レクサスGS460“versionL”(FR/8AT)【試乗記】
慣れたらコワい 2008.02.19 試乗記 レクサスGS460“versionL”(FR/8AT)……812万9750円
「レクサス」日本開業時に旗艦をつとめた「GS」は、マイナーチェンジでどう変わったのか? やがて話題は、2年を経たブランドそのものに広がって……『webCG』コンドーと関のリポート。
新しい“お下がり”は……
コンドー(以下「コ」):ひぇー! こら、めっちゃ速いわ!
関(以下「せ」):フル加速すると、4000rpmからスーパーチャージャーみたいな唸り声が聞こえます。
コ:じつは過給機付いてたりして。せやけど、「やってる感じ」は、まるでない。汗かける速度域までは、とてもイケへんな。
せ:低速で重ったるいパワステの感触も、速度が上がるほど自然になっていい感じ。
コ:いつでもどこでも免許があぶなくなりかねん。一応、4ドアセダンなんやけど……
せ:立派なレザーシートも、後席の座面が短くてしっくりこない。結局、バリバリのドライバーズカーなんですね。
コ:ブランド変わっても、走りの血統は変わらんてわけや。さすが、トヨタ・アリスト!
せ:あらため、レクサスGS。
コ:の、「430」が「460」に変わったんやったっけ?
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せ:エンジンは、トヨタ・セルシオのお下がりだった4.3リッターV8から、レクサスLSと同じ新しい4.6リッターV8に乗せ換え。これが、レクサスGSとして本来の姿なんでしょう。
コ:どうりでこの加速感……自主規制の280psから、一気に100psアップしたちゅうわけか! 全然別モノやん。
せ:いえ、スペックはLSの「385ps/6400rpm、51kgm/4100rpm」から約1割ダウンして、「347ps/6400rpm、46.9kgm/4100rpm」止まりなんですよ。パワー感に不足はないですけど。
コ:ベタ踏みしたら、軽〜く針が振り切れるもんな。リミッターまであっという間。あっ、テストコースでのハナシね。
せ:GSのほうがLSより200kg軽いから、0-100km/h加速は5.8秒同士のイーブン。スペック以上に速く感じられますね。
コ:「同じ」ゆうのは、なんか、なだめられてるみたいやけど……
せ:10・15モード燃費は、リッターあたり9.1km対9.3kmでGSのほうが上。
コ:なるほど、納得のバランス。さすが。
せ:ハイブリッドの「GS450h」は、0-100km/h加速が5.6秒なんですけどね。
コ:なんや。“モーター付き”には負けるんかい!
せ:「450h」の燃費は、14.2km/リッター。これまたかなわない。
コ:新型なのに、「GS460」の出る幕ないやん……
せ:価格はハイブリッドより22万円お安いですよ。
コ:そんなん、このクラスやと誤差の範疇やん。前の「430」のときより、ずいぶんその差が狭まったし。
せ:「450h」と「460」は、オーナーの指向性が違い、実際に比較されることはないそうです。ご心配なく。
コ:迷う人も出そうに思うけど……
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押しは強いが影薄い!?
せ:トランスミッションが8段ATにバージョンアップしたのもポイント。お約束のシーケンシャルモード付きです!
コ:カチャカチャカチャカチャカチャ……って、いま何速で走ってるのかわからんようになるわ!
せ:マニュアルだと、アップもダウンもスゴ〜く忙しい。結局、どんな道でも「D」レンジ入れておくのがベストですね。
コ:やっぱり「460」、キャラが立ってないんと違うんかい? でも、多くのオーナーがリミッター解除とかメーターのフルスケール化にこだわるって話やね。アツいな。でも、いいんかい?
せ:ワインディングじゃ450hよりこっちのほうが断然速いですから。バランスがいい。
コ:肘掛の下には、ボンドカーばりのセッティングボタン。ヘタなスポーツカーでは太刀打ちできへんのと違う? 余裕シャクシャク。いくら飛ばしたところで、コワいくらいコワさを感じひん。
せ:外観もなかなか怖そうですよ。
コ:最近はやたらつり目のクルマが多いけど、GSはそうじゃない。せやけど……
せ:リアルで怒ってるような表情ですよね。後ろから煽られたくないなぁ。
コ:Cピラーがトランク側に膨らむデザインも、独特の力強さがあって好ましい。
せ:身をかがめて獲物に襲いかかろうとする猛獣のような。
コ:そのエクステリアも、なにかしらマイチェンしてるんやろ?
