トヨタ・マークII2.5グランデ(4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・マークII2.5グランデ(4AT) 2000.11.09 試乗記 ……312.5万円 総合評価……★★★★ホイールベースを長く、背を高く
1980年代後半から90年代にかけて、カローラを超えるほどの販売台数を誇った「中流国民車」。
マークII、クレスタ、チェイサーと、すこしずつテイストを変えた兄弟車をラインナップしていたが、2000年10月24日に発表された新型は、マークIIだけ。クレスタとチェイサーは継続販売されるが、同様のモデルチェンジを受けるかどうかは不明。
今回のモデルチェンジの特徴は、プラットフォーム、前後サスペンションをプログレと共通化し、先代とくらべて全高を60mmも上げたこと。マークII3兄弟車といえば、「低く長いボディに窮屈な室内空間」を特徴としていたが、最近のトヨタの新路線に従ってか、ニューモデルは背を高く、一方、全長は25mm短くされた。全幅は5mm増やし、ホイールベースは50mm延ばした。エンジンには、2.5リッター直噴ガソリンが新たに採用された。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
姉妹車クレスタとチェイサーに先立ち、2000年10月24日にデビューした9代目マークII。新しいトヨタの中堅FRセダンは、ビッグキャビンスタイルを採り、窓には枠が付いた。2.5リッターターボ(280ps)、主力の直噴2.5リッターNA(200ps)、直噴でない2.5リッターNA(200ps)、2リッター(160ps)、4種類のエンジンが用意される。ラグジュアリー指向の「グランデ」、スポーティの「グランデiR」に大別される。
(グレード概要)
2.5リッターNAには、4WDモデル用のノーマルユニットと、メインであるFRモデル用直噴「D-4」ユニットが用意される。グランデ系は、2/2.5リッター+4ATの「グランデ」、2.5リッターに5ATを奢った「グランデG」、2.5リッターターボの「グランデG-tb」がある。装備面で「グランデ」を「グランデG」と比較すると、タイヤサイズがひとまわり小さく、ヘッドライトが通常のハロゲン、ステアリングホイールが樹脂製といった点が異なる。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
装備は豪華満点だが、それらがインパネまわりでうまく整理されていない印象を受ける。カーナビのスイッチには日本語が使われているのに、オーディオには英語といった具合に。
(前席)……★★★★
シートは良くなった。旧型までのフカフカしたものではなく、引き締まったもの。それでいて、腰や背中もしっかりサポートする。調整幅は普通だが、日本車には珍しくシート座面の前後長がたっぷりとあり、ヒザの裏側までを支えてくれる。
(後席)……★★★
いつも人が乗るわけではない後席は、コストダウンの犠牲になりがち。日本車では最近その傾向が非常に強い。しかし、前席同様、今度のマークIIは悪くない。また、後席でチェックすべきなのは、シートや空間の広さとともに屋根がどこまで延びているかということ。リアガラス越しの直射日光を避けられるかどうかが肝心だ。これも悪くない。
(荷室)……★★★
ガソリンタンクを後席下に移したことによって重量配分が改善され、また荷室が広がった。具体的には、左右リアサスペンションの間の空間が荷室として使うことが可能に。そこで、「ユーティリティボックス」なるプラスチック製の箱を設置して、トランクスルーの穴を通じて後席からものを取り出しやすくしている。悪いアイデアではないが、黒一色のペナペナのプラスチック製の箱は、100円ショップで売っていそうだ。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★★
エンジンのレスポンス、パワー、トルク、それらの出方など、いずれも不足ない。ショックの少ないトランスミッションとの組み合わせも申し分ない。元はメルセデスベンツ・オリジナルのスタッガード式シフトレバーは、使いやすくてとてもいい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
エンジンとトランスミッションが洗練されているのと対照的なのが、足まわり。乗り心地は舗装のいい路面では快適なのだが、凹凸や轍が掘れた路面ではサスペンションと一緒にボディも上下してしまう。また、ハンドルには常に路面とタイヤからの振動が伝わってくるのが不快。
(写真=河野敦樹)
【テストデータ】
報告者:金子浩久
テスト日:2000年11月7日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2000年型
テスト車の走行距離:1108km
タイヤ:(前)195/65R15 91H/(後)同じ(いずれもブリヂストン B370)
