーチェンジ
「トヨタがつくった欧州車」「欧州車を超えるトヨタの欧州車」というフレーズが示すように、ヨーロッパ生まれを前面に押し出している異色モデルがアベンシスだ。南仏のコート・ダジュールに設けられた「EDスクエア」でデザインされ、イギリスの「TMUK=Toyota Motor Manufacturing (UK) Ltd.」で生産される、ヨーロッパ生まれ、ヨーロッパ育ちのこのモデル。2003年10月に2リッターエンジン搭載のセダンとワゴンが上陸したあと、2005年9月には2.4リッターエンジンが追加。そしてこの7月にはマイナーチェンジを実施し、バージョンアップを図っている。
プレスリリースによれば、今回の主な変更点は、フロントグリルやバンパー、ヘッドライト、リアコンビネーションランプなどのデザイン変更といったお決まりのメニューで、あわせて、メーター類の機能追加や内装のリニューアルなども実施されている。一方、用意されるエンジンやトランスミッションはマイナーチェンジ前と変わらない。
しかし、開発を担当するエンジニアは、「マイナーチェンジの範囲内で、できるかぎりのことをした」という。アベンシスのメイン市場はもちろんヨーロッパ。並み居るライバルに立ち向かうには、さらなる走りの安心感や安定感が必要不可欠と知った開発陣は、見えない部分の性能向上に力を注いできた。
たとえば、ステアリングはサポートを補強して剛性アップを図り、リアサスペンションはセッティングを見直すことでタイアの接地性を高めた。また、リヤフロアに「エアガイドプレート」を設置して高速走行時の安定性を向上させるなど、地道だが中身の濃いマイナーチェンジになったらしい。このあたり、モデルライフ途中で大がかりなマイナーチェンジを実施する欧州勢並みの取り組みといえる。
細かい部分にヨーロッパの香りが
さて、試乗会場にはさまざまなモデルが用意されていたが、今回試したのは、2.4リッターFFセダンの「Qi」と2リッターFFワゴンの「Xi」の2台。スケジュールの都合でまずはワゴンXiに乗り込んだ。
実はアベンシスに乗るのはこれが初めてなので、マイナーチェンジ前と比較することはできないのだが、大きくシンプルな速度計と回転計、すっきりしたダッシュボードのデザインなど、確かにヨーロッパしている。ステアリングコラムもチルトに加えてテレスコピックが備えられている。フロントスクリーンの水滴を拭うために右のレバーを操作したら、ウインカーだった。ユーザーインターフェースは日本車である。
感心したのはシートのリクライン調節で、レバー式でありながら、細かい調整ができるよう「ポンプ式」を採用している。よくシートリフターに使われているもので、ドイツ車などに採用されるダイヤル式より使い勝手はいい。(後編につづく)
(文=生方聡/写真=荒川正幸/2006年8月)
・トヨタ・アベンシスセダンQi(FF/5AT)/ワゴンXi(FF/4AT)(後編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018515.html

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
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