レクサスGS250“バージョンL”(FR/6AT)【試乗記】
これぞど真ん中のベーシック 2012.05.14 試乗記 レクサスGS250“バージョンL”(FR/6AT)……699万9600円
そのクルマの本当の実力を知りたければ、ベーシックなモデルに乗るにかぎる。ハイブリッド仕様やLDHに話題が集まりがちな「レクサスGS」だが、2.5リッターモデルの仕上がりはいかに。
真の実力は「素」に宿る
「レクサスGS250“バージョンL”」試乗の目的は明確だ。「素のGSはどうなのか?」ということが知りたい。
本年1月にフルモデルチェンジを受けて以来、ハイブリッドの「レクサスGS450h」や、LDH(レクサス・ダイナミック・ハンドリングシステム)が備わるスポーティーグレードの“Fスポーツ”に注目が集まりがちだった。ハイブリッドシステムもLDHも、新型GSがドイツ勢に対抗するにあたってのストロングポイントだからそれも当然ではある。一方で、「それがないとダメなわけ?」とも思うのだ。
試乗したのはレクサスGSのラインナップ中で最もベーシックな2.5リッターV6エンジンを積むレクサスGS250。「GS350」にはフルタイム四駆仕様もあるけれど、GS250にはFR(後輪駆動)しかないので当然FR。GS250の場合は“Fスポーツ”を選んでもLDHは備わらないので、LDHはナシ。グレードが“バージョンL”だったので、路面の状態や走行状況に応じてショックアブソーバーの減衰力を自動で最適化するAVS(Adaptive Variable Suspension system)が備わるけれど、それ以外はほぼベーシックモデルと呼んでいい仕様だ。
内外装のデザインについてはあちこちで散々書かれているので繰り返さないけれど、昨秋、初めて見た時にはギョッとした新しいフロントマスクが目に馴染(なじ)みつつあることは書いておきたい。
「サドルタン」という落ち着いた茶色のレザーシートに腰掛け、エンジン始動。といっても「シュッ」とエンジンが掛かったあとは振動があるわけでもなし、エンジンや排気の音が聞こえるわけでもなし。室内はしーんと静まり返っている。