フォルクスワーゲンmove up!(FF/5AT)/high up!(FF/5AT)【試乗記】
小さくても骨太 2012.09.18 試乗記 フォルクスワーゲンmove up!(FF/5AT)/high up!(FF/5AT)……156万5600円/190万5600円
鳴り物入りで登場した、フォルクスワーゲンのコンパクトカー「up!(アップ!)」が日本に上陸。その走りは? 乗り心地は?
しっかり“フォルクスワーゲン味”
「フォルクスワーゲンup!(アップ!)」を運転してみて、「なるほど、これはフォルクスワーゲンだ」と感心した。
質素で硬めの座り心地だけれど、疲れにくそうなシート(実際、疲れにくかった)。カッチリしたボディー。回すと適度に音を発して、運転している感を盛り上げるエンジン。締まった足まわり。小さな体格からは意外なほど安定した高速巡航。一度でもフォルクスワーゲン車を所有した人が「up!」のステアリングホイールを握ったなら、多かれ少なかれ、同じような感想をもつだろう。
up!は、2006年まで販売された「ルポ」のポジションを継ぐモデルだし、なによりフォルクスワーゲンのクルマなのだから、二重の意味で「フォルクスワーゲンらしい」のは当たり前だが、従来のフォルクスワーゲン車からは距離を置くポップで斬新なデザインから、無意識のうちに“隔絶したドライブフィール”を予想していたため、意外な念を抱いた次第。ガッカリ、ではない。念のため。
フォルクスワーゲングループの最も小さなモデル群の新しい体系「ニュースモールファミリー」の一員として登場したup!。そのコンセプトモデルが披露されたのは、今をさかのぼること5年前、2007年のフランクフルトショーだった。プレミアムブランドから降ってきた「スマート」に対する(ほぼ)10年遅れのカウンターパンチ。3年前に「スマート・フォーフォー」が市場に投入されたことで、大衆車の雄もついに堪忍袋の緒が切れたか、はたまた尻に火がついたか、と外野から楽しく眺めていたのだが、昨2011年、ようやく市販モデルが発表され、年末から欧州での販売が始まった。
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