ミツオカ・ビュート 12LX(FF/CVT)【試乗記】
富山県に続け! 2012.07.04 試乗記 ミツオカ・ビュート 12LX(FF/CVT)……336万2200万円
クラシカルな外観が特徴の「ミツオカ・ビュート」がフルモデルチェンジ。3代目となる最新型の仕上がりは……? 上級グレード「12LX」で試した。
機能とカッコのいいとこ取り
ルームミラーで後方を見た途端、名状しがたい感覚に襲われた。なんだかしっくりこないのだ。あるはずのないものが、そこにある。リアウィンドウに飾られたカーテンだ。脇にたたまれているので、大幅に視界を妨げているわけではない。ごく小さな変化にすぎないのに、見慣れないものが入り込むと心に引っかかりを生じる。人間の感覚とは、かくも保守的なのか。
「ミツオカ・ビュート」は、「日産マーチ」がベースとなったカスタマイズカーだ。モチーフとなっているのは、「ジャガーMk2」である。最新のコンパクトカーを往年の名車のように装う。機能とカッコのいいとこ取りをしようというわけだ。
パッと見では、外見にマーチの面影はない。今時珍しい金属製バンパーが取り付けられ、丸めのヘッドランプや立派なラジエーターグリルもよく再現されていて、エンジンフードの形までMk2似だ。マーチのファニーな表情は、きれいに消し去られている。見事なものだ。
クラシカルな装いであっても、乗り込んでしまえば快適な現代のクルマである。パワーウィンドウは当然のこととして、インテリジェントキーも標準装備だ。エンジン始動はプッシュボタンで、オプションでカーナビだって付けられる。元がマーチなのだから当たり前だ。グローブボックスの中には、ビュートとマーチの取扱説明書が並べて収められている。