「最終減速比ってなに? 」

2001.04.12 クルマ生活Q&A 松本 英雄 トランスミッション
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「最終減速比ってなに? 」

よく車の性能をあらわすところに、「最終減速比」という表示がありますが、これの意味するところはなんですか?(MTさん)

お答えします。クランクシャフトの回転はトランスミッションに移り、回転を変えながらディファレンシャルに入ります。ディファレンシャルではさらに回転が上がります。この最後のディファレンシャル部分における最初の回転(入力)と最後の回転(出力)の比を「最終減速比」といいます。

最終減速比が大きいものは商用車に多く、小さいものはスポーツカーなどに用います。最終減速比のまたの名をファイナルレシオともいいます。

クルマのカタログなどを見たときに、変速比と最終減速比を見ればそのクルマの性格がわかります。おおざっぱにいって最終減速比の数値が大きいと低中速重視のローギアードな設定、小さいと高速指向のハイギアードな設定ということがわかります。

ローギアードということはエンジン回転を上げて出力を出すタイプで、どちらかというと高速走行を苦手とします。一方ハイギアードであれば高速走行を得意とするタイプです。 燃費重視のモデルも後者にあたります。

最終減速比に留意してカタログをみると、メーカーのねらいが読み取れると思います。いままで知らなかったカタログの楽しみかたになると思います。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。