「ディストリビュータについて質問があります」
2001.05.05 クルマ生活Q&A エンジン「ディストリビュータについて質問があります」
ディストリビュータについて質問があります。私が乗っているのはVWコラードです。VWはディストリビュータの接点をきれいにすると調子がよくなるとの話を聞いたため、接点を掃除しました。ところが、電子制御されたエンジンのディストリビュータは封印してあり開けてはいけないと知人から言われたのを思い出しました。本当のところはどうなのでしょうか。(AHさん)
お答えします。まず簡単に、ディストリビュータ(配電器)と点火系の仕組みを説明しましょう。ガソリンエンジンは、圧縮した混合気をスパークプラグで点火して爆発させます。この火花はおよそ1万2000ボルトから3万ボルトぐらいです。ディストリビュータはイグニッションコイルによって高めた電圧を各気筒のスパークプラグへ分配する働きを担っています。構造的には配電器に加え、エンジンをスムーズに動かすために必要なさまざまな機構が詰まっています。
昔のクルマに多かった機械式のディストリビュータでは、ディストリビュータキャップ(デスビキャップと呼ばれたりしていました)を外し、ポイントと言われる機械式断続器の調整やキャップ内の掃除が必要でした。
電子制御になってもディストリビュータ内部が汚れることに変わりはありませんが、掃除はおすすめできません。金属同士が擦れる部分にはグリスが塗ってあったり、また構造を知らないままいじると点火順序が狂ってしまい、エンジンがかからなくなる事にも成りかねません。
「封印がしてあり開けることができない」と書いていらっしゃいますが、確かに少し前まで車検時にディストリビュータの点火タイミングの可動部に「封印シール」が貼られていました。車検時に排出ガス規制に適合させているため、不用意に動かさないようにという意図で貼られたものです。

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。