「事故車のボディは直る?」

2001.07.24 クルマ生活Q&A 松本 英雄 ボディ

「事故車のボディは直る?」

先日、追突事故に遭い、新車が大破しました。いわゆる「耐衝撃ボディ」は、修理によって元に戻るのでしょうか? またフレームが歪んだのですが、以前のようにキチンと走るようになるのでしょうか? 教えてください。お願いします。(SNさん)

お答えします。ゆがんだボディを指定の寸法通りに修正しても、残念ながら新車同様の「強度」や「粘り」が得られることはありません。ただし、各部の取付位置をメーカーの指定通りに戻せるのなら、通常の走行に支障はありません。

鉄板を一度曲げた場合、「加工硬化」という現象により硬くなります。事故などで曲がったフレームに再度曲げ加工を施すと、さらに硬化し、もとのような「粘り」がなくなって細かな振動や衝撃を吸収しにくくなります。
そうなると、フレーム本体の、路面から受ける衝撃に対する柔軟性が低下して、修正を行った個所にヒビが入る可能性があるのです。

最近では「フレーム修正」と「リペア技術」も向上しました。よほどの人でないかぎり、見た目や乗っただけでは「事故車」とわからないでしょう。とはいえ、事故前の良好な状態のフレームに比べ、サビが発生しやすく、剛性が低下するということは憶えておいた方がいいでしょう。

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松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。