日産ノート 15RX(CVT)【試乗速報】
ユーティリティだけじゃない 2005.02.17 試乗記 日産ノート 15RX(CVT) ……180万6000円 充実のユーティリティ、優れたパッケージングが重視される、コンパクトカー市場に、日産が投入した「ノート」。webCG本諏訪裕幸は15分の試乗で、何を感じたか?取り返すためのクルマ
「マーチとキューブの間を持っていかれました」
日産の新しいコンパクトカー「ノート」技術説明会でのコメントである。持っていった相手は「ホンダ・フィット」と、それに続く「トヨタ・イスト」。両車ともにタワーパーキングに入る1550mmを切る全高を持ち、荷室も大きい。さらに、マーチは女性の、キューブは男性の人気を集めている。中性的なフィットは、どちらにも受け入れられたのが持っていかれた原因だとも思われる。
日産は一つの穴を見つけ、このゾーンを取り返すべく登場したのが「ノート」。ディメンションは全長×全幅×全高=3990(+145)×1690(+15)×1535(+10)mm。カッコ内はフィットとの差で、若干大きめ。一番の違いとなるのはホイールベースの長さ。フィットの2450mmに対し、ノートは2600mmと150mmも長い。これが室内空間の広さと、後述する走りの安定感につながっている。
エンジンは「ティーダ」にも搭載されるHR15DE型(109ps、15.1kgm)の1.5リッターユニット。トランスミッションは無断変速機(CVT)が組みあわせられる。前輪駆動だけでなく、後輪をモーターで駆動する「e-4WD」もラインナップする(こちらは4AT)。価格はFFで126万円〜156万4500円と、フィットより若干安い設定となる。
ターゲットは若い男女。「家庭を持ち、クルマにあまりお金をつぎ込めないカップル」という設定がおもしろい。
スムーズな加速、高い安定感
ノートは「短い試乗時間で体感できる良さ」を求めたという。確かにターゲットを考えると、じっくり試乗する人は少ないかもしれない。今回はその人たちになりきるべく、15分間の試乗を試みた。試乗車は最上級グレードである「15RX」。
短いオーバーハングと長いホイールベースが特徴的なサイドビューは、どっしりとした印象。リアコンビネーションランプが、ボディラインから独立しているのもおもしろいデザインだ。フロントマスクは、カワイすぎずカッコつけすぎず、男女ともに素直に受け入れられるだろう。
ドライバーズシートに腰を下ろし、内装を確認する。清潔感を出したというシンプルな内装は、スイッチ類もすっきりまとめられており、操作に迷うことはない。質感もまずまずと言える。しかしファブリックや樹脂パネルのパターンが数種混在し、統一感に欠けるのが気になるといえば気になる。
座面が高くウエストラインが低いので、見晴らしは良好。ヘッドランプと一体化するコーナーマーカーはデザイン上のアクセントだけでなく、車幅を確認するアイテムにもなり、4.7mの最小回転半径と相まって、細い道での取りまわしは良さそうだ。
ここまで3分。
走り出すと感じるのは、CVTによるスムーズな加速や、段つきのない変速の快適さ。エンジンパワーにも不満はない。しかし、トコトコ走るぶんには穏やかだが、急加速の際に入る3500rpmぐらいから、多少不快な音を発するようになる。
足まわりは予想していたより硬い。コーナリング時のロールは少なく、段差を越える時に軽い突き上げを感じる。これは15RXが履く15インチタイヤによる影響が大きいのだろう。ショックアブソーバー内部に仕込まれるリバウンドスプリングや、長いホイールベースの影響もあり、走行中の車両安定性は高い。
10分経過。
15分でもわかる
停まって、リアシートに座る。
ホイールベースを伸ばしたことにより、リアタイヤが後方にスライド。そのためにドア開口部を広くとることができ、後席へのアクセスがしやすくなっている。後席座面下にタイヤハウスが無いので、シートクッションも厚くとられている。さらに背もたれも寝ていて、広く感じる。
リアシート下にスッキリおさまる「置き傘ホルダー」は、個人的な注目アイテム。トランクに入れておくと、荷物につぶされてかわいそうな姿になっているし、そもそも取りに行くまでに濡れてしまうからだ。
トランクルームを見ると、2段マルチトランクは確かに使い勝手が良さそうだ。ただ、4つのモードを持つというトランクルームアレンジは便利そうであるが、冷蔵庫の棚やポケットのアレンジがうまく使われないように、一番大きい状態でずっと使われるんじゃないだろうかという懸念もある。
ここで15分の試乗終了。
使い勝手がものをいう、このクラスのコンパクトカーは、乗るほどに味が出るクルマだと思う。長く使わないとわからない部分も多い。CVTが貢献する実燃費も気になるところだ。
がしかし、「短い試乗時間で……」の目論み通り、短時間でわかる部分は多かった。特に加速のスムーズさは誰でも感じるところだろう。ユーティリティ類も「使いやすそう」という印象を持たせることは成功していると思う。
しかし昨今のコンパクトカーの充実ぶりには目を見張るものがある。ついにはパッケージング重視のこのクラスでも、ユーティリティだけではなく走りをアピールしてきた。ノートのテレビCMでは、長いトレーラーを楽々追い抜くシーンが映されるのは、その現れだ。
ノート試乗の際は、是非走りの具合を確認してほしい。
(文=webCG本諏訪裕幸/写真=高橋信宏/2005年2月)

本諏訪 裕幸
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