BMW530iM-Sport(5AT)【ブリーフテスト】
BMW530i M-Sport(5AT) 2001.03.17 試乗記 ……671.0万円 総合評価……★★★★M5ばり
530i M-Sportは、5シリーズの6気筒モデル中、最もスポーティな装いと味付けが与えられる。ローダウン化されたスポーツサスペンションに、フロント235/45、リア255/40という薄くファットなシューズを組み合わせ、専用のエアロパーツ類をまとったアピアランスは、まさにM5ばりの迫力を醸し出す。
インテリアでは、スポーツシートや「Mスポーツ」ブランドのステアリングホイールなどが、オリジナル530iとの識別ポイントとなる。
もちろんその心臓部は、2000年秋に大幅なリファインが施されたM54型直列6気筒ユニット。231psと30.6kgmの最高出力、最大トルクは、従来の528i用のそれと比べると、実に38ps、2.1kgmも大きい。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1995年にデビュー、翌年から日本に導入された、BMWのミドルレンジを担う高級スポーティモデル。2000年11月にマイナーチェンジを受け、2.5リッター/3リッター直6と4.4リッターV8を載せたセダンと、2.5リッター/3リッターのワゴン「ツーリング」がラインナップされた。装備充実仕様の「Hi-Line」を全車に、エアロパーツなどを奢った「M-Sport」をセダンに設定する。
(グレード概要)
530i M-Sportは、先のマイナーチェンジで導入された、新型のオールアルミ製3リッター「M54」型ユニットを搭載。従来の528iにかわるモデルとなる。M-Sportは、前後にエアロパーツをまとい、「Mスポーツサスペンション」でロウダウン、足もとを硬める。タイヤもノーマル仕様より大きく薄く、前後異サイズだ。専用スポーツシートは、アルカンタラを用いた贅沢なもの。Mスポーツステアリングホイール、マットクロームパネルなどを専用装備する。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
相変わらずの“ビーエムテイスト”で、新鮮味は薄いものの、独特の落ち着き感を味わえる。クオリティは高いしメーター視認性も良好。ただし、空調、オーディオ操作系はゴチャゴチャとした印象。多彩な機能を持つために、かえって操作性が落ちている。
(前席)……★★★★
BMW車特有の「クルマを着る」ようなレイアウトが特徴。左右席は大きく室内に侵入したトランスミッション部分によって分断される。そのため、前席の乗員は、ドア、インパネ、センターコンソールによって囲まれるように座ることになる。クルマのサイズの割に広々感は強くはないが、シート自体は大きく、狭苦しさはもちろんない。
(後席)……★★★
ボディサイズからすると、後席スペースは広いとはいえない。ロングノーズのプロポーションが相対的にキャビンを圧縮していること、フロアのセンタートンネルが大きく盛り上がっていることなどがその要因だ。もっとも、センタートンネルが左右を分けるカタチとなっているため、かえってパーソナルな雰囲気が強くなる。後席の空間デザインも“スポーティ”なのだ。
(荷室)……★★★★
さすがは欧州車……と感心させられるのが、5シリーズのトランクルームのデザイン。プロペラシャフト、デファレンシャルなどの駆動系が床下に存在するため、「FF車ほど荷室を広くとれない」というのが常識のFRモデル。しかし、5シリーズのできばえを見せられると、そんなことは言い訳に過ぎない、と知らされる。これだけの空間が確保されていれば、不満の声が出ることはまずないだろう。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★★
出来のよい5段ATと組み合わされることもあって、530i M-Sportは、動力性能に優れたモデルである。どこまでも回るかのようにスムーズなエンジンが発するパワーは、レッドラインが近づいてもストレスを感じさせない。かつての528iの加速感を思い出しながら比較すると、「クルマが150kgほど軽くなった印象」。実際、1590kgのウェイトは変わらずパワーが193psから231psにアップしたから、1psあたりの重量は8.2kgから6.9kgに1.3kgも軽くなった!! このクルマの“買い”のひとつは、いうまでもなくパワーパックにある。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
M-Sportの足まわりは、通常の530iよりローダウン化され、かつ大きなサイズのタイヤを履く。常識的に考えれば、これは乗り心地に悪影響を及ぼすファクターだ。ところが、M-Sportの乗り心地は極めて良好と報告できる。
ハンドリングもゴキゲンだ。前後の重量配分に留意した成果もあってか、コーナリングは高い次元までニュートラルな感覚を保つし、4つの車輪と路面とのコンタクト感にも優れる。率直なところ、やはり「セルシオとは違う」という印象を受ける。
(写真=郡大二郎)
【テストデータ】
報告者:河村康彦
テスト日:2000年11月21日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:--
テスト車の走行距離:--
タイヤ:(前)235/45R17/(後)255/40R17
オプション装備:メタリックペイント+サンルーフ+後席組み込み式チャイルドシート+ハンズフリーテレフォン
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(4):山岳路(4)
テスト距離:--
使用燃料:--
参考燃費:--

河村 康彦
フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。
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