せ:ドアミラーにはウィンカー。グリルがレクサス風味の太いメッキになりました。彫りが深くなって重厚感が増した感じ。
コ:ブランドの統一感を出そうというわけや。実際、レクサスの車は、もともとバラバラやもんな。
せ:ISは「アルテッツァ」、GSは「アリスト」、LSは「セルシオ」……それぞれコンセプトの違うクルマですからね。
コ:SC(「ソアラ」)も忘れんといて! トヨタ・ソアラのデビュー当初は、ホンマにふにゃふにゃやったなぁ。年々改良重ねてるのか、いまのモデルはいくぶんシッカリしてる。たたずまいは言うことナシ。
せ:真っ赤な内装といい、独自の世界がある。
コ:せやけど、ブランドイメージの統一は大事やろ。お互い、“レクサス2世”になったら混ざり合うんかな?
せ:開発者のお話では、それぞれの個性は大事にし続けるということでした。
コ:にしても、LSがデビューしてから、GSは一気に影が薄くなった。まさに、セルシオが出て、クラウンの居場所がブレたのと同じ。
せ:月間の国内販売台数、ISとLSが月1000台前後。GSは700台くらいだから、かなり健闘してるんじゃないかと思いますが……。
目には見えない個性
コ:で、今回のテコ入れというわけやけど……弟分のISには、エモーショナルな「ISF」がある。もともと走りもウリのGSは、もっとキャラたてないとアピール難しいんとちゃうやろか?
せ:社内には「GS F」構想もあるそうですよ。「Fシリーズ」なるものまで検討されているとか。
コ:「M」とか「RS」とか「AMG」みたいなもんや。
せ:「GS F」がハイブリッドで出たら、独自ブランドが構築できそうです。
コ:“エレキなプレミアム”。エコ重視はこれからますますいくやろし、案外そうなるかもな。
せ:自他ともに認める「無味無臭」ブランドに、個性の花が咲きますよ。
コ:ただ、レクサスブランドの独自性は、現状でもないわけやないと思うで。
せ:「速い」「静か」……あと、「どのクルマも本革シートが柔らかい」。
コ:それそれ! でも、ポイントは別の“ソフト”やろね。
せ:音声通話とか、データ通信のサービス「G-Link」(ジーリンク)ですか。
コ:だいたい、天井に「救急車ボタン」が付いたクルマなんてあるか!?
せ:押したら数秒でオペレーターが「事故ですか? 救急ですか?」 呼んどいてビックリしますよ。
コ:心臓止めてしまわんようにな。それが、「ヘルプネット」。クルマ降りても、車上荒らしとか報告してくれるんやで(「Gセキュリティ」)。
せ:「レクサスオーナーデスク」ってのが評判らしいですけど?
コ:「この辺りで○○が美味しい店に連れてって」とか、オーナーのわがままに応えるコンシェルジュ。カーナビ使って指示してくれる。
せ:日産にも同様の「カーウイングス」がありますね。
コ:使い始めると抜けられんようになるらしい。
せ:高齢化社会に向けての、プレミアムな介護サービスじゃないですか。抜け目ないなぁ。
コ:世の情報サービス重視も、エコ同様に続くやろ。若者のクルマ熱がケータイに奪われたゆうけど、こういうサービスは、今後ますます強みになると思う。
せ:ハイパフォーマンスセダンは多くとも、こういう細かい気配りまでできるライバルは、決して多くない。これもまた、「GS」の個性なんですね。しかも、購入から3年間タダ。気前もいい。
コ:その無料奉仕のコンシェルジュが、この峠道の先にある蕎麦屋を勧めてくれてんで。昼メシ行くか。
せ:飛ばし過ぎないでくださいよ……「ヘルプネット」は試したくないですから!
(文=webCG 近藤俊&関顕也/写真=峰昌宏、webCG(W))

近藤 俊
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