第111回:「C2」遂に日本上陸!これから期待できるかもよ?シトロエン
2004.03.28 小沢コージの勢いまかせ!第111回:「C2」遂に日本上陸!これから期待できるかもよ?シトロエン
■かなりイイ
ホントは海外出張ネタがまだまだあるんだけどさ。閑話休題。日本で乗ったクルマの話しをば。「シトロエンC2」が日本に入ってきました。現在わりと評判のいい「C3」の、さらに小さいクーペ版とでも呼ぶべきヤツね。プラットフォームはC3と共通で、インパネも同じ。1.6リッターエンジンも、もちろん共通。全長、ホイールベース共に結構縮められてますけど。
ついでに言うと、将来同じプラットフォームで「プジョー206」の後継もつくられるとか。専門的な話だけどね。
結論から言っちゃうと、かなりイイと思いました。
まずデザインがいいよね。シトロエンらしく、なおかつモダンでカッコいい。ちょっとガンダム的テイストも入ってるし。まあ、この「シトロエンらしく」ってのが人によって様々で、「どこが?」っていわれると、歴史的なディテールが踏襲されてるかはわからないんだけど、独特のノッペリした感じがいいじゃない。
「カッコはいいけどカッコよすぎない」っていうの? 俺のなかでは、そのブキミで無表情なヘッドライトが“らしくて”よい。個人的な感じ方ではあるけど。
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それから走りがいいよね。1.6リッターモデルの「VTR」ってヤツが最初に導入されたわけだけど、スポーティグレードゆえ、個人的には「硬すぎる」と思った。まっすぐ走ってるだけでピョコピョコ跳ねる。だけど、ボディがしっかりしていて意外と不快じゃないし、特にステアリングまわりの剛性感が高い。安心できるし、感触いいし、路面の状況をよく伝えてくれるのだ。
シトロエン独自の2ペダルマニュアル「センソドライブ」はシフトチェンジでややギクシャクするけど、この手としてはマシな方。高速の追い越しでややもたつく時があるが、慣れれば問題ないでしょう。
インテリアはハデな色づかいもあって、一瞬「安っぽいか?」とも思うけど、シートは厚みがあってしっかりしてるし、乗ると誤解だというのがわかる。
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■爽快で新しい
ってなわけでね。総じていうと「ラテン車らしい爽快感」と「シトロエンらしさ」と「新しい感じ」があるのだ。特に前の「サクソ」と比べると新鮮だと思う。普通の人から見ても「なにこれ?」って感じるクルマではあるまいか。C3しかり、今後のシトロエンブランドは注目なのでは? と思いました。消費税抜きだと200万円を切る車両価格もいいよね。サクソよりかなりお買い得。
ただね。唯一、販売力がまだまだ。専売店が全国で48店舗になったのはいいけど、認知度低いし、2004年内は300台しか入らないんだって。もっとウケるクルマだと思うけど……。とはいえクルマビジネスは水商売ですから、“恐る恐る”の姿勢はわからなくもない。
ま、クルマ好きには有名で歴史もあるけど、こう言っちゃあなんだけど、日本じゃ一度死んだようなブランドだからね、シトロエン。C3、C2は結構いいクルマなんで、個人的にも応援したいわけよ。みなさん、なにとぞよろしくお願いいたします。
(文=小沢コージ/2004年3月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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