ボンネットの開閉方向の違いには意味があるの?

2005.07.23 クルマ生活Q&A 松本 英雄 ボディ
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ボンネットの開閉方向の違いには意味があるの?

フロントエンジン車におけるボンネットフードの開閉の仕方として、「逆アリゲーター」と呼ばれる方式がありましたが、最近見かけなくなったような気がします。逆アリゲーター方式にはデメリットが多いのでしょうか。また、過去のモデルには何故それが採用されていたのでしょうか。教えて下さい。(愛知県NSさん)

お答えします。エンジンフードの開閉方式は大きく分けると、「アリゲータータイプ」(前から後ろへ開く)と「逆アリゲータータイプ」(後ろから前に開く)の2種類があります。ワニの口のように大きく開くことからアリゲーターと呼ばれたのでしょう。

逆アリゲーター方式のメリットは、走行中に万が一エンジンフードを抑えているラッチが壊れた場合でも、フードが“ガバッ”と開くことがないところです。ですから昔は、スポーティーなクルマの一つの証のようなかたちで逆アリゲーター式が使われていたように記憶しています。子供ながらスポーツカーは逆から開くのだと認識していました。これがカッコ良かったんですね。

一方でデメリットもあります。後ろから前に開くため、エンジンルーム前部の機器のメンテナンス性は良いとはいえません。
それと安全面での理由もあります。フロント部分に硬い突起物があると、人などとの衝突時に問題があるといわれています。自動車メーカーは、フードを押さえるヒンジなどの材質を極力柔らかく、そしてリア部に持っていくようしているのです。

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松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。