スズキ・ワゴンR RR-DI(FF/4AT)【短評(前編)】
異端が異端でなくなるジレンマ(前編) 2004.01.01 試乗記 スズキ・ワゴンR RR-DI(FF/4AT) ……140.0万円 “ハイトワゴン”ブームの火付け役にして、“軽NO.1のスズキ”を支える「ワゴンR」シリーズ。3代目のトップグレード、直噴ターボを積む「ワゴンR RR-DI」に乗った別冊編集室の道田宣和は、人気モデルであるがゆえの悩みを感じたという。小さな体に大きな期待
7年連続で軽自動車届出台数1位に輝く「スズキ・ワゴンR」は、デビュー当初、やんちゃな存在でもあった。「アルト」のフロアパンを流用して二重底に仕立てた製法がそうなら、どうせ使用頻度は歩道側が圧倒的と、片方だけに割り切ったリアドアもしかり。さらに、「シボレー・アストロ」や「クライスラー・ヴォイジャー」とは比ぶべくもないサイズなのに、いち早く“ミニバン”を名乗り、見事それを定着させた。勝てば官軍、ユーザーの支持を得て3代目の今回は、臆面もなく「サラブレッドの子は、サラブレッド」を謳う。
となれば、フルモデルチェンジに際してのキープコンセプトは必然。それがもっともよく表れているのは外観だ。それでも当のデザイナーによれば、後から出てきた「MRワゴン」との棲み分けもあり、初代の精神に立ち返って「男性的」「存在感」「道具感」をキーワードに作り直したのだそうだ。
たしかに、Aピラーやサイドピラーを立ち気味にして、肩から頭にかけての空間を拡大したキャビンには息苦しさがないし、ID的(死語?)な機能美さえ感じられるダッシュボードはなかなか新鮮でもある。高級感に直結する樹脂のシボや内装素材は、特に吟味したという。これはまったくもって正しい。正しいが、正論はときにつまらなくもある。軽トップのスズキ、そのスズキを支える、稼ぎ頭のワゴンRなればこその悩みに違いない。
ディスチャージランプが目印
「ダイハツ・ムーヴ」のように、オーバーハングをあえてギリギリまで詰めなかったのは、その「男らしさ」や「存在感」を演出すべく、見た目の力強さや安心感を演出するためだった。深いエアダムに覆われたフロントマスクがその典型。なかでもよりスポーティな位置づけのワゴンR“RR”シリーズは、独自のグリルと灯火類を与えられ、そもそもカタログ自体が別立てになっている。
テスト車の「RR-DI」は、シリーズ中の最上位モデル。その名のとおりシリーズ共通の3気筒DOHC12バルブユニットには、新たに同社初の直噴ヘッドが唯一奢られた。ノーマルRR同様、ターボ+インタークーラー装着で得られ、(事実上)軽上限の最高出力64psは不変。高め(9.0:1)の圧縮比が可能になったことで、軽随一となる、ノーマル比5.6%増しの10・15モード燃費19.0km/リッターを実現した。
それだけに、車両価格が安くないのも事実。ワゴンR全体では、ノンターボのベーシックグレード「FA」の77.0万円(2WD/5MT)から用意されるが、テスト車(2WD/4AT)は140.0万円! その4WD版となると、151.2万円に跳ね上がる。ちなみに、NAには5段MTが設定されるが、ターボ系のトランスミッションは全車、4段オートマチックに限られる。
(後編に続く)
(文=道田宣和/写真=清水健太/2003年12月)
・スズキ・ワゴンR RR-DI(FF/4AT)【短評(後編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000014527.html

道田 宣和
-
BYDシールAWD(4WD)【試乗記】 2026.1.17 BYDのBEVサルーン「シール」の機能アップデートモデルが登場。強化のポイント自体はそれほど多くないが、4WDモデルの「シールAWD」は新たに電子制御式の可変ダンパーを装備したというから見逃せない。さまざまなシーンでの乗り心地をチェックした。
-
マツダCX-60 XDドライブエディション ナッパレザーパッケージ(4WD/8AT)【試乗記】 2026.1.14 「マツダCX-60」に新グレードの「XDドライブエディション ナッパレザーパッケージ」が登場。スポーティーさと力強さ、上質さを追求したというその中身を精査するとともに、国内デビューから3年を経た“ラージ商品群第1弾”の成熟度をチェックした。
-
カワサキKLX230シェルパS(6MT)【レビュー】 2026.1.13 その出来には“セロー乗り”も太鼓判!? カワサキのトレイルバイク「KLX230シェルパ」に、ローダウン仕様の「シェルパS」が登場。安心の足つき性で間口を広げた一台だが、実際に走らせてみると、ストリートでも楽しめるオールラウンダーに仕上がっていた。
-
メルセデス・ベンツC220dラグジュアリー(FR/9AT)【試乗記】 2026.1.12 輸入車における定番の人気モデル「メルセデス・ベンツCクラス」。モデルライフ中にも年次改良で進化し続けるこのクルマの、現在の実力はいかほどか? ディーゼルエンジンと充実装備が魅力のグレード「C220dラグジュアリー」で確かめた。
-
日産ルークス ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション(FF/CVT)【試乗記】 2026.1.10 日産の軽スーパーハイトワゴン「ルークス」がフルモデルチェンジ。「見えない危険が……」のテレビCMでお茶の間をにぎわせているが、走る、曲がる、止まるをはじめとしたクルマ全体としての仕上がりはどうか。最上級グレードをテストした。
-
NEW
ベントレー・コンチネンタルGTアズール(4WD/8AT)【試乗記】
2026.1.19試乗記ベントレーのラグジュアリークーペ「コンチネンタルGT」のなかでも、ウェルビーイングにこだわったという「アズール」に試乗。控えめ(?)な680PSのハイブリッドがかなえる走りは、快適で満ち足りていて、ラグジュアリーカーの本分を感じさせるものだった。 -
NEW
第327回:髪もクルマもナイスファイト!
2026.1.19カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。日産の新型「ルークス」で夜の首都高に出撃した。しっかりしたシャシーとターボエンジンのパワフルな走りに感心していると、前方にスーパーカーの姿を発見。今夜の獲物は「フェラーリ・ローマ」だ! -
NEW
日本で売れるクルマはあるのか!? 最新の“アメリカ産ニホンシャ”を清水草一が検証する!
2026.1.19デイリーコラムアメリカからの外圧による制度変更で、北米生産モデルの国内導入を決めたトヨタ。同様に、今後日本での販売が期待できる「海外生産の日本車」には、どんなものがあるだろうか? 清水草一が検証してみた。 -
フェラーリ12チリンドリ(後編)
2026.1.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が「フェラーリ12チリンドリ」に試乗。前編では伝家の宝刀であるV12エンジンを絶賛した山野。後編ではコンビを組むシャシーの印象を余すところなく聞いてみた。 -
BYDシールAWD(4WD)【試乗記】
2026.1.17試乗記BYDのBEVサルーン「シール」の機能アップデートモデルが登場。強化のポイント自体はそれほど多くないが、4WDモデルの「シールAWD」は新たに電子制御式の可変ダンパーを装備したというから見逃せない。さまざまなシーンでの乗り心地をチェックした。 -
新生ノートンがいよいよ始動! 名門の復活を担う次世代モーターサイクルの姿に迫る
2026.1.16デイリーコラム英国のモーターサイクル史にあまたの逸話を残してきた名門、ノートンが、いよいよ再始動! その数奇な歴史を振り返るとともに、ミラノで発表された4台の次世代モデルを通して、彼らが思い描く未来像に迫った。

































