第14回:ちょっと体質変わってきてるかも?
東京オートサロン2014雑感
2014.01.22
小沢コージの勢いまかせ!! リターンズ
「86」「BRZ」が減ったような……
今年も行ってまいりました東京オートサロン! 今や、チューニングやカスタムをするユーザーの数が減りつつある日本のクルマ業界において、オートサロンは唯一といってもいい「華」っていうか慶事! しかも今年は、出展社数こそ減っても展示面積は過去最大。いままで未使用だったホールも使い始めたほどの盛り上がりで、3日間の入場者数も過去最高の29万6714人って話。このイベントを励みにやってる全国のショップも多いと思うんだけど、そうはいっても今年は体質の変化を感じましたなぁ。
まずは旬な新車の少なさだ。ここ1~2年は「トヨタ86」や「スバルBRZ」をイジったものが多かった気がするけど、今年はあまり見なかった。雑感ゆえ、正確に台数は数えてないんで申し訳ないけど。
ド派手な輸入車も減った気がするな。確かに、相変わらずリッチ輸入車で有名な「WALD」さんは「ロールス・ロイス・ゴースト」を出してたし、あるところにはあるという感じだったけど、「ええ、コイツを日本でチューニングしたの!!」ってインパクトはほぼなかった。
本来なら新しくなった「ベントレー・フライングスパー」やニュー「レンジローバー」を、エエッここまで!? みたいのがあってよかったような……。唯一、新型「シボレー・コルベット」が展示されていたのは朗報だが、もっといろんなのが出ていてほしかった。
大御所が出馬を見合わせる一方で
それと個人的にプチショックだったのは、ある意味オートサロンの“お祭り化”を推し進めたともいえる「JUNCTION PRODUCE(ジャンクションプロデュース)」の不出馬。完全撤退かどうかは、社長の武富さんに聞いてみないとわからないが、なんだかんだカスタム業界は地図が徐々に塗り変わってきている。
一方、増えたと思うのは国産セダンのチューニングで、一つ前の「トヨタ・クラウン」をエアロでイジり倒したようなヤツが多かった。レクサスも同様で、ネタの国産回帰が始まっている気がする。
それから、ど派手なスワロフスキー調チューンで有名な「D.A.D」さんだけど、今年はまた先代の「メルセデス・ベンツSL」がベース。微妙にディテールは変わっているのかもしれないけど、本来ガルウイングの「SLS」あたりでやるべきじゃないですか? なんか割り切りを感じるような気がします。
かたや、もはやオートサロンの顔!? になりつつある自動車学校もの、例えば千葉の「NATS(日本自動車大学校)」さんや「埼玉自動車大学校」さんなんかは常に頑張っている。また今年は初めて輸入車御三家のメルセデス・ベンツがAMGを従えて出展。そこで偶然会ったBMWの関係者も「もしかすると来年はウチも(笑)」だそうだ。
確かに規模は拡大しているし、今年メルセデス・ベンツが出たように、国際化もますます進むだろう。
だが、そもそもこのイベントの核であった“毒”な部分は着実に減っているような……。
それが時代の変化といわれればそれまでだが、ある意味、成熟化、大人化がますます進んでいますねぇ、東京オートサロンは!!
(文と写真=小沢コージ)
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小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 ホームページ:『小沢コージでDON!』