トヨタ・クラウンマジェスタCタイプ(6AT)【ブリーフテスト(前編)】
トヨタ・クラウンマジェスタCタイプ(6AT)(前編) 2004.08.24 試乗記 ……721万9800円 総合評価……★★★★ 2004年7月5日、「トヨタ・クラウン」シリーズの上級車種「マジェスタ」がフルモデルチェンジした。アッパーグレード「Cタイプ」に、別冊CG編集室の道田宣和が乗った。そしていつか冠(クラウン)が取れる?
惜しいと思った。依然として「クラウン」の派生車種という位置付けが、である。中身はいまや「セルシオ」に比肩するできばえ、それも最新の技術でさらなる磨きがかかっている。もし“クラウン”の文字さえなければ、開発陣はエンジニアにしろデザイナーにしろ、もっと自由に創造性を発揮できたことだろう。なにしろ「マジェスタ」こそはクラウンの上を行く、在来トヨタ・ディーラーにとってこれからの希望の星なのだから。
レクサスの国内チャンネル設立に伴って、いずれセルシオはそちらに移る予定であり、彼らにすれば喉から手が出るほど欲しい“第2のセルシオ”なのである。であればこそ、クラウンの枠を超えたところで勝負して欲しかった。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
……そう思うのもこのクルマの持つポテンシャルの高さゆえだ。機械としても商品としても内に秘めた可能性は大きい。いまは「クラウン」の範疇に留まっているが、既にオリジナリティの一端は芽吹いている。
そもそもクラウンのパーソナルカーとして生まれた「マジェスタ」だが、新型はリアの造形を一変、独自性を高めた。流行りの“段付き猫背トランク”(女性の和服帯姿のようでもある)をトヨタ流に解釈したスタイルは、テスト車の「オリーブマイカメタリック」ともマッチして、瞬時「ベントレー・コンチネンタルGT」やイギリス系クラシックモデルの優雅を想わせると言ったら誉めすぎか? 特に夜だとボディのエッジや繊細なクロームが際立ち、それを助長する。これに比べれば“お約束”のグリルはいかにも安直であり、通俗的に過ぎるのではないか。
限りなく「セルシオ」に近づいた理由は、V8エンジンとエアサスペンションに支えられた足まわりを一段と強化し、V6/金属バネどまりのクラウンに対するアドバンテージを一挙に拡大したためだ。
V8は4リッターの1UZ型から4.3リッターの3UZ型になり、足まわりには新たに「VDIM(ヴィークル・ダイナミクス・インテグレーテッド・マネージメント)」が奢られた。
なかでもABSやTRC(トラクション・コントロール)、VSC(ヴィークル・スタビリティ・コントロール)、電動パワーステアリングなどを組み合わせて統合制御する後者は、これまでのように単に限界時の安全確保だけでなく、実はそれ以前の段階から介入して、「ドライバーがイメージするクルマの挙動に極力近づけた作用をする」のだという。
目的は運動性能の向上による“ドライビング・プレジャー”の獲得。そんなところにもパーソナルカーとしての性格を色濃く見ることができる。
クラウンがベースのボディも寸法的にはむしろセルシオに近い。全長4950mm×全幅1795mmはそれぞれ縦に110mm、横に15mm拡大され、セルシオと比べても65mm短く、35mm狭いだけに迫った。
(グレード概要)
車種構成は単純明快、基本的には標準型の「Aタイプ」(567万円)とトップモデルの「Cタイプ」(609万円)しかない。あとはCタイプの4WD仕様である「i-Four」(637万3500円)があるだけだ。
トヨタの看板車種とあって装備の充実ぶりには目を見張るものがあり、既に述べたスペックが全車共通であるほか、いわゆるアクセサリー類についても最初から充分以上のものが備わっている。Cタイプはそれに加えて快適性、とりわけ後席のそれをレベルアップする以下の豪華装備が付いてくる。
40:20:40分割パワーリアシート、リアオートエアコン、イオン発生器、電動リアサンシェード/手動リアドアサンシェードなどがそれである。テスト車にはさらにオプションが盛り沢山に付いていたが、そのなかで、リアシートバイブレーター/リアシートヒーターとセットオプションのオットマン機能付き助手席シートおよびレーダー方式プリクラッシュセーフティシステムはCタイプ独自の設定で、結局はこうした選択余地の大小がグレードの差とも言えそうである。
これらの結果、テスト車の総額は721万9800円にもなり、思わず日本車も高くなったものだと声を上げてしまった。けれども、考えてみれば同等の輸入車はこれよりはるかに高価なわけであり、富裕層にとってはむしろ割安に映るだろう。
これからの時代は豊かさをフルにエンジョイできるユーザーとそうでないユーザーとに二極分化するのではと思わせるような、そんな1台であることは間違いない。(中編につづく)
(文=別冊CG編集室道田宣和/写真=荒川正幸/2004年8月)
トヨタ・クラウンマジェスタCタイプ(6AT)【ブリーフテスト(中編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000015612.html
トヨタ・クラウンマジェスタCタイプ(6AT)【ブリーフテスト(後編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000015613.html

道田 宣和
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