オプション装備:VSC(アンチスピンデバイス)+トラクションコントロール+タイヤ空気圧警報システム(8.0万円)/インダッシュCDチェンジャー+カセット一体AM/FMマルチ電子チューナー付ラジオ+6スピーカー(2.5万円)/DVDナビゲーションシステム(29.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
テスト距離:370.7km
使用燃料:48.0リッター
参考燃費:7.7km/リッター

-
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】 2026.9.1 2020年のデビュー以来、間断なく進化を続けてきたコンパクトスポーツの「トヨタGRヤリス」。一般ユーザーの間ではもちろん、コンペティションの世界でもチューニングのかいわいでも光を放つ一台は、2026年モデルでどう進化したのか? その走りを報告する。
-
アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスト(4WD)【試乗記】 2026.8.31 フルモデルチェンジした「アウディQ3スポーツバック」に試乗。プラットフォームやパワートレインこそ従来型の改良版ではあるものの、内外装のデザインやインフォテインメント、効率性のすべてにおいて大幅な進化を遂げたという。その仕上がりやいかに。
-
トヨタbZ4XツーリングZ(4WD)【試乗記】 2026.8.29 「トヨタbZ4X」にワゴンのようなロングボディーを持つ「ツーリング」が登場。ただ長くなっただけではなく、今回試した4WDモデルではパワーもアップ。乗り味にも微妙な影響を及ぼしているから見逃せない。経路充電を試しつつ、370km余りをドライブした。
-
BMW 120オリジナル(FF/7AT)【試乗記】 2026.8.25 BMWの主要モデルに新グレードの「オリジナル」が設定された。位置づけとしては新たなエントリーグレードということになるが、BMWらしさを損なうことなく装備を厳選し、価格を抑えたのがポイントだという。「1シリーズ」の「120オリジナル」の仕上がりをリポートする。
-
トライアンフ・スラクストン400(6MT)【レビュー】 2026.8.25 カフェレーサーの本場である、イギリスのトライアンフがリリースした「スラクストン400」。車名のとおり、カジュアルに楽しめる400ccクラスのマシンではあるのだが、その実物からは、エントリーモデルとは思えない本物の香りが漂っていた。
-
NEW
ホンダがコンセプトモデル「アキュラ・ネクセラ ビジョン」を発表 次世代デザインを読み解く
2026.9.3デイリーコラム本田技研工業の米国現地法人アメリカン・ホンダモーターが、アキュラブランドの次世代デザインを示すというコンセプトモデル「ネクセラ ビジョン」を初公開した。バタフライドアを採用するこのスポーツカーは、次世代アキュラの何を表現しているのか。 -
NEW
BMW iX3 50 xDrive Mスポーツ(後編)
2026.9.3あの多田哲哉の自動車放談ワインディングロードで新型「BMW iX3」のステアリングを握った多田哲哉さんは、その走りに感心した様子。どんなところが優れているのか、トヨタのエンジニアの視点で語ってもらおう。 -
新型「三菱パジェロ」の外装・内装を写真でチェックする
2026.9.2画像・写真5年間のブランクを経て、三菱のフラッグシップSUV「パジェロ」がついに復活! 「グランドカリスマ -泰然自若-」をコンセプトにデザインされた本格クロスカントリーモデルは、どのような姿をしているのか? 内外装の詳細を、写真で紹介する。 -
復活の決め手はこっくりさん!? 新生「三菱パジェロ」誕生の経緯とその狙い
2026.9.2デイリーコラム5年間の沈黙を経て、ついに登場した新型「三菱パジェロ」。スリーダイヤモンドが誇る荒野のフラッグシップは、いかにして復活を遂げたのか? 開発の経緯や内外装デザインの詳細、パワートレインに見るクルマの“狙い”をリポートする。 -
第127回:新型BMW X5(後編) ―迷走するBMW 結局アナタは“ノイエクラッセ”でなにがしたかったの?―
2026.9.2カーデザイン曼荼羅その姿が明らかとなるや、賛否両論を巻き起こしている新型「BMW X5」。このクルマは既存のBMW製SUVとはなにがちがうのか? そもそもBMWは“ノイエクラッセ・デザイン”になにを託していたのか? カーデザインの識者と、迷走するBMWの明日を探った。 -
BMW X1 sDrive20iオリジナル(FF/7AT)【試乗記】
2026.9.2試乗記BMWのコンパクトSUV「X1」に新グレードの「オリジナル」が登場。走りの楽しさをはじめとしたBMWらしさをキープしつつ、装備の厳選によって価格抑制を図った新たなエントリーグレードだ。都市部におけるドライバビリティーとユーザービリティーをリポートする。































