ベントレー・コンチネンタルGTスピード(4WD/8AT)【試乗記】
どこまでも品がある 2013.04.05 試乗記 ベントレー・コンチネンタルGTスピード(4WD/8AT)……2891万1900円
ベントレーのハイパフォーマンスクーペ「コンチネンタルGTスピード」が教えてくれた、ジェントルマン的な立ち居振舞いとは?
イギリスからの客人
やんごとない方がはるばるイギリスからお見えになるというので、わが家は朝からてんやわんやだった。こんなに狭い場所にお泊めして大丈夫か、とぶつぶつ言いながら駐車場を掃き掃除。食べ物はお口に合うだろうか、と心配になったので念のため、普段は使わないモービルのガソリンスタンドの定休日を確認する。でも、せっかくの日本だから洋食(モービル)より和食(エネオス)を喜ぶだろうか。
客人の名は「ベントレー・コンチネンタルGTスピード」。625psの6リッターW12気筒+ツインターボエンジンを搭載する、「コンチネンタルGT」3兄弟で一番の力持ちだ。ちなみにほかの二人は、575psの「コンチネンタルGT」と507psの「コンチネンタルGT V8」。さすが名家のご出身だけあって、どなたもリッチだ。
お付きの方に連れられて、コンチネンタルGTスピードがお見えになった。「ボボボボボボ」というアイドリング付近の低い音は、それほど大きくない。これなら住宅地での深夜の出入りも問題なさそうだ。お付きの方からステアリングホイールを預かり、狭い駐車スペースにお入りいただく。
何度か切り返す必要はあったものの、思ったよりはるかに小回り利く。何万回と車庫入れを行った場所で得た実感だから、間違いはないはずだ。
これなら必要とあらば、スーパーへの買い物に付き合っていただくことも可能だろう。もちろん、殿下の身に万が一のことがあってはいけないので、そんな場所には連れて行かない。
ベントレー家の方には何度かお会いしているけれど、瀟洒(しょうしゃ)なインテリアは何度見てもため息が出る。何度かお会いした経験から、オーダーをする時にいかようにもあつらえてもらえるということも知っている。
カーボンを使って男らしくレーシィにするのか、近未来っぽいアルミ仕立てとするのか、それとも木と革であえてオールドワールドを演出するのか。いずれにせよ、いいモノや優れた作品にふれて、目を肥やしておく必要がある。
運転席に収まって聞く排気音は、外で聞くよりはるかにボリュームが低い。ただし、いかにもヌケのよさそうな乾いた低音は、上等なオーディオのボリュームを絞った音のように、耳に心地よく響く。